◆注意事項
カヤネズミの巣を見つけても、カヤネズミの繁殖に悪影響を与えてはいけないので、使っている可能性がある場合は、絶対にさわらないこと。あまり近付き過ぎるのも避けた方がいいでしょう。
◆探し方
河川敷や山林に接した農耕地が狙い目です。ススキ、ヨシ、オギなどのある程度まとまった草地を見つけたら探しまくりましょう。ただし、それなりに広い草地であっても、広い道路や住宅地などで山林と連続していない場合は、あまり期待できません。
◆見分け方
哺乳類で他に似たような物をつくる種はいません。
問題となるのは、草地で営巣する鳥の巣との見分け方です。同じような環境に営巣する鳥には、ウグイス、オオヨシキリ、セッカなどがあります。一番大きな違いは、鳥の巣は素材を運んできてつくるのに対して、カヤネズミの巣は周辺の葉っぱを引っ張ってきて細く裂いて丸めている点です。また、カヤネズミの巣は球状であるのに対して、オオヨシキリはお椀型、セッカは深いコップ型、ウグイスは縦長のボール型です。
あと、河川敷では増水時に流されてきたゴミが、ヨシ等に丸く引っ掛かっていることがあります。カヤネズミの巣を見間違えないように!
・調査範囲:大阪府とその周辺地域(ただし大和川水系、大阪府なら南河内地域は、下の分布図を見てもわかるように、すでにたくさん情報があるので、基本的に調査対象からはずします)
・調査期間:2007年〜2008年
・調査対象:カヤネズミの巣
◆カヤネズミの巣を見つけたら、以下の項目をお知らせ下さい。
・観察者名
・観察日
・観察場所(とっても詳しく、できれば地図上でピンポイントで示してください)
・巣の数、巣の新しさ(つくりかけ、緑色、茶色、くずれかけ等)、巣の高さ(10cmきざみで)、巣の付いていた植物(わかる範囲で)
・周辺環境(河川なら低水敷・高水敷・土手など、農耕地周辺なら畦・休耕田・山際など)
・その他気付いたこと
・論文化する際の名前の公表の可否(情報提供者一覧としてお名前を載せます。個々のどの情報の観察者かは公表しません)
◆データの送付先:大阪市立自然史博物館の和田(wadat@omnh.jp)。カヤネズミの巣かどうか自信がないときは、画像を添付して下さい。
◆データの取扱い
頂いた情報は、大阪市立自然史博物館のデータベースに登録するほか、HPでも公表し、現在準備中の「大阪の哺乳類」の本にも盛り込みます。また、淀川水系に関しては、現在調査を進めているプロジェクトY:淀川水系調査グループの調査結果に盛り込みます。
2000年以降の大阪府下でのカヤネズミの巣の確認地点。