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本の紹介「百虫譜」
「百虫譜」奥本大三郎編著、平凡社ライブラリー、1994年4月、ISBN4-582-76047-3、971円+税
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【中条武司 20031024】
●「百蟲譜」奥本大三郎編著、平凡社ライブラリー
「百蟲譜」は“虫”を何らかの形で対象とした小説を集めたものである。小説家たちは虫をどのように見ているか、どのように表現しているか、どのような思想を持っているか、対象物を虫という一つに絞っているため、その比較ができて非常に興味深い。日本の作家たちだけに着目するなら、明治・大正・昭和と表現としての小説が変化していくのがよくわかる。やはり、夏目漱石、芥川龍之介は時代のターニングポイントだと実感できる。“虫”というちっぽけなものを通して人(小説家)はどのように感じ考えるのか、それを知るいい作品集である。
お薦め度:★★★ 対象:虫が苦手でない小説好き、寝る前にゆったりと
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