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本の紹介「新図説動物の起源と進化」

「新図説動物の起源と進化 書きかえられた系統樹」長谷川政美著、八坂書房、2011年2月、ISBN978-4-89694-971-1、2400円+税


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【萩野哲 20110418】
●「新図説動物の起源と進化」長谷川政美著、八坂書房

 最近の分子系統学の進歩により、従来考えられていた系統がかなり見直されている。いくつも驚くような発見があるが、中でも驚きはクジラの仲間が完全に従来の偶蹄類に取り込まれ、一番近い親戚はカバであること。食虫類が実は遠縁の2系統を含んでいたのもそう。形態の相違はあまり当てにならない。キーワードは収斂。真獣類の進化には大陸移動が大きく関わっている。もちろん、これで解決ではないが、今までの常識が覆されるのは、大変刺激的である。

 お薦め度:★★★★  対象:生物多様性と進化に興味がある人

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