友の会読書サークルBooks
本の紹介「「鳥」の秘密事典」
「鳥類学が教えてくれる 「鳥」の秘密事典」陳湘静・林大利著、ソフトバンククリエイティブ、2023年1月、ISBN978-4-8156-1744-8、1500円+税
【注意】本の紹介は、それぞれの紹介者が自らの判断によって行なっています。他の人からの意見を取り入れて、変更をする場合もありますが、あくまでも紹介文は紹介者個人の著作物であり、サークル全体や友の会、あるいは博物館の意見ではないことをお断りしておきます。
もし紹介文についてご意見などありましたら、運営責任者の一人である和田(wadat@mus-nh.city.osaka.jp)までご連絡下さい。
[トップページ][本の紹介][会合の記録]
【和田岳 20240627】【公開用】
●「「鳥」の秘密事典」陳湘静・林大利著、ソフトバンククリエイティブ
序章で鳥の系統や多様性を簡単に紹介した後、鳥の体の不思議、驚きの食生活、鳥は話し求愛し子育てする、飛んで旅をする鳥たち、と4つのテーマに分けて、鳥の様々な側面を、論文をベースに紹介する。鳥類学のかなりの部分を、万遍なくカバーしている。ややこしい内容を正確さを犠牲にせず要領よくまとめて説明していると思う。イラストはマンガチックにデフォルメされているけど、その種の特徴をちゃんと押さえているので違和感はない。後ろには引用文献と登場する鳥の解説が完備。
著者2人は台湾の方なので、出てくる鳥も台湾の鳥が多め。ヤマムスメをはじめ、クロヒヨドリ、ズアカエナガなど。台湾の鳥の研究例も随所に出てきて、台湾の鳥類学のレベルの高さが伺える。
南米のヒレアシシギはチリフラミンゴにつきまとって採食。アメリカオオコノハズクは巣内の虫を食わせるために生きたヘビを持ってくる。カンムリチメドリは、2ペアが1つの巣で一緒に子育て。台湾のクロヒヨドリややゴシキドリは冬になると高標高地に移動する。等々、勉強になった。
お薦め度:★★★★ 対象:鳥に興味がある人なら
【冨永則子 20240626】
●「「鳥」の秘密事典」陳湘静・林大利著、ソフトバンククリエイティブ
イラストレーターの陳氏は、バードウォッチングが趣味で鳥の研究経験もあり、鳥類の研究論文のチェックも欠かせないとか。また、林氏は鳥類を研究対象に選んだ研究者であり、バードウォッチングが趣味の自然愛好家。そんな二人が台湾内外の論文を読み解き、研究を通じて発見した面白い鳥知識を読者と共有するために本著がまとめられた。陳氏のイラストはユーモラスにデフォルメされているが、描かれる鳥たちはどれもかわいい。それにイラストを見ているだけでも内容が想像できる。
そもそも鳥類とは?から始まり、体の不思議、食生活、子育て、渡りなど、鳥類だけではなく自然全般への興味へと広まっていく。“事典”となっているように、ほとんどの項目が見開き2ページにまとめられていて、興味のある項目から読んでいける。
お薦め度:★★★★ 対象:鳥好き。バードウォッチャーに
【西本由佳 20240623】
●「「鳥」の秘密事典」陳湘静・林大利著、ソフトバンククリエイティブ
台湾のイラストレーターと研究者が、世界の鳥の研究論文でわかったことを紹介してくれる本。見開き1ページにかわいらしいイラストと長すぎない文章で解説してくれるので、とても読みやすい。鳥とは何かから始まって、鳥の五感、食生活、求愛と子育て、飛ぶことまで。鳥の解説をする本でよく載っている話もあるけれど、こまごまとした新しい話もあり、鳥の解説本を読みなれた人でも楽しめそう。
お薦め度:★★★ 対象:ちょっとした隙間時間に
[トップページ][本の紹介][会合の記録]