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本の紹介「これから論文を書く若者のために」

「これから論文を書く若者のために」酒井聡樹著、共立出版、2002年5月、ISBN4-320-00564-3、2500円+税


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【和田岳 20030627】
●「これから論文を書く若者のために」酒井聡樹著、共立出版

 「アルプス一万尺」の替え歌にのせて、初めて科学論文を書こうとする時に直面するさまざまな問題を、懇切丁寧に説明してくれる。内容は、どうして論文を発表しなくてはならないのかからはじまって、論文を書く決断の仕方、論文の各パートの書き方、投稿の仕方、レフリーとのやりとりにいたるまでほとんど網羅。
 説明には、牛タン定食を食べてJリーグ優勝を果たしたらしい2010年のベガルタ仙台をはじめとして、多くの具体例を交えてくれるのでわかりやすい。タイトル通りこれから科学論文を書こうと考えている人は、ざっとでも目を通しておいて損はない1冊。

 お薦め度:★★★  対象:若者に限らず、論文の書き方が知りたい人のために

【瀧端真理子 20030627】
●「これから論文を書く若者のために」酒井聡樹著、共立出版

 論文を学会誌に掲載してもらうための実践的手引書。タイトルの つけ方が丁寧に説明されている。問題・着眼・対象の3要素を タイトルに盛り込む方法を、多くの具体的改善案で提示。イントロ ダクションでは「どうしてやるのか」を書くことが大切、逆にアブスト ラクトでは「どうしてやるのか」は不要であることを説明。悪い例と 改善案を並べてあるので、読んでいて理解しやすい。
 学会誌に投稿してからアクセプトされるまでのやりとりも詳しい。 レフリーコメントに対し、担当編集委員あて書く「改訂内容を説明する 手紙」の書き方が示されていて参考になる。面白い論文の条件や、 審査項目をまとめた論文評価表など、自分の論文を客観的に見直す ヒントも満載の本だ。
 「研究成果がまとまったらすぐに論文を書くこと」という筆者の 前向きな姿勢にも励まされること請け合い。

 お薦め度:★★★★  対象:今まさに論文を書いている人

【中村富予 20030627】
●「これから論文を書く若者のために」酒井聡樹著、共立出版

 初めて論文を書く人間にとっては、論文は目の前に立ちふさがっている道さえわからない大きな山のようなものである。この本は、その山登りに付き合って手取り足取りほんとうに細かいところまで的確にアドバイスしてくれる道案内の本である。各章で必要な心構えを歌詞にした『アルプス1万尺』の替え歌であるところの「論文書きの歌」にそって執筆開始から掲載決定までを楽しく、ときには厳しく導いていってくれる。論文を投稿する際必要な英文での手紙の実例にいたっては「ほんとうにここまで教えていただいてありがとうございます」という感じである。これから論文を書く若者以外にも、論文を書き慣れていない研究者にとっても座右の書になると思われる。
 
 お薦め度:★★★★  対象:本のタイトルどおり、これから論文を書く若者のために


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