友の会読書サークルBooks
本の紹介「イマドキの野生動物」
「イマドキの野生動物」宮崎学著、農山漁村文化協会、2012年3月、ISBN978-4-540-12116-6、2400円+税
【注意】本の紹介は、それぞれの紹介者が自らの判断によって行なっています。他の人からの意見を取り入れて、変更をする場合もありますが、あくまでも紹介文は紹介者個人の著作物であり、サークル全体や友の会、あるいは博物館の意見ではないことをお断りしておきます。
もし紹介文についてご意見などありましたら、運営責任者の一人である和田(wadat@omnh.jp)までご連絡下さい。
[トップページ][本の紹介][会合の記録]
【岩坪幸子 20130206】
●「イマドキの野生動物」宮崎学著、農山漁村文化協会
「イマドキの野生動物」というタイトルからこれまでの野生動物のイメージとは違うよというメッセージが感じられ興味を引く。人間が場当たり的に自然に手を加えたことで環境が変わり、それに合わせた形で野生動物の遷移がある。そして人間が自然に対して無関心になり管理できなくなったことで、動物たちは安心して田畑を荒らしたり、人間社会にどんどん接近してきている。意識的・無意識を問わず餌付けされた野生動物がいる。そんな人と野生動物との関係を半世紀近く写真に撮り続けてきた著者の警告の本である。
お薦め度:★★★★ 対象:野生動物に関心のある人、害獣の被害に困っている人
【冨永則子 20130222】
●「イマドキの野生動物」宮崎学著、農山漁村文化協会
無人撮影ロボットカメラを設置し、長期的に定点観察を続け、野生動物の暮らしの変化を沢山の写真で示している。
駒ヶ根高原の遊歩道に設置されたロボットカメラは、人間が普通に利用している遊歩道を、野生動物も同じように歩き回っている姿を捉えていて興味深い。
現代社会が様々な形で野生動物に巨大な「餌場」を提供してきたこともよく分かった。
これからの時代は、美化された誤った自然観を改め、野生動物の現状をしっかり認識し、彼らとの緊張関係をもう一度取り戻さなければならないという著者の提言にも、写真という現実を目の当たりにすることから納得させられる。
写真が沢山レイアウトされているため、文章の配置が途切れ途切れで読みにくい。編集でもう少し工夫できなかったのか、その点が惜しい。
お薦め度:★★★★ 対象:獣害といわれてしまう野生動物の生態に興味がある人に
[トップページ][本の紹介][会合の記録]