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本の紹介「シーボルトと町絵師慶賀」

「シーボルトと町絵師慶賀 日本画家が出会った西欧」兼重護著、長崎新聞社、2003年3月、ISBN978-4-931493-38-4、1143円+税


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【萩野哲 20100211】【公開用】
●「シーボルトと町絵師慶賀」兼重護著、長崎新聞社

 江戸末期に日本の文化や自然を西洋に紹介し、日本には西洋の医学や自然科学の知識を教えることで顕著な功績があったシーボルトが、日本にいる間フルに活用したのが絵師、川原慶賀であった。本書は慶賀に焦点を当て、その生涯と作品を紹介している。卓越した絵の才能と西洋の新しい技法を取り入れようとする姿勢を持った慶賀がこの時代に長崎にいたことは、シーボルトにとっても後代の人々にとっても大変幸運なことであったと理解できる。新書版ながら、日本に現存する作品を網羅しており、文献リストも充実している。

 お薦め度:★★★  対象:生物学史にやや広く興味がある人

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