近頃の自然史博物館
1998年6月
1998/6/28
今日は一日普及センターに座っていました。普及センターって言うのは、自然史博物館に入ってすぐ右にある場所で、質問などがあった場合にそなえて、必ず学芸員が一人座っていることになっています。
学芸員が答えなくてはならない質問はそうあるわけではありません。だから以前は、仕事を持っていってけっこう仕事をすることができました。しかし一年くらい前から、小中学生対象にスクラッチクイズを始めました。で、その回答のチェックと、景品(絵はがき)の引き換えもしなければならなくなりました。土曜と日曜はけっこうこれが忙しい。今日引き換えた絵はがきは196枚。仕事としてはそれほど多いわけではありませんが、しょっちゅう対応しなくてはならないので、あんまり他の仕事はできなくなりました。
普及センターに座っているときは、グッズの売り子もします。今日は鳥の絵はがきが2セット売れました。鳥の絵はがきは、これで今月52セットの売上になりました。5月の売上が72セットだから、少し売上が落ちてしまいました。押し売りができるような知り合いには、すでにおおかた押し売ってしまったし。来月の売上はさらに落ち込むかも。
1998/6/19
博物館の友の会の月刊誌Nature Studyは、学芸員が交代で編集しています。わずか12ページとは言え、毎月となるとかなり大変で、普及3人組(毎年1人ずつ入れ替え)と称される3人の学芸員が年に4号ずつ編集します。あんまり嬉しくないんですが、今年から普及3人組になってしまって、この7月号が最初の編集担当です。
今日、印刷業者に最初の入稿をしました。来週水曜に初校が帰ってきて、金曜に初校を返して、再来週の火曜に二校が帰ってきて、金曜には青焼きと色校(7月号は表紙がカラーなので)が帰ってくる、んだそうです。初めてなもので、それぞれのステップで何をしなくてはならないのかあまりわかっていません。誰かに尋ねながらの作業になりそうです。
今日渡した原稿の編集にもけっこう時間がかかってしまいました。手元にある原稿から、古め(今年のはじめに受け取ってまだ掲載されていない原稿もいくつかあります)で、適当な文字数のものを探したり。ちょっとだけできたすき間を埋める原稿を作ったり。館からの案内の文の文字数を適当に調整したり。できるだけページの切れ目を、原稿の切れ目にしたいし。
というわけで、初めての編集なので、きっと何かミスがあることでしょう。あまりミスを細かく指摘せず、暖かい目で見守ってください(それではミスに気づかんかな)。ちなみに8月号の編集も私です。けっこう憂鬱。
1998/6/17
今日は特別展示室の配置替えをしました。5月31日までやった特別陳列「新収資料展」が終わったので、今度は8月から始まる特別展「都市の自然」のために、展示ケースを並べ替えるのです。キャスターもついていない古い物が多いので、みんなでかつがなくてはなりません。かなりの重労働。
展示に使わない展示ケースは、どこかにやらなくてはなりません。しかし物置があるわけではないので、特別展示室の中に隠したり、講堂やトラックヤードの端っこにこっそり置いたり。へんなことで苦労します。階段を持って降りるのが、また重労働。
1998/6/4
館に来られた獣医の方の見立てによると、スンちゃんの足が悪いのは、ビタミン不足が関係あるのではとのことでした。一応与えていたすり餌には、ビタミン配合と書いてあったので、安心していたのですが・・・。
今日のスズメのスンちゃんの午後6時時点での計測値は、体重14.4g、翼長53.7mm、尾長36.0mm。昨日はついに測定できなかった。スンちゃんが館にやってきて1ヶ月を過ぎました。今日で、測定値を毎日公開するのはやめにしたいと思います。何かあればまた報告します。最後にスンちゃんの測定値の変化のグラフを載せておきます。
1998/6/2
今日のスズメのスンちゃんの午後5時30分時点での計測値は、体重14.0g、翼長53.1mm、尾長35.6mm。
1998/6/1
今日のスズメのスンちゃんの午後6時時点での計測値は、体重14.2g、翼長53.3mm、尾長35.0mm。
