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本の紹介「海辺の石ころ図鑑」

「海辺の石ころ図鑑」渡辺一夫著、ポプラ社、2005年6月、ISBN4-591-08695-X、1500円+税


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【中条武司 20051215】【公開用】
●「海辺の石ころ図鑑」渡辺一夫著、ポプラ社

 日本全国の海岸の石ころを集め、きれいな写真と共に紹介した図鑑。全国の色とりどりの石ころを見るのは楽しく、さながら石ころの写真集の様相。また、全国を回ってこれだけの石ころを集める労力はたいしたものと関心。
 でも、同じ海岸に行っても同じものが拾えるとは限らないし、たぶんこの本を見ても岩石を見分けられるようにはならない。石の見分け方をもう少しわかりやすく解説してくれると共に、周りの地質や川との関係にもふれてくれれば、もっといい本になったのに。

 お薦め度:★★  対象:石ころ好き、きれいな無機的造形が好きな人

【瀧端真理子 20051215】
●「海辺の石ころ図鑑」渡辺一夫著、ポプラ社

 全国94箇所以上の海岸の石ころ(だけでなく砂も)拾い集めた、珍しい図鑑。本書の意図せざる使い方は、穴場的海岸を探すことだろう。天塩川と日本海に挟まれた砂州の続く幌延町の浜里の海岸、貝化石の拾える宮城県の韮の浜の集落。大分県の黒ケ浜・白ケ浜では隣り合わせの浜の石ころくらべが出来るなど、新しい浜辺の楽しみ方を教えてくれる。粟国島など、本書を読んで、行きたくなってしまった。
 旅行も、自分なりの切り口を見つけると、こんなに深い。他の人から見ると変なのだけれども。
 「海辺の石ころ調べのための博物館」リストが載っている。こういう人に、各地の博物館が問い合わせ先として利用されていることも、読んでうれしくなる点の一つだ。

 お薦め度:★★  対象:日本の秘境めぐりが好きな人

【西村寿雄 2005098】
●「海辺の石ころ図鑑」渡辺一夫著、ポプラ社

 ペラペラと頁をめくると美しい石ころが次々と眺められる。海岸の石ころもいろいろな〈顔〉があるものだ。北海道から沖縄まで94の海岸の石ころを紹介している。順々に眺めているとまるで日本列島を旅している気分になる。まだ見知らぬ土地に夢をはせ、石ころを眺めるのも楽しい。
 北海道湧別には黒曜石の石ころが落ちている。静岡の菖蒲沢海岸では水晶の入った石英の石ころがある。島根の桂島海岸ではメノウが転がっているという。沖縄にはサンゴの殻や〈星砂〉もある。日本列島石ころもさまざまだ。
 各地区毎に海岸の砂の紹介もあるが、砂の中身である鉱物の紹介がない。これがあるとさらに興味がますのだが、ちょっと残念。

 お薦め度:★★★  対象:石好きの高校生以上

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