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本の紹介「寄生虫なき病」
「寄生虫なき病」モイセズ・ベラスケス=マノフ著、文藝春秋、2014年3月、ISBN978-4-16-390035-3、2200円+税
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【六車恭子 20160226】
●「寄生虫なき病」モイセズ・ベラスケス=マノフ著、文藝春秋
著者には長年アレルギー疾患があり、その治療の過程で図らずも巡りあった最先端の知の集積の報告にも思える。そこにはわれわれ文明人が直面している「今そこにある危機」をあぶり出すエキセントリックな著作になった!文明がはじいてきた負の遺産からの警報でもあろうか。我々がこの世界から放逐したはずのものからの報復にも思えるのだ。我々よりも先に存在し、この世界にニッチを確立したはずの細菌や寄生虫の不在が図らずも今我々の身体を蝕み様々な文明病を招いているのだろう。科学の最先端にであえると同時に日々の暮らしを足下から見直す警報の書でもある!我々の身体が超個体!地球そのもの!病んでいるこの超個体を救えるのもまた我々自身の選択にほかならないのだ!
お薦め度:★★★★ 対象:生命あるすべての人々
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