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本の紹介「正面を向いた鳥の絵が描けますか?」
「正面を向いた鳥の絵が描けますか?」山口真美著、講談社+α新書、2007年7月、ISBN4-06-272446-4、800円+税
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【和田岳 20071018】
●「正面を向いた鳥の絵が描けますか?」山口真美著、講談社+α新書
視覚における認知の問題を、絵を描いたり鑑賞したりするという角度から紹介する。互いにバラバラな話なようでいて、絵を中心にすえることで不思議とまとまる楽しい本。 両眼視差や運動視差で我々が認識している三次元世界を、動かない二次元で表現するのは無理がある。となれば、立体感のある絵を描くには、そもそもかなりの工夫が必要。今までどうしてうまく絵が描けなかったのかがわかった。その他、赤ちゃんの視覚の発達や視覚障害を持つ人の見え方など、さまざまな研究結果を示しつつ、絵に関連した様々な視覚の側面を解説してくれる。
この本を読んでも絵を描くのはさほど上手にならないが、絵を鑑賞する際の視点は得られるかもしれない。少なくとも蘊蓄の一つくらいは語れるようになるだろう。
お薦め度:★★★ 対象:人間の視覚について興味のある人
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