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本の紹介「島はどうしてできるのか」

「島はどうしてできるのか 火山噴火と、島の誕生から消滅まで」前野深著、講談社ブルーバックス、2024年7月、ISBN978-4-06-536564-9、1200円+税


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【中条武司 20250424】
●「島はどうしてできるのか」前野深著、講談社ブルーバックス

 タイトルに「島はどうしてできるのか」とあるが、実質は火山島だけの本。とはいえ、火山島ができるそのプロセスは火山によって違うしとてもダイナミック。日本国内の西之島や昭和硫黄島、福徳岡ノ場、海外のクラカタウ、サントリーニ、モンセラートなど、普通は上陸できないような火山島の紹介が続く。島の話と見せかけて、火山噴火のプロセスやマグマの形成、そして火山噴火の影響など、火山に関する様々な知識も盛りだくさん。大阪にいると縁遠い火山島だけど、船上から雄大な火山島とか見に行きたくなる。

 お薦め度:★★★  対象:火山または火山島を知りたい人
【西村寿雄 20250420】
●「島はどうしてできるのか」前野深著、講談社ブルーバックス

 著者はあちこちの海底火山の調査に加わっていた。その経験から、海底火山による島のでき方を各地の事例を通してくわしく紹介している。海底火山には海底特有の災害も起きる。海底火山の形態や被害の様子は、陸上火山とどのような違いがあるのか興味深い内容が盛られている。西ノ島火山や、福徳岡の場火山についてもくわしく論じられていて興味深い。海底火山の特徴として大噴火による津波の被害なども紹介されている。世界各地の海底火山の様子も書かれていて興味深い。

 お薦め度:★★★  対象:海底火山に興味ある人
【西本由佳 20250420】
●「島はどうしてできるのか」前野深著、講談社ブルーバックス

 火山噴火による島の誕生から消滅までを、世界中の火山の現状と歴史についての研究成果から紹介する本。西之島の噴火による「誕生」と成長、火山の噴火様式による噴火の性質のちがい、歴史時代・先史時代の巨大噴火と災害、噴火にともなう山体崩壊による津波など。島のことだけでなく、火山の噴火によるさまざまな噴出物と周囲への影響を、著者の専門分野である岩石の分析という視点から紹介している。

 お薦め度:★★★  対象:火山について知りたい人
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