特別陳列

 「新収資料展」

 

 大阪市立自然史博物館では、3月20日(土)から5月30日(日)まで、平成10年度に博物館資料に加わった鉱物や、昆虫・植物の標本などの中から主なもの約200点を展示し、市民の皆さんに紹介する特別陳列「新収資料展」を開催します。

 主な展示物としては、世界の8カ国から集められたヒスイの原石、中・古生代のシダやソテツの幹の化石、「生きている化石」として知られているイチョウの化石(鮮新世、約300万年前;大阪産)などがあります。

期間 平成11年3月20日(土)から5月30日(日)
休館日 月曜日と月末。ただし、4月30日、5月3日(憲法記念日)は開館。
開館時間 午前9時30分〜午後4時30分(入館は4時まで)
会場 自然史博物館2F特別展示室

 このページは3月中に拡充されます

自然史博物館への案内

主な展示物

ヒスイ

日本の中・古生代の化石
吉田コレクション
中・古生代の植物化石

 日本では縄文時代から勾玉として利用されてきたヒスイの原石を展示します。

 今回展示する標本は、コスモ宝飾(株)社長 民谷晴亮氏(東京都在住)より寄贈されたもので、日本と世界の代表的な産地の標本がそろっている「ヒスイ」の原石標本27点です。産地としては、日本国内では新潟県糸魚川市や 兵庫県養父郡大屋町・鳥取県八頭郡若桜町など主な産地が網羅されています。海外では、ミャンマー・インドネシア・ロシア・メキシコなど8カ国から集められた標本を展示します。

 兵庫県西宮市に在住されていた故吉田照樹氏が収集された日本の中・古生代の無脊椎動物化石を中心としたコレクション(吉田コレクション)から代表的なものを展示します。コレクションには高知県産ハチノスサンゴ・クサリサンゴや岩手県・宮城県の北上帯の古生代の地層から産出する三葉虫・腕足類を含む大型標本など、現在では採集が困難な標本が多く含まれています。  古生代にはシダ植物が、中生代には裸子植物が繁栄していました。古生代のシダ植物である木生シダの樹幹化石、中生代の裸子植物であるソテツ類の樹幹化石、ナンヨウスギの球果化石を展示します。

日本の新生代植物化石

イチョウ化石と
「お葉付きイチョウ」

孔子鳥の化石
 鳥取県辰巳峠累層産のブナ、カエデ、ポプラ、クルミ、ケヤキなどの葉化石(中新世後期、約600万年前)と神戸層群産のフウ、ヌマミズキ、コナラ、バショウなどの葉と果実化石(漸新世、約3200万年前)を展示します。

 イチョウは大阪府の木でもあり、街路樹として御堂筋などに植えられているなじみ深い樹木です。イチョウは中生代の昔から、形をあまり変えずに現在まで生きながらえているので、「生きている化石」と呼ばれています。今回は大阪で見つかったイチョウの葉化石(鮮新世、約300万年前)と現生の「お葉付きイチョウ」を展示します。

 お葉付きイチョウは、その名の通り、イチョウの葉に種子である銀杏(ぎんなん)

が付いたものです。この様子は葉が種子を包み込む途中の段階を示しているという考えもあり、植物の進化を探るうえで興味深いものです。

その他キノコ・鳥・北米と中国の二枚貝などが展示してあります

[過去の特別展一覧へ戻る]


注)【ヒスイ】

 ヒスイは、ヒスイ輝石という鉱物の集合体で、半透明・白色〜緑色、まれに青紫色のものもみられます。古代から玉のなかでも最も堅くて美しい硬玉(ジェーダイト)として、利用されてきました。新潟県糸魚川市周辺から産出したヒスイを材料にした勾玉は、とくに有名です。ほかの宝石が単結晶の鉱物からできているのに対して、ヒスイの場合はごく微少な繊維状の鉱物が集まってできており、こすりあわせたときの硬さはそれほどでもありませんが、たいへん割れにくいのが特徴です。似たものに、軟玉ヒスイ(ネフライト)がありますが、こちらは角閃石という別の種類の鉱物からできています。