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本の紹介「土の中の小さな生き物ハンドブック」

「土の中の小さな生き物ハンドブック」皆越ようせい著、文一総合出版、2005年10月、ISBN4-8299-2193-5、1400円+税


【注意】本の紹介は、それぞれの紹介者が自らの判断によって行なっています。他の人からの意見を取り入れて、変更をする場合もありますが、あくまでも紹介文は紹介者個人の著作物であり、サークル全体や友の会、あるいは博物館の意見ではないことをお断りしておきます。
 もし紹介文についてご意見などありましたら、運営責任者の一人である和田(wadat@omnh.jp)までご連絡下さい。

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【瀧端真理子 20060214】【公開用】
●「土の中の小さな生き物ハンドブック」皆越ようせい著、文一総合出版

 本物に遭遇したら、キャーっと言ってしまいそうな「気持ち悪い」生き物のオンパレード。でも、コンパクトな本の中に閉じ込められていて、絶対に触ることはないから大丈夫。文章もなかなかいけていて、例えばオオゴキブリ。「素手で捕らえると、指のすき間をこじあけるようにして逃げる」って、そんなことをさらっと書く人がいるんだ。ページを追うごとに、怖さは増し、ヨツボシモンシデムシの描写と背景写真は強烈。でも本当は、もっと大嫌いな生き物も載ってるけど、それはないしょ。小学校の頃、よく男の子に意地悪されたから。
 こんなにたくさんの小さな生き物がいて、土の中で働いてくれていて、好き嫌いはともかく、今日も土を作ってくれてありがとう!

 お薦め度:★★★  対象:植木鉢やプランターを動かして、キャーと叫ぶ人

【萩野哲 20060208】【公開用】
●「土の中の小さな生き物ハンドブック」皆越ようせい著、文一総合出版

 きれいな写真は見事であり、大きさがわかる工夫がされており、調べたい動物がどの仲間かを知ることができる構成になっている。しかしながら、全体的に内容が貧弱。特にササラダニやトビムシの仲間は種数が多いため、せめてよく似た種がどれだけ存在するのか記載しておいてほしかった(青木淳一編「日本産土壌動物」、東海大学出版会によると、ササラダニは2,000種以上、トビムシは360種)。そうでないと、代表だけの写真では近似種を採集したときに「これや!!」と思い込んでしまう読者も出てくると思う(私も多様性を知らない子供時代に貧弱な図鑑に頼ってよく間違えた経験あり)。

 お薦め度:★★  対象:土壌動物に関心を持ち始めた人

【田中久美子 20060218】
●「土の中の小さな生き物ハンドブック」皆越ようせい著、文一総合出版

 あとがきについては、「私達の目にふれる機会はあまりありませんでした」とありましたが、野っぱらで土をほじくって育った経験のある者は、ごくごく親しい、かつての友達だった懐かしい生き物ばかり。名前は知らなくても「こんなやついたいた!」。
 ごくごく普通の土の中の小さな生き物達をきれいな写真と解説で紹介しています。コンパクトで持ち運びも便利。

 お薦め度:★★★★  対象:幼児から大人までぐっと視線を低くして!

【和田岳 20060207】
●「土の中の小さな生き物ハンドブック」皆越ようせい著、文一総合出版

 土の中というよりは、落ち葉の下や朽ち木の中で暮らしている土壌動物を紹介した写真集。登場するのは、巻き貝、ナメクジ、ミミズ、コウガイビル、カニムシ、ザトウムシ、ダニ、クモ、ワラジムシ・ダンゴムシ、ヤスデ・ムカデ、トビムシ、ナガコムシ、ハサミコムシ、ゴキブリ、イシノミ、アリヅカコオロギ、ケラ、ノミバッタ、カマドウマ、ハサミムシ、シロアリ、ツチカメムシ、甲虫、アリと多岐に渡る。
 簡単な検索がついており、実際に落ち葉の下で見つけた虫が、大雑把になんというグループなのかを調べるのには役に立つ。しかし、すべての種は載っていないので、種名まで調べようとはしないこと。土壌動物と呼ばれる小さな動物が、いかに多様かを知るのにはお薦め。ただし、嫌われることが多い“虫”がたくさん出てくることをお断りした方がいいだろう。

 お薦め度:★★  対象:生物多様性に興味がある人、または上に並んでいる生き物の名前を見て、これはどんなんだろう?と思った人

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