【冨永則子 20171020】【公開用】
●「海の中のくらしかた」佐藤克文文・木内達朗絵、福音館書店たくさんのふしぎ2017年8月号
南極の海で暮らすアザラシ・ペンギン・クジラなどに観察器具をつけ、その行動や生態を調べるバイオロギングのお話。生き物の体に直接器具をつけることで得られるデータから、今まで推測するだけだった行動や生態の実体が明らかになっていく。陸上と水中を並列して比較したり、高さから深さを想像させたり、精緻すぎない絵の方が内容を理解する助けになっている。画面の色合いは海の青色が主になるが単調な印象にはなってない。裏表紙の電車の窓外の景色にアザラシやシャチが浮かび、空の青と海の青がつながって面白い。
お薦め度:★★★★ 対象:海の哺乳類・鳥類好きに
【西本由佳 20171015】
●「海の中のくらしかた」佐藤克文文・木内達朗絵、福音館書店たくさんのふしぎ2017年8月号
海の動物たちはどうやって魚をとっているのだろうかと、記録計をつけて調べてみた。すると、体の大きさが違っていても、水面とエサのある深度を往復する速さは、あまり違わないことがわかった。動物たちは、「それぞれの生息環境にあわせて日々のくらしぶりを工夫しつづけ」てきた。その調査の過程が、シンプルだけど詩情のある絵で描かれている。
お薦め度:★★★ 対象:ちょっと空想にふけりたいときに
【和田岳 20171019】
●「海の中のくらしかた」佐藤克文文・木内達朗絵、福音館書店たくさんのふしぎ2017年8月号
水中で暮らす動物のバイオロギングを紹介。主に登場するのは、ウェッデルアザラシ、キングペンギン、マッコウクジラ。どうしてバイオロギング研究が始まったかというエピソードの紹介の後は、潜水時の速さの話とか、沈むときと浮かび上がる時の運動の話とか、著者お得意のネタが並ぶ。もっと詳しく知りたい人は、『ペンギンもクジラも秒速2メートルで泳ぐ』をどうぞ。
絵を使って分かりやすく解説してくれてはいるが、絵本とは思えないくらいテキストが多い。むしろ絵本と思わない方がいいかも。
お薦め度:★★★ 対象:バイオロギングのことをあんまり知らない人