1998年5月
1998/5/31
今日のスズメのスンちゃんの午後7時30分時点での計測値は、体重13.2g、翼長54.0mm、尾長35.3mm。
1998/5/30
今日のスズメのスンちゃんの午後8時時点での計測値は、体重13.8g、翼長53.7mm、尾長35.5mm。左足が悪いだけでなく、右足の発達も悪いことに気がつきました。左足が悪いせいで座り込んでいたからでしょうか。野生復帰は無理でしょうねえ。
1998/5/29
今日のスズメのスンちゃんの午後9時時点での計測値は、体重13.6g、翼長53.1mm、尾長35.7mm。
1998/5/28
今日のスズメのスンちゃんの午後6時30分時点での計測値は、体重13.6g、翼長52.8mm、尾長35.5mm。自分で羽づくろいをするようになりました。
1998/5/27
今日のスズメのスンちゃんの午後8時時点での計測値は、体重13.2g、翼長53.3mm、尾長35.6mm。
1998/5/26
今日のスズメのスンちゃんの午後7時30分時点での計測値は、体重13.0g、翼長52.7mm、尾長35.5mm。人の手の上に乗るのが好きなようです。すっかり手乗りスズメ。
1998/5/25
今日のスズメのスンちゃんの午後8時時点での計測値は、体重12.2g、翼長53.6mm、尾長35.2mm。
1998/5/24
今日のスズメのスンちゃんの午後7時時点での計測値は、体重12.4g、翼長52.4mm、尾長34.4mm。シャーレにミールワームや小鳥の餌を入れておくと、勝手についばんで食べています。人の顔を見たら(と言うより足音を聞いたら)やっぱり餌をねだりますが・・・。
久々にスズメのスンちゃん情報以外の話題を一つ。この5月2日から、友の会のオリジナルグッズとして、鳥の絵はがきが売り出されました。8枚セットで600円。絵は以前バイトに来ていた方が、描いてくださいました。とってもリアルできれいです。「和田の鳥小屋」のホームの背景のヒヨドリの絵をはじめ、キセキレイ、コマドリ、コルリ、コヨシキリ、キビタキ、ホオアカ、ウソの8種類が描かれています。けっこうお買い得やと思います。みんな買ってネ!
今日の野外実習の行事に持っていって行商してきましたが、参加者19名(13家族)に対して、8セットも売れました。現物を見せて、少し押せばけっこう売れそう。
1998/5/23
今日のスズメのスンちゃんの午後6時時点での計測値は、体重11.8g、翼長52.7mm、尾長34.8mm。シャーレに入れたミールワームを自分でついばんで食べていました。
1998/5/22
今日のスズメのスンちゃんの午後6時30分時点での計測値は、体重11.6g、翼長52.7mm、尾長35.0mm。かごの中に入れてあった餌を、自分でついばんで食べたという観察がありました。一人立ちまであと少し!
1998/5/21
今日のスズメのスンちゃんの午後7時30分時点での計測値は、体重10.8g、翼長51.9mm、尾長34.9mm。おおむね成長はとまったようです。後は自分で餌を食べるようになれば、放すのになあ。
1998/5/20
今日のスズメのスンちゃんの午後6時時点での計測値は、体重11.2g、翼長51.3mm、尾長34.1mm。そろそろ自分で餌を食べてもいい頃なのに、いつまでたっても自分で食べている様子がない。みんなで寄ってたかって餌をやっているから甘えているのかなあ。
1998/5/19
今日のスズメのスンちゃんの午後6時時点での計測値は、体重12.0g、翼長51.0mm、尾長33.9mm。
1998/5/18
今日のスズメのスンちゃんの午後8時30分時点での計測値は、体重10.6g、翼長50.9mm、尾長32.8mm。おおむね成長はとまったようです。後は自分で餌を食べるようになれば、放すのになあ。
1998/5/17
今日のスズメのスンちゃんの午後7時30分時点での計測値は、体重10.4g、翼長51.2mm、尾長32.6mm。
1998/5/16
今日のスズメのスンちゃんの午後8時30分時点での計測値は、体重10.4g、翼長50.1mm、尾長31.7mm。なんでこんなに体重が減るの?
