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標本の作り方1 乾燥標本1

 ただ乾燥させるだけでいい,といっても,多少の手順とコツはあります.
 大きな昆虫では昆虫針を,仲間によってほぼ決められた場所(図1)に刺したあと,脚や翅を整えます.すべて図鑑に出ているような形にするというのが原則です.チョウなどの翅を固定するには「展翅板」を使い,展翅テープで留めたり外したりしながら,待ち針を使って,翅の形を整えます(図2).甲虫など脚を整える場合は,展脚板を使います.形よく整えたあとは,動かないように待ち針を使って固定しておきます.
 小さな昆虫の場合は,直接針を刺すわけにはいかないので,厚手の紙を三角に切り,その先に木工用ボンドで貼り付けます(図3).
 いずれも,棚などで1週間から10日ほど,そのまま乾燥させると,形のよいままでカチコチに固まります.触角や脚などはもう触ることができませんので,それ以降はとても大切に扱わなくてはなりません

図1.針をさす位置.少しずらすとよい. 図2.チョウの展翅法.(図をクリックすると大きくなります) 図3.小型甲虫・アリ・小型のハチ・カメムシなどの台紙への貼り方.ゾウムシやアリなどは横貼りの法がしやすい.