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本の紹介「変形菌ずかん」

「森のふしぎな生きもの 変形菌ずかん」川上新一著・伊沢正名写真、平凡社、2013年6月、ISBN978-4-582-53523-5、1600円+税


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【釋知恵子 20130822】【公開用】
●「変形菌ずかん」川上新一著・伊沢正名写真、平凡社

 ちょっと和風な着物柄にも思える表紙から乙女な感じの本である。かわいい変形菌の写真が載った写真集だろうと思って読んでみたら、なかなかどうして、変形菌の基本をきちんと紹介した本だった。変形菌の一生、移動する様子、採集・標本の作り方など、変形菌ってなんかおもしろそうと思って手にとった人には一通りの基礎知識を与えつつ、その魅力もしっかり語る。特に後半の図鑑部分は、各説明が楽しく、「小人がマンボを踊るときのマラカスみたい」「茶色いベレー帽」「抹茶のモンブラン」とか、この著者の説明と一緒に変形菌の名前を覚えられそう。電車の中で、変形菌のかわいらしさを振りまくように、読んでみたくなる。

 お薦め度:★★★★  対象:小さいものが好きな人に

【萩野哲 20131018】【公開用】
●「変形菌ずかん」川上新一著・伊沢正名写真、平凡社

 図鑑なので、感想文というか何というか・・・以前に出版された類書*との比較を試みました。
*「日本変形菌類図鑑」 萩原博光、山本幸憲著、伊沢正名写真、平凡社、1995年7月、ISBN4-582-53521-6、3800円+税
以後、今回の課題図書を@、前書をAとします。何と、@とAは出版社や写真担当が同じ! 
・価格: @1600円、A3800円(税含まず)
・ページ数: @127、A163
・収録種数: @123、A271
・写真数: @184、A212
・製本: @並製、A上製
・構成: @知る、探す、見る、楽しむ、など、A概論、分類順の解説(検索表付き)、用語など
以上、特徴としてAはより学術的な本であるのに対し、@はより総合的な一般書となっており、専門家でなければ、コストパフォーマンス的に@がお得かと思いました。

 お薦め度:★★★  対象:いろんな生命の不思議に興味がある人

【田中久美子 20130823】
●「変形菌ずかん」川上新一著・伊沢正名写真、平凡社

 “ずかん”と平仮名で書いているところを見ても、子供世代を意識して作られている事がわかる。そのせいか、表現が具体的で、ざっくばらんでとっつきやすい。変形菌がどういう生き物で、探しに行くにはどうすればいいか、そして図鑑部という様に構成されている。
 写真は文句なしの伊沢正名さんだし、“ずかん”も初心者がフィールドでまず見つける種類はカバーしているだろう。軽妙な説明書きの語り口は、大人向けの図鑑にはない分かりやすさで、阿倍野区出身の川上さんらしい。

 お薦め度:★★★★  対象:子供から大人まで変形菌初心者に超オススメ!

【萩野哲 20130821】
●「変形菌ずかん」川上新一著・伊沢正名写真、平凡社

 図鑑なので、感想文というか何というか・・・以前に出版された類書*との比較を試みました。
*「日本変形菌類図鑑」 萩原博光、山本幸憲著、伊沢正名写真、
平凡社、1995年7月、ISBN4-582-53521-6、3800円+税
以後、今回の課題図書を@、前書をAとします。何と、@とAは出版社や写真担当が同じ! 
・価格: @1600円、A3800円(税含まず)
・ページ数: @127、A163
・写真数: @184、A212
・製本: @並製、A上製
・構成: @知る、探す、見る、楽しむ、など、A概論、分類順の解説(検索表付き)、用語など
以上、特徴としてAはより学術的な本であるのに対し、@はより総合的な一般書となっており、専門家でなければ、コストパフォーマンス的に@がお得かと思いました。

 お薦め度:★★★  対象:いろんな生命の不思議に興味がある人

【森住奈穂 20130822】
●「変形菌ずかん」川上新一著・伊沢正名写真、平凡社

 副題が「森のふしぎな生きもの」。生きもの、なんですね。大胆、且つ繊細。ダイナミックに姿を変えながら移動、食事、休眠。特に未熟子実体は、ぷりんぷりんでみずみずしく、色鮮やか。思わず触れてみたくなりますが、その体長はほとんどが1〜2mm。ルーペ、ルーペ!星型スパンコールを身にまとったもの、金属光沢を放つもの、色も形もさまざまで見あきません。各変形菌にキャッチフレーズをつけた解説も優しくて楽しいのですが、巻末の「変形菌を楽しむひとたちに聞きました!」コーナーが、変形菌への愛にあふれていて、とっても素敵です。

 お薦め度:★★★  対象:

【和田岳 20130823】
●「変形菌ずかん」川上新一著・伊沢正名写真、平凡社

 美しい画像を豊富に使った変形菌の入門書。第1章は変形菌の基本の紹介、第2章は変形菌探し・調べ方・標本作りの紹介、第3章は変形菌図鑑、第4章はおまけのお遊び。
 変形菌はそこそこ人気だが、『森の魔術師』が絶版になって以降、変形菌の入門書は手に入らなかった。けっこう高価な図鑑は出てるけど、それをどう使ったらいいかは分かりにくい。入門書と言いながら、79種もの変形菌が紹介されている本書は、手頃な値段の変形菌図鑑としてもお薦め。

 お薦め度:★★★★  対象:変形菌好きから、変形菌に入門してみたい人まで

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