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本の紹介「煮干しの解剖教室」

「煮干しの解剖教室」小林眞理子文・泉田謙写真・こばやしちひろ絵、仮説社、2010年7月、ISBN978-4-7735-0221-3、1500円+税


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【和田岳 20110219】【公開用】
●「煮干しの解剖教室」小林眞理子文・泉田謙写真・こばやしちひろ絵、仮説社

 タイトル通り、煮干しの解剖の仕方。というか、バラバラにしていったら、どんな物が見えて、それは何かを解説してくれる。頭と胴を分けて、頭を半分に割って、胴を半分にして、内臓を引っぱりだして。ほとんど道具いらずで解剖は進む。
 煮干しなんて小さい物、それも干からびたんを解剖しなくても。と、読む前は思った。確かにそんなマイナス面もあるが、利点も多い。見なれた食材なので、解剖につきものの気持ち悪さがない。たいした道具はいらない。何より材料を手に入れやすい。安い!
 これで魚に興味をもったら、次はぜひ魚を丸ごと買ってきて、さばいてみよう!

 お薦め度:★★★★  対象:生き物に興味はあるけど、解剖はちょっと…という人

【多田裕巳子 20110223】
●「煮干しの解剖教室」小林眞理子文・泉田謙写真・こばやしちひろ絵、仮説社

 小学校の理科の授業でフナの解剖が姿を消し、魚の切り身しか見たことのない(?)子供たちにとって、魚の身体は未知との遭遇だ。
 生の魚を解剖するとなると、バットやメスやハサミやピンセット等の道具が必要になるが、スーパーで安価で手に入る「煮干し」という材料を使い、メスを使わず素手で割り、細かいところはつまようじでなんとかなる・・・・というお手軽さが一番のポイント。バットなんかなくても、裏が白い広告を敷いとけばいい。しかも生臭くない!そんな、小学生にでも簡単に安くできる「煮干し」の解剖について、「煮干し」とはなんぞやというところから、やり方、ウロコや内臓一つ一つについての見分け方や働きまでをコンパクトに解説。写真とイラストそれぞれのよさを生かして説明してあるためわかりやすい。
 理科実験の予算不足からか学校での実験が減り、実験の大切さを知る親たちは理科実験専門の塾に通わせるという現象も出てきている。「予算が少ないから実験や解剖は無理」とあきらめる前に、こんな方法があることも知って頂きたいところ。家庭でやる場合は、最後は子供に出汁のとりかたを教えて、家庭科の調理実習の学習までやってガッツリモトをとろう。大丈夫、仮に子供が鼻くそほじった手でいじくりまわしたとしても、熱湯に入れるんだから殺菌できるはず!

 お薦め度:★★★  対象:理科好きなコドモたちと親

【西村寿雄 20101024】
●「煮干しの解剖教室」小林眞理子著、仮説社

 長さ10cmほどの煮干しを一つ一つていねいに〈解剖〉していく。〈解剖〉といっても、メスもハサミもいらない。素手でていねいに分解していけばいいだけである。まず、頭をとって縦に二つに開いてみると…、頭蓋骨や脳、脊髄やえら、さいはが見えてくる。注意して見ると心臓もくっついているのがわかる。胴体には肝臓、心臓、胃、腸と見える。運がよいと立派な精巣が見つかる(雄は数少ないらしい)。解剖したあとは、食べて食感を味わうとよい。
 この本は、小さな魚にも生物としてのなくてはならない機能がちゃんと納まっていることに気づかせてくれる。手軽に、魚の命にふれられる案内書である。

 お薦め度:★★★★  対象:小学中学年から

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