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本の紹介「石油のものがたり」

「石油のものがたり」大河内直彦文・山福朱実絵、福音館書店たくさんのふしぎ2017年6月号、667円+税


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【西村寿雄 20171016】【公開用】
●「石油のものがたり」大河内直彦文・山福朱実絵、福音館書店たくさんのふしぎ2017年6月号

 石油について、さまざまな利用現状を紹介しながら、その生成の過程、石油の持つ問題点なども含めてあらかたの知識をざっくりとまとめている。石油についておおよそのことが知りたい子どもにはうってつけの本である。まずは、石油は自動車や飛行機などにも使われているほか、なんといっても発電に使われわたしたちのくらしを豊かにしていることを紹介している。そして、もうひとつの「顔」として日常の生活用品の原料としても多く使われていることを取りあげている。さらに、石油の発見・開発の歴史、そして、石油が生まれてくる過程はかなりくわしく書かれている。石油は海中プランクトンが火山活動や太陽エネルギーによって長く地中に閉じ込められて生まれたものと書いている。つづいて、石油資源消費による地球温暖化問題にも言及している。「石油の正体は太古の太陽エネルギーだったのだ」という言葉で締めくくっている。

 お薦め度:★★★  対象:石油に興味のある子ども


【冨永則子 20171020】
●「石油のものがたり」大河内直彦文・山福朱実絵、福音館書店たくさんのふしぎ2017年6月号

 大昔の海に暮らしていた小さなシアノバクテリアというプランクトンの死骸の集まりが石油。海底に降り積もった死骸はカプセルのように一億年もの長い時間にわたって太陽エネルギーをその中に閉じ込めていた。石油は大昔の海にいた小さな小さな生き物の中に溜め込まれた太陽の力。現在の私たちの暮らしは太古の太陽エネルギーを使って成り立っているのだ。表紙の絵が石油ランプなのは分かるが、裏表紙がロウソクなのはなぜ?石油エネルギー依存を暗に批判しているの?

 お薦め度:★★★  対象:石油の成り立ちに興味のある人に。

【中条武司 20171019】
●「石油のものがたり」大河内直彦文・山福朱実絵、福音館書店たくさんのふしぎ2017年6月号

 石油は燃料だけでなく、生活の様々な場面で使われていることや、太古の昔から人間の生活に関わっていること、そしてそれが今から1億年前の海の底でたまったプランクトンの死骸からできていることが、味わいのある版画とともに紹介している。日本ではなぜたくさんの石油がとれないのかや、石油開発の歴史なんかも書かれていて、情報盛りだくさん。子どもにとって楽しい本なのかはさておき、大人でも石油について学べる本。

 お薦め度:★★★  対象:子ども向けというよりも地質に興味のある初学者向け


【西本由佳 20171015】
●「石油のものがたり」大河内直彦文・山福朱実絵、福音館書店たくさんのふしぎ2017年6月号

 この本は、石油の成り立ちをていねいに追っていく。石油は大昔の海に暮らしていた植物プランクトンに由来する化石燃料であり、これからもう一度人の手でつくることはできない。さいごに、石油は「太古の太陽エネルギーだったのだ」とくくられる。いまの暮らしも、身の回りでふれる多くのものも、とても長い時間をかけてできたもので成り立っていると考えると、感慨深かった。

 お薦め度:★★★  対象:石油を単なるエネルギー源の一つとしか思わない人


【森住奈穂 20171020】
●「石油のものがたり」大河内直彦文・山福朱実絵、福音館書店たくさんのふしぎ2017年6月号

 石油。それは燃料として、また、ものの原料として、わたしたちの暮らしを支えている。いま石油のない暮らしを想像することは難しい。石油とは何で、どのようにして生れたものなのか。1億万年前にさかのぼり、石油のものがたりが始まる。海で育った植物プランクトンの死がいが、火山活動、気候変動を経て、数十万年も海底に溜まり続ける。地熱によって温められたそれは、長い時間をかけて石油へとかわっていった。聞きなれない言葉が並んでいるから、小さい子には難しいかもしれないけれど、いまの暮らしに無くてはならない石油に、地球の歴史がつまっていることを知ってほしいなぁ。

 お薦め度:★★★  対象:石油のお世話になっているひと


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