【西村寿雄 20180423】【公開用】
●「ツシマヤマネコの飼育員物語」キム・ファン著、くもん出版
ツシマヤマネコといえば野生のネコ、そのツシマヤマネコ繁殖に取り組んだ飼育員の奮闘ぶりがリアルに描かれている。著者は、京都市生まれの作家(日本児童文学者協会会員)で多くのノンフィクションを書いているキム・ファンさんである。他の園からやってきたヤマネコがまず飼育員にはなれるように訓練が続けられていく。やっと繁殖の時期がやってきても、うまく交尾に成功するとは限らない。交尾に成功してもすんなりと子どもが生まれるとは限らない。やっとの思いで子どもが生まれても呼吸は長続きせず心臓は止まってしまうことも起きる。飼育員はあきらめきれずに再度の交尾を成功させてやっと出産にこぎつける。スタッフの必死の介護でついに2頭の子どもが生き残る。ハラハラドキドキのツシマヤマネコ繁殖作戦レポートである。
お薦め度:★★★ 対象:動物好きの小学中学年から