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本の紹介「ものまね名人 ツノゼミ」
「ものまね名人 ツノゼミ」森島啓司文・写真、福音館書店「たくさんのふしぎ」2005年1月号(第238号)、667円+税
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【和田岳 20050419】【公開用】
●「ものまね名人 ツノゼミ」森島啓司文・写真、福音館書店「たくさんのふしぎ」2005年1月号
南米のボリビアのさまざまなツノゼミが紹介されます。アリにそっくりなアリツノゼミ。同じアリの頭に似ているカメノコツノゼミと、腹に似ているカメノコツノゼミ。虫の抜け殻みたいなフウセンツノゼミ。カビが生えて死んだアワフキムシみたいなミミナガツノゼミ。いろんな形は見ているだけで楽しい。
不思議な形が紹介されるだけではなく、色々な物への擬態やカモフラージュであることも説明され、さらにはアリとの共生関係についてもふれられていて、なかなか盛りだくさん。最後に日本のツノゼミ類も少し紹介。一度探してみてはどうでしょう?
お薦め度:★★★ 対象:ツノゼミを知ってる人も知らない人も
【田中久美子 20050421】
●「ものまね名人 ツノゼミ」森島啓司文・写真、福音館書店「たくさんのふしぎ」2005年1月号
ボリビアの森で出会った不思議な生き物ツノゼミ。様々な形のツノが時には自然の模倣であったり、素敵な装飾品であったり。でも本当は身を守るための手段?
実物大のシルエットを見ると、えーこんなに小さいの?! こんなに小さいのにセミの仲間。こんなに小さいのに手のこんだ細工! アリツノゼミが特にシュールで気に入ってしまった。
写真をながめているだけで楽しい本です。もちろん文章もしっかり読んだらツノゼミ通!
お薦め度:★★★★ 対象:虫好き不思議大好きな人に
【田中久美子 20050224】
●「ものまね名人 ツノゼミ」森島啓司文・写真、福音館書店「たくさんのふしぎ」2005年1月号
表紙からして星形頭でファンシーグッズのキャラクターみたいに可愛い。もう、この不思議な造形物の写真だけでも充分楽しめる。実際の大きさのシルエットを見ると、えーっと思う程小さい。こんなに小さいのにセミの仲間! アリツノゼミが圧巻! ツノゼミファンになってしまいました。
お薦め度:★★★★ 対象:理屈抜きで楽しめます。
【西村寿雄 20041229】
●「ものまね名人 ツノゼミ」森島啓司文・写真、福音館書店「たくさんのふしぎ」2005年1月号
この本の著者がたまたま仕事で南米のボリビアに行って、この本に紹介されているたくさんのツノゼミを写真に収めた。体長 5〜10mmの小さな昆虫で、それらが見事なクローズアップ写真で紹介されている。ツノゼミの特徴は、胸部の前半が異常に肥大化し、ものによっては〈立派な角〉を持っていることにある。こんな奇妙な虫たちがいることに正直驚いた。数々のツノゼミの不可思議な姿もさることながら、ツノゼミの子育ての習性もおもしろい。アリとの共生関係にあるのもうなずける。著者は「どうしてツノゼミがこんな特異な形の〈角〉を持つようになったのか」と疑問を投げかけている。体が小さいので、天敵を威嚇する姿にだんだん〈進化〉していったのではないかと思うがどうだろうか。
当初、ぺらぺらとこの本を見た時、ツノゼミなどというのは海外の特異な昆虫だと思った。ところが、読み進めていくと日本にもいるという。リョウブの枝やヨモギにもついているらしい。今後注目していたい。
お薦め度:★★★〜★★★★ 対象:虫好きの子ども
【六車恭子 20050420】
●「ものまね名人 ツノゼミ」森島啓司文・写真、福音館書店「たくさんのふしぎ」2005年1月号
南米ボリビア産の小さなスター「ものまね名人 ツノゼミ」の造形の美と不思議が堪能できる絵本だ。見過ごすには勿体無く、気づくと?に惹かれてちっぽけな虫けらにうつつを抜かすその後が待ち受けているだろう、この著者のように。
生き抜くための戦略か、小さな視界の中の大きな工夫と過剰な表現は思わず微笑を誘わずにはおくまい。1センチ未満の虫たちの繰り広げるこの世の生を謳歌する様は長く辛抱強いカメラアングルの賜物だ。しずくほどの命が眩しく輝いている!
日本のツノゼミを求めて野山にくり出す衝動に駆られたなら幸いだ。
お薦め度:★★★ 対象:1センチ未満の虫の魅力に気づき始めたあなた
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