1998/5/15
今日のスズメのスンちゃんの午後6時時点での計測値は、体重12.0g、翼長49.3mm、尾長30.3mm。
1998/5/14
今日のスズメのスンちゃんの午後8時時点での計測値は、体重12.0g、翼長48.8mm、尾長29.3mm。友の会会員のKさんがこのページを見て、館にやってきて、スンちゃんに餌をやって帰られました。
1998/5/13
今日のスズメのスンちゃんの午後10時時点での計測値は、体重11.0g、翼長47.1mm、尾長28.6mm。
1998/5/12
スズメのスンちゃんは、羽ばたいて少し飛び上がるようになり、人を見ると餌をねだって近寄ってきます。本来なら巣立つ時期なのでしょう。今日の午後6時時点での計測値は、体重11.0g、翼長46.8mm、尾長25.6mm。ものすごく嫌がるので、ふしょの計測はやめました(だいたいいい加減な値になってたし・・・)。
1998/5/11
今日のスズメのスンちゃんの午後6時30分時点での計測値は、体重11.4g、翼長46.1mm、尾長24.5mm、ふしょ14.0mm。
1998/5/10
スズメのスンちゃんは、羽ばたいて少し動けるようになりました(決して飛んでいるわけやないけど)。今日の午後6時時点での計測値は、体重11.6g、翼長44.0mm、尾長21.2mm、ふしょ13.8mm。ふしょはあんまり力をかけないようにこわごわ測っているので、いい加減な値になっているようです。
1998/5/9
今日のスズメのスンちゃんの午後6時時点での計測値は、体重11.5g、翼長41.8mm、尾長20.0mm、ふしょ13.6mm。右足は掴めるのですが、左足はものを掴めません。
1998/5/8
今日はスズメのスンちゃんがあまり元気がなくて、要するに静かでみんな心配していたのですが、どうやらみんなが餌を与えるので腹がいっぱいだっただけのようです。やっぱり左足が少し変です。今日の午後6時時点での計測値は、体重11.2g、翼長39.9mm、尾長17.0mm、ふしょ14.2mm。
1998/5/7
スズメのスンちゃんは元気です。右足はかなりものを掴めるようになっているのですが、左足が少し変なような・・・。今日の午後5時15分時点での計測値は、体重11.2g、翼長36.6mm、尾長16.6mm、ふしょ13.9mm。
1998/5/6
スズメのスンちゃんは足が少ししっかりしてきました。今日の午後6時時点での計測値は、体重11.0g、翼長35.6mm、尾長14.5mm、ふしょ14.2mm。体重はあまり変わっていないようです。
1998/5/5
スズメのヒナはまだ生きています。スンちゃんと呼んでいます。今日の午後6時時点での計測値は、体重10.8g、翼長32.3mm、尾長14.0mm、ふしょ14.2mm。体重が減ってしまった。
1998/5/4
3日前に持ち込まれたスズメのヒナはまだ生きています。あいかわらずとても元気ですり餌をよく食べます。今日あたりから眼が見えてきたようで、かわいくなってきました。箱に入れて廊下に置いてあるのですが、人が通る度に餌をねだってもらっているようです。ちなみに午後6時時点で、体重は11.2g、翼長30.1mm、尾長11.9mm、ふしょ12.8mm。毎日測ることにしましょう。
1998/5/2
今朝、自然史博物館に遊びにきたら(出勤ではありません)、机の上に、ピーピー鳴く箱が置いてありました。聞くと、昨日植物園で保護されて、担当者(私のことです)がいなかったので、とりあえず預かったんだそうです。ナマモノを預かったらあかんのに! ナマモノは動物園! と今さら言っても仕方がないので、餌をやることにしました。スズメの巣内ヒナのようです。とても元気ですり餌をよく食べます。とりあえず死ぬまでは面倒を見ることにします。
これからの季節は鳥のヒナがたくさん拾われます。博物館で引き取っていてはきりがないので、生きているのはすべて天王寺動物園へまわします(手続きとしては、大阪府下なら大阪府庁の農林水産部緑の環境整備室に電話(06-941-0351<大代表>)するのが正しい手順です)。けっして自然史博物館へ生きた鳥を持ってこないで下さい! 1羽で充分。もう受け付けません。
1998年4月
1998/4/27
今年の夏の特別展「都市の自然」のビデオの撮影を行ないました。4月21日のリターンマッチで、青いオオルリと黄色いキビタキを狙いました。前回に比べて、キビタキとオオルリがとても多く、双眼鏡で見つけるだけなら、どこにでもいるといった感じでした。でも撮影するのは別問題。しかし午前中いっぱいかかって、ようやく青いオオルリも黄色いキビタキも何カットか撮影できました。特別展のビデオをご期待ください。
1998/4/21
今年の夏の特別展は「都市の自然」です。最近は特別展の度に30分程度のオリジナルビデオを製作しています。今日は長居植物園でそのビデオの撮影をしました。狙いは春の渡り鳥。とくに青いオオルリと黄色いキビタキ。植物や昆虫はいる場所へ行けば、比較的短時間で必ず撮影できるので楽なんですけど、鳥の場合は観察はできても、なかなか短時間でうまく撮影することができません。
撮影はプロのカメラマンの方がするんで、こちらはついていって、鳥を見つけて場所を教える係りです。鳥を見つけて(これは比較的簡単)、どこにいるかをカメラマンさんに教えて(これはけっこう難しい)、カメラをセットして、撮影。たいていカメラをセットするあたりで飛んでいってしまいます。オオルリやキビタキは、時間をかければそんなに撮影が難しい鳥ではないんですけど、なにぶん予算が信じられないくらい少ないので・・・。
1998/4/11
ごめんなさい。4月8日に書いたことを訂正します。宮武さんの荷物の整理が片づいたと書きましたが、それは大きな間違いでした。どうやら急いで館長室を空けるために、片づけもせずに段ボール箱に放り込んだようです。
間違いに気づいたのは、今日宮武さんがやってきて、トラックヤードでこっそり片づけの続きをしているのを発見したからです。まだ次々と紙ゴミが生産されています。これからぼちぼち整理して行くんだそうです。いつまでかかるんでしょうね。
1998/4/8
3月いっぱいで宮武館長がやめて、新たに那須館長が誕生しました。館長といえども、一応専門分野を持った学芸員ではあるわけで、昆虫担当の宮武さんがいなくなると、昆虫関係が手薄になって困ります。
ということはさておき。おもしろいのは宮武さんの引っ越しです。事務職の人はあまり私物を持ち込んでいないので、引っ越しはすぐに終わります。ところが学芸員は、いっぱい私物やら何やらをため込んでいるので、引っ越しは一大事業と化します。3月終わりから整理は始めていたようですが、ようやく片づいたのは昨日のことでした。かかりっきりやのに、1週間以上かかってる。どうせ収蔵庫や倉庫の片隅に、本人も忘れ去った私物を置き忘れていることでしょう。
その結果、大量の紙ゴミが生産され、2立方メートルの図書が博物館へ寄贈されました。この雑多な大量の図書を、いったい誰が整理するんや! 貴重な図書やけど・・・。
1998年3月
1998/3/26
年度末から年度始めは学会シーズンです。日本生態学会と日本地質学会が今週末。日本魚類学会と応用動物昆虫学会もこの頃やったと思います。4月に入ってからは日本動物分類学会があります。学会で発表する予定の学芸員は、その準備に大忙しです。日本生態学会に生物系学芸員の3人が行くし、日本地質学会には地学系学芸員の3-4人が出席するみたいですので、今週末は博物館にあんまり学芸員がいなくなりそうです。
日本生態学会は、3月26日から3月29日までの日程で、京都大学で開催されます。発表を申し込んだのですが、準備がなかなかできなくて、今ようやくスライドが出来上がりました。学会は今日の午後から始まっているのですが、今日は行けませんでした。植物のS学芸員は自分の発表の準備もできていないのに、今日から学会に行ってます。余裕やなあ。
1998/3/20
明日から特別陳列「新収資料展」です。この一年くらいの間に入手した標本を展示します。今回の目玉は、1996年に南港に漂着したミンククジラ(全長約7.7m)の骨と、天王寺動物園からもらったアミメニシキヘビ(全長約4.5m)の骨。アミメニシキヘビの骨の写真は、一部の新聞にも載りました。人間と並ぶと大きいなあ、と思います。でも誤算だったのは、隣にミンククジラの骨があると、あまり大きくは感じないこと。離しておけばよかった。
一応、鳥の標本も展示しました。でも仮剥製なのであまり見栄えはしません。でもハイタカ、ヤマシギ、オオコノハズク、オオルリ、ルリビタキと、綺麗どころも並んでいます。展示する鳥の標本は、戦略的に選ばれています。1997年にもらった鳥の死体のうち、博物館職員や友の会の評議員、天王寺動物園などからもらったものを除き、一般の人からもらったものを一人につき1点ずつ展示しています。複数もらっている場合は、かっこういいのを選んで。まあつまりお礼の意味を兼ねて、また頂戴ねというわけです。
午後6時段階で、おおむねすべての標本が並んで、たいていはラベルやパネルも出来上がっています。一般の人が見る前の準備段階に見るというのは、料理のつまみ食いみたいなものでちょっと楽しいものです。もちろん鳥の展示はとっくにできています。まだ標本が並んでいないのは、昆虫の一部くらいかな。そういえば展示されている甲虫のラベルは、”ツノコガネの一種”とか”カミキリムシの一種”とか、さっぱり種までの同定がされていません。中国の甲虫に強い方は、種名を”ドイツ箱”の作者に教えてあげてください。
1998/3/12
今日の午後は救急救命講習がありました。博物館への入館者や行事の参加者に何かあった時に困らないように、赤十字にお願いして講師を派遣してもらっての約1時間半の講習です。本当は10時間以上かける講習内容を約1時間半で、というのですからものすごく無理があります。まちがっても鳥の観察会で、この知識が必要な事態が起きてほしくないと思います。あんまり自信がないぞお。
講習内容は、意識の確認や気道確保から始まって、例によって人工呼吸に心臓マッサージ(練習用の人形がなかったので実技はなしでした)、止血法、傷病者の運搬などです。憶えられたかはともかく、けっこうためにはなったと思います。でも地学系のK学芸員が、ハチに刺されたときはどうしたらいいのかと質問したときには、困っていたみたいでした。ハチに刺されたとか、ヘビに噛まれたとかは、あんまり赤十字の考える救急医療の対象やないんでしょうね。
講師の人は30代位の男性でした。冊子を配ってそれを参照しながらの講習でしたが、こういった講習では冊子の絵を見ただけではよくわからないことがたくさんあります(気道確保とか止血場所とか)。そんな時は、誰かの身体で実際にやってみせる必要がでてきます。つまり講師は受講者にさわる必要がある、というか機会があるというか・・・。何となく誰が選ばれるかに注意していると、男と女、若いのと年寄りを、均等にさわるように配慮しているふしがありました。やっぱりあんまり若い女性ばかりさわっていると、何かいわれるんでしょうね。女子大なんかで講習するときは、好みの女性とそうでない女性を均等にさわるように配慮するのかな?
1998/3/8
今日の午前中は鳥の観察会の補助スタッフのまとめの会をしました。最初に長居植物園で鳥を見て、室内で1997年度の鳥の観察会(身近な鳥の観察会と水辺の鳥の観察会あわせて6回)の下見と本番の鳥合わせ(どんな鳥が出現したかを確認することです)をして、交通費などの支払いをして、最後に行事についての感想や意見を言ってもらって解散。
補助スタッフというのは、博物館の行事を博物館友の会の会員の方に手伝っていただくボランティア事業です。行事本番に手伝っていただくだけでなく、事前に必ず研修を行ないます。この事前研修が、少人数でけっこう突っ込んだことを教わる機会になっていて、行事を手伝いたいからというよりは、むしろ事前研修に出たいから補助スタッフになっている方もけっこういます。まあ補助スタッフの方がいてくださると、学芸員は行事の時に助かるし、補助スタッフの方も勉強の機会が増えるということで、双方にメリットがある企画です。
で、1997年度の鳥の観察会について出てきた意見としては、(1)紙芝居で鳥の説明をするなど子どもに受ける内容を考えた方がいい、(2)観察会の資料の作成にも補助スタッフがかかわった方がいい(勉強になるし、本番で説明する内容を仕込むことができる)、(3)観察会の参加者に感想を書いてもらったらいい、といったところでした。みなさん(ひょっとしたら学芸員以上に)真面目に観察会をよくしようと考えてくださっています。でてきた意見はとりあえず検討中。
1998/3/7
自然史博物館の出版物は、国内・海外の研究機関や団体に送って、代わりに相手からも出版物をもらっています。年末年始にかけて、昨年分の出版物の発送を行なったのですが、その際にやり取りする出版物や住所などの確認のアンケートを入れました。1月末から国内分のアンケートが続々と返ってきて、その処理で大変です。住所がまるでまちがっているケースがけっこうあって、なんで郵便物が届いてたんやