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本の紹介「進化とはなんだろうか」

「進化とはなんだろうか」長谷川眞理子著、岩波ジュニア新書、1999年6月、ISBN978-4-00-500323-5、860円+税


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【六車恭子 20150626】【公開用】
●「進化とはなんだろうか」長谷川眞理子著、岩波ジュニア新書

 進化生物学の立場から「適応」と「自然淘汰」をキーワードに生物の多様性を読み解こうとした意欲作である。  ダーウィンの「種の起源」からおよそ150年、生き物の行動と生態に関する研究は飛躍的に発展を遂げてきた。DNAの二重らせんの構造の解明や分子レベルでの解析も多くの成果を得てきた。たった一回しかなかった生命の誕生は地球上のすべての生き物が同じ暗号をつかっていることからあきらかだという。雄と雌が性を介して減数分裂をし、そこには個体変異がある。この遺伝的変異こそが自然淘汰が起こる大事な条件なのだ。進化とは生物が時間とともに「変化」していくことなのだ。雄と雌の性比、その違い、赤の女王仮説など話題は尽きない。進化生物学の100年の歩みがここに圧縮されて収められている!著者の長年の研究の成果が未来へのメッセージとなって結晶した感があるのだ。

 お薦め度:★★★★  対象生命や生き物の不思議に出会いたい人ならだれでも
【寺島久雄 20021019】
●「進化とはなんだろうか」長谷川真理子著、岩波ジュニア新書

 種分化・種多様性の結果、多くの生き物が現存している。物理的、生物的環境の中で、自然淘汰・頻度依存の淘汰・性淘汰があったり、遺伝的変異・共進化・最適化などのプロセスの「進化」のメカニズムを教示してくれている。
 生物の進化を考え、謎解きに挑戦してはと、興味を持たせようとしている。
 
 お薦め度:★★★  対象:ジュニアのみならず大人にも

【和田岳 20150417】
●「進化とはなんだろうか」長谷川眞理子著、岩波ジュニア新書

 一般向けに進化を語ってくれる珍しい研究者、長谷川眞理子さんが進化の基礎を解説してくれる一冊。最初は、進化の基礎講座。DNA、自然淘汰の仕組み、変異の種類と淘汰のタイプ、種分化。後半は、著者の興味を取り込みつつ、最近の進化研究の成果の紹介。共進化、最適化の理論、ゲーム理論、有性生殖の進化の問題。最後は、進化理論の歴史を振り返る。
 さすがの安定のクオリティ。基礎を丁寧に解説しつつ、新しい内容も盛り込んでくる。子ども向けに優しく解説しているけど、上から目線ではない。好感度が高い。進化について真面目に勉強したい人に、推薦しやすい。

 お薦め度:★★★  対象:進化について勉強したい人

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