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本の紹介「毒キノコが笑ってる」
「毒キノコが笑ってる シロウトによるシロウトのための実録キノコ狩り入門」天谷これ著、山と渓谷社、2003年9月、ISBN4-635-23201-8、1300円+税
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【加賀まゆみ 20031025】
●「毒キノコが笑ってる」天谷これ著、山と渓谷社
さすがコピーライターが書いただけあって、体験・伝聞とりまぜてのキノコ狩りエピソードはテンポのよいコントのよう。随所のイラストと吹き出しが笑いを誘い、気分転換できる一冊。
前半は入門書としての体裁を整えるためにちょっと退屈だが、中盤からはかなりスリリング。「死体の近くにキノコがはえるか」の現場検証や、友達を失うこと覚悟での毒きのこ鍋実験など。キノコオタクを理解するためには、あるいはどれだけ理解できないかを知るのには絶好の著。
ただし毒キノコの見分け方は全然わからない。もちろんキノコ狩りのポイントもわからない。タイトル「毒キノコが笑っている」は言い得て妙か。
お薦め度:★★ 対象:キノコオタクを理解したい人。「だからキノコオタクは理解できない」と宣言したい人
【金井一史 20031201】
●「毒キノコが笑ってる」天谷これ著、山と渓谷社
初心者の初心者による初心者の為のキノコ狩り本です。
食い意地のはった著書が珍しいキノコを食べたい一心からキノコ狩りを初め、どこで、どうやって、どこでキノコを採れば良いか解らなかった時代の苦労話から、ある程度取り方が解ったとの様々な人との出会いまでが楽しげな筆致とイラストで語られています。しかし、この話奇妙な程オカルトな話が多かったように感じられます。やはり、山奥と怪談はセットで語られるべきものなのでしょうか。
なにはともあれ、最近単調な毎日に退屈で少し変わった何かをしてみたいという方は読んでみてください。そして、気に入ればこの本の裏表紙にある参考書を手にして山に潜っては如何でしょうか。
お薦め度:★★★ 対象:何か新しいことのしたい人
【北垣和也 20031226】
●「毒キノコが笑ってる」天谷これ著、山と渓谷社
キノコ大好きの著者が実体験を基に綴った、いわばキノコ狩りの入門書。食べられるキノコと毒キノコの違いの話や、その調理法。また、キノコにあまり興味がなくても山歩きなどのアウトドア好きの人なら、読んでみると結構面白い。青木ヶ原の樹海で遭難したり、微毒性の毒キノコに当たったりち、著者の少し危険な体験談も豊富に盛り込まれている。
ただ、キノコ狩りをする上での初歩的なことがほとんどなので、キノコの詳しい可食・有毒の判別方法などは書かれていない。
キノコに興味がなかった人でも、この一冊でキノコ狩りを始めてみたくなるかも。
お薦め度:★★★ 対象:キノコに興味のある人、または山歩きなどのアウトドア好きの人
【瀧端真理子 20031025】
●「毒キノコが笑ってる」天谷これ著、山と渓谷社
どこまでがウソか本当か分からないようなキノコ狩りの話題が満載。スーパー軽装の実例やら、キノコ狩り仲間の見分け方、人骨を見つけた時の考え方、乗り物好きのオバちゃんとキノコ娘の黒部珍道中など、フリーライター兼プランナーの実力を堪能できます。いささか不穏当と思われる箇所もありますが、ロケハンのヒントが織り込まれ、フィールドワークの参考書としてもお薦めです。一度読み出したら最後まで止められないのでご用心!
お薦め度:★★★★ 対象:山に行きたくても行けない人
【和田岳 20031221】
●「毒キノコが笑ってる」天谷これ著、山と渓谷社
キノコのこと、というよりキノコ狩りのことが書いてある。キノコ狩りの仕方、というよりキノコ狩りをする人の生態が書いてある。この本を読んでもキノコの見分け方はわからないし、おいしいキノコを見つけるコツもあんまりわからない。でも、キノコ狩りにはまっている人たちの不思議な行動を色々と知ることができる。
というわけで、キノコ狩りにはまったマニア達が見せる非常識な、あるいは奇矯な行動をお楽しみください。バードウォッチングや昆虫採集など、他の自然関係のマニアの世界の人なら、妙な親近感を覚えることでしょう。
お薦め度:★★ 対象:キノコ狩りに興味のある人
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