あの小さな体で、命懸けの渡りを繰り返す鳥たちの行動戦略の不思議を、欧米を中心に世界各地での研究例を挙げて、丁寧に解説している。そのほか扱っている内容は、鳥の飛行に関係する気象学、航空力学、と多岐にわたる。いまだ未解明の部分も含めて、そのように膨大な事象に支えられた‘渡り’であるからこそ、渡り鳥たちの中継地となる環境の保全を、著者は強く訴える。
お薦め度:★★★ 対象:鳥好きで、生態に興味のある人
近年、鳥の渡りについて関心が高まっていますが、一般向けの入門書です。南北に渡る鳥だけでなく、東西に渡る鳥や同じ主の中でもオス、メス、成鳥、若鳥などの違いによる渡る距離などの関係等を簡潔に説明しています。
鳥の渡りについて長年研究してきた著者が、一般向けに鳥の渡りの様々な側面を紹介した本。研究に付き物のややこしい理屈や数式などは使っていないので、楽に読める。 この本は、他の類書ではあまり取り上げられない渡りの時の高さやスピード、飛行の仕方、中継地や経路の選び方などを含め、ほとんどあらゆるといっていいほど多面的に渡りについて取り上げている。鳥の渡りに含まれる様々な側面を知るのにお薦め。