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本の紹介「スロー地震とは何か」

「スロー地震とは何か 巨大地震予知の可能性を探る」川崎一朗著、NHKブックス、2006年3月、ISBN4-14-091055-0、1020円+税


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【早川友康 20061019】【公開用】
●「スロー地震とは何か」川崎一朗著、NHKブックス

 沈み込むプレートによる巨大な歪みエレルギーが一瞬で解放される巨大地震。しかし、たまる歪みエネルギーは巨大地震で解放されるエネルギーよりも大きく、辻褄があわない。そこで発見されたのが、マグニチュード七級のエネルギーをゆっくりと何日もかけて解放するスロー地震だ。スロー地震とはどのようなものなのか、スロー地震は地震予知にどういかせるかなど、興味深い内容がややこしく説明されている。

 お薦め度:★★★  対象:分からない所は無視して読み進められる人

【魚住敏治 20060825】
●「スロー地震とは何か」川崎一朗著、NHKブックス

 本書で使われる一つ一つの語意を理解するには、それなりの努力を要しますが、そこをなんとか乗り切れば、物理的に地震を考えるというちょっとかわった世界を見る事ができます。
 地震をディスロケーション(結晶構造の乱れ)の移動による弾性波の放出とする見方や、水とスロー地震の関係、そこから論じられるプレート接触面での地震の予知など何か新鮮な感じをうけます。

 お薦め度:★★★  対象:高校生以上

【中条武司 20060824】
●「スロー地震とは何か」川崎一朗著、NHKブックス

 日本各地で頻発する巨大地震、兵庫県南部地震の甚大な被害、近く起こると予想される東海・東南海・南海地震などの予測のため、国内に整備される地震観測網。その結果、プレートの動きに対応するだけの地震が起こってないこと、そして何日も何ヶ月もかかって動く「スロー地震」が見いだされた。スロー地震とはどのようなものか、スロー地震の観測は来るべき巨大地震の予知につながるか、最新の地震学の動向とあわせて語られる。地震という怪物にチャレンジする様々な研究者が解き明かす未知なる地球の動きを語る口調はとてもエキサイティング!日本に住む限り地震は逃げられない、だから私たちは何を知り、何をすればいいのか、とても考えされられる。
 しかし、用語はできればカタカナ英語はできるだけ少なくしてほしかったし、図は優しく書き直してほしかったし(できるはず)、数式から理解してほしいのは分かるが必ずしもなくても内容は理解できる(たぶんこれで多くの読者は挫折する)。研究者が書く普及書の長所と短所が見事に合わさった本。

 お薦め度:★★★  対象:地震学の最新の動向が知りたい人。数式や難しい図表に挫折しない人

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