友の会読書サークルBooks
本の紹介「野生動物発見!ガイド」
「野生動物発見!ガイド 週末の里山歩きで楽しむアニマルウオッチング」福田史夫文・武田ちょっこ絵、築地書館、2007年5月、ISBN4-8067-1348-1、1600円+税
【注意】本の紹介は、それぞれの紹介者が自らの判断によって行なっています。他の人からの意見を取り入れて、変更をする場合もありますが、あくまでも紹介文は紹介者個人の著作物であり、サークル全体や友の会、あるいは博物館の意見ではないことをお断りしておきます。
もし紹介文についてご意見などありましたら、運営責任者の一人である和田(wadat@omnh.jp)までご連絡下さい。
[トップページ][本の紹介][会合の記録]
【西澤真樹子 20070817】【公開用】
●「野生動物発見!ガイド」福田史夫文・武田ちょっこ絵、築地書館
野生動物といっても、鳥じゃなくて哺乳類メインの観察ガイド。既存の観察ガイドには、足あとと生息環境しか書いてない!こんなんじゃ使えない!というのが彼らの本づくりの動機らしい。サルやムササビ、アナグマなど、日本の里山に暮らす動物にどうやって会ったらいいか、その手がかりは何なのか、経験に基づいて紹介されているので、ああこれ、わかるわかる!と共感するところも多い。そんな本文はともかく、最大の難点は絵が下手すぎることと、「いたー!見られたー!キャー!」というノリの紹介が多すぎて、どうしてその動物が可愛いのか、すごいのか、という観察していて一番おもしろいところが抜けちゃっているように感じられること。こんなに動物見ているのに、もったいな〜い。
お薦め度:★★ 対象:休暇にダイビングに行くような感覚で哺乳類を見たい人
【加納康嗣 20070815】
●「野生動物発見!ガイド」福田史夫文・武田ちょっこ絵、築地書館
フィールド経験豊かな著者が、動物たちとのふれあいから知った具体的な彼らのサインを教えてくれる。リスに出会ったら同じ場所で20−30分待つこと。必ず帰ってくるから。クマは目が悪い。サインを見つけたら、キイチゴなどの斜面が見える尾根筋で一本一本の木を双眼鏡で調べること。木化けするカヤネズミ。何度も捕まるアカネズミなど。なるほどと感心する観察法が語られる。ただ、絵がへたくそに思えること、動物たちの素顔が十分語られていないことが残念である。私自身キツネはいくらかよく知っているので、もっとつっこんで語って欲しい気がした。
お薦め度:★★ 対象:野外で動物たちに会ってみたい人
【和田岳 20070817】
●「野生動物発見!ガイド」福田史夫文・武田ちょっこ絵、築地書館
野生動物の見つけ方を紹介している。ただし、野生動物といっても哺乳類限定、そして北海道や南西諸島は除く。
各種について、フィールドサインなど生息確認の手がかりは何か、そしてその見つけ方を紹介した上で、実物に出会う方法を伝授してくれる。各種の紹介に5〜9ページ程度。サルの研究者である著者だけあって、サルについては詳しい。ウサギ、シカ、カモシカ、イノシシ。大型獣に強いらしく、咲かれているページ数も多い。でも苦手な種類の紹介はかなりあっさりしたもの。
動物の見つけ方に特化した内容なので、その生態や行動の紹介もそれに絡んだ部分のみ。物足りない人も多いかもしれない。
お薦め度:★★ 対象:野外で実際に動物を見つけてみたい人
[トップページ][本の紹介][会合の記録]