石炭紀のおわりごろ、セイムリアやディアデクテスにちかい原始的な爬虫類のなかまから、哺乳類型爬虫類のグループが生まれた。ペルム紀に栄えたエダフォサウルスやディメトロドンのなかま(盤竜目)、ペルム紀から中生代三畳紀に栄えたリカエノプスやキノグナツスのなかま(獣窩目)がそれである。
これらは体つきが哺乳類に似ていただけでなく、頭の骨の構造や指の骨の数、歯の形など、多くの点で哺乳類と同じ特徴をもっていた。そして、三畳紀の中ごろに、獣窩目の中からわれわれ哺乳類の祖先が生まれた。
●ディメトロドン アメリカ・テキサス州、ペルム紀前期
ペルム紀前期〜中期に北アメリカにすんでいた初期の大型哺乳類型爬虫類(竜盤目)のなかま。水辺にすみ、腹を地面につけてはい歩いていたらしい。また頭骨の前部には短剣状の大きな歯が生えているので、肉食性だったらしい。
ディメトロドンはひじょうに長い脊椎骨の棘突起をもっていた。それにそって、うすい膜のような皮膚があったと考えられるので、背中には帆のようなものが立っていたことになる。この帆は、体温調節のための役割をしていたとの考えがいちばんもっともらしいが、確かなことはわかっていない。
●リカエノプス 南アフリカ、ペルム紀後期
獣窩目に属する哺乳類型爬虫類のなかま。体つき全体は哺乳類的で、四肢は体を高く持ち上げ、すばやく動ける構造になっている。歯も分化しはじめ、犬歯が発達している。
しかしイノストランケビアや三畳紀のキノグナツスのグループにくらべると、まだかなり爬虫類的だった。たとえば後頭顆は1個(哺乳類は2個)、二次口蓋はまだなく、指の骨も退化しはじめているとはいえ、中指4個、薬指5個だった。<原標本:ニューヨーク自然史博物館>