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本の紹介「わらうプランクトン」
「わらうプランクトン」平井明夫著、小学館、2015年2月、ISBN978-4-09-726561-0、1200円+税
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【和田岳 20151030】【公開用】
●「わらうプランクトン」平井明夫著、小学館
なにをしてるかと言えば、プランクトンの頭部を正面から撮影して、笑ってる顔に見える〜。と喜んでいるだけ。それだけなのに、驚くほど面白い。
出てくるのは、甲殻類、多毛類、軟体類、魚類、その他(ホウキムシ、ヤムシ)。平べったいものでも、細長いものでも、とにかく正面から撮る。目が分かるように撮る。写真についたキャプションは、笑うヨコエビとか、ゆるキャラ大集合とか、主観的でふざけてる。ふざけまくってはいるけど、意外と正面から見たらどう見えるかが分かる写真集として貴重。そして、見慣れているはずのプランクトンでさえ、正面から見たら、ぜんぜん違う表情をみせてくれている。
お薦め度:★★★ 対象:天井の染みに顔を見いだしてしまうヒト
【冨永則子 20151028】
●「わらうプランクトン」平井明夫著、小学館
まいった!まいった!これは著者の想像力・空想力の賜物だぁ〜 顕微鏡を覗いていて、ふと出会ったプランクトンの笑顔。もちろん、本当に笑っているわけではないが、そこにいろんな表情を見つけだしてしまうのは、著者のプランクトンへの愛がなせる所以。プランクトンへの愛に溢れた一冊だ。
子ども向けの本だが、解説文には専門用語が容赦なく使われている。しかし、全ての漢字にルビがふられているし、写真の横には実寸大のイラストも添えられ、丁寧な本作りになっている。
専門用語は理解できなくても、自分も笑っているプランクトンの顔と向き合いたいと思って顕微鏡を覗く子はいるだろうな。私も見てみたい!
お薦め度:★★★ 対象:小さな生き物が好きな人に、ユルキャラ好きに
【萩野哲 20151028】
●「わらうプランクトン」平井明夫著、小学館
著者は環境アセスメントでプランクトン同定の仕事をしている。その過程で面白い画像を撮りためており、本書はその中から選りすぐった1冊である。プランクトンも前方からみると、顔といってよいのかどうなのか、いろんな表情がうかがえる。眼の数ひとつとっても、1つだったりたくさんだったり、2つ目の人間の常識は通じない。赤ん坊から大人へ、その表情も激しく変わっていく。深海生物に注目が集まっている昨今であるが、海の表層にも面白い生物がたくさんいるのだ。
お薦め度:★★★★ 対象:生物の形に興味がある人
【森住奈穂 20151030】
●「わらうプランクトン」平井明夫著、小学館
わらうプランクトン?!表紙を見れば一目りょう然。たしかに、ニッコリ笑っています。これはヨコエビの仲間で、シカクタテウミノミ。実際の大きさがシルエットで載せられていますが、体長5mm、肉眼でこの笑顔を見ることは難しそうです。ほかにも、とぼけ顔のチョウやヤムシは、そのままゆるキャラとしてデビューできそうなかわいらしさですが、魚の生き血をすすったり、稚魚を丸のみにしたり、あなどれません。一つ目小僧にエイリアン、いろいろな「顔」のプランクトンたちが、顔かたちに負けない、いろいろな暮らし方をしていることが伝わってきます。
お薦め度:★★★ 対象:人間を見慣れてしまっているひと
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