【萩野哲 20170609】【公開用】
●「したたかな魚たち」松浦啓一著、角川新書
魚の想像を絶する多様性を知るための格好の入門書。著者は分類屋さん(それも特にフグ類)らしく、今でも続々発見される新種、サイズの大小差、変な形態、極限の環境での生息など、どちらかというと普通の種より変わった種(それも特にフグ類)を紹介し、魚類の多様性を強調している。また、魚のくらしの面でも、泳ぎ方、食べ方、生き残り戦術、繁殖法など、・・・やはり変わった種を紹介しているが、面白い話題を厳選しているし、写真もきれい(モノクロで残念だが)なので、読んで楽しい。
お薦め度:★★★ 対象:魚の多様性を知りたい人
【西村寿雄 20170609】
●「したたかな魚たち」松浦啓一著、角川新書
魚の世界は地上と違ってまだ人に知られていないことが多い。この本では、長年日本近海や奄美大島、東南アジアやミクロネシア沖など世界各地の海にもぐってきた著者が多様な魚の世界をあますところなく紹介している。今も魚の新種は1年間に数百種見つかっているとか。最近話題になったアマミホシゾラフグのミステリーサークルも著者の発見。目が頭の上を移動するヒラメ、T字頭のサメ、自分で家をつくるチンアナゴなど魚の生活も多様。氷の海に棲むタラもいるかと思うと居候生活をする魚もいる。海底を歩く魚もいるかと思えば空飛ぶ魚もいる。なかには他人(魚)にひっついて〈無賃乗車〉をしているちゃっかり魚もいる。魚の狩りの仕方もさまざま。ヒゲを器用に動かして獲物をねらう魚、顔に電気センサーを持つハイテク魚もいる。まだまだ話題が続く。写真も豊富で、あまりしられていない魚の世界が楽しめる。
お薦め度:★★★ 対象:魚の世界を楽しみたい人
【和田岳 20170703】
●「したたかな魚たち」松浦啓一著、角川新書
フグやカワハギの分類屋さんが、魚のあれこれをいろいろ書いた一冊。高い体温を保つアカマンボウ。釣りをするタイコウボウダルマ、フグ毒の意味などなど。勉強にもなるけど、少し魚に興味あれば誰でも知ってそうなこともわざわざ書いてある。とりとめなく魚のことが次から次への書いてある感じ。とくにオチはなく、蘊蓄を並べていく人の話を聞いてるよう。
お薦め度:★★ 対象:魚のうんちくを仕入れたい人