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本の紹介「よいクマわるいクマ」
「よいクマわるいクマ 見分け方から付き合い方まで」萱野茂・前田菜穂子著・稗田一俊写真、北海道新聞社、2006年1月、ISBN4-89453-352-9、2400円+税
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【萩野哲 20060417】【公開用】
●「よいクマわるいクマ」萱野茂・前田菜穂子著・稗田一俊写真、北海道新聞社
ヒグマは猛獣であることから書き出す「きたぐにの動物たち」(本多勝一著、朝日新聞社)と異なり、タイトルにもあるように、本書はヒグマにはよいものとわるいものがいることから書き出している。ヒグマは通常ヒトを襲おうとはしていないが、ヒトの対応によって追い込まれた状況、あるいはそれに慣れた状況で危険な動物に変貌する。それを避けるにはどうすればよいかが実例を挙げてわかりやすく書かれているのが前半部。後半部にはヒグマの生物学、分布、海外での保護の状況等が書かれていて、ヒグマの概要が理解できる。“クマは怖いヤツ”との固定観念がある程度払拭できると思う?
著者のひとりである前田氏は「ヒグマが育てる森」(岩波書店)も同時期に発刊している。
お薦め度:★★★★ 対象:これから北海道を歩きたい人
【和田岳 20060420】【公開用】
●「よいクマわるいクマ」萱野茂・前田菜穂子著・稗田一俊写真、北海道新聞社
北海道のヒグマとのつきあい方を、豊富なヒグマの写真と共に紹介する本。クマによる人身事故の実例が多く紹介される。山に入るときクマに出会わないためにはどうしたらいいか、もし出会ってしまったらどうしたらいいか、という実用的な知識から始まる。クマと出会った距離に応じた対応の仕方が解説され、それでもクマが立ち去らなければ、決意をもって最後まで闘い抜くか、決意がなければ丸くなるか、の二者択一だそうな。その後、安全にキャンプするには、アイヌ民族の知恵、ヒグマの形態・行動・生態の紹介、世界のクマ事情、資料編と続く。
外国の例を含めていろいろと紹介されているので、ヒグマとのつきあい方はよくわかる。このつきあい方は本州でのツキノワグマとのつきあいにも使えるだろう。実践はしたくないが、北海道の山に行くときは、クマよけスプレーとナタを忘れずに。
お薦め度:★★★ 対象:これから北海道に行く人、あるいは知人が北海道に行くというのを聞いたら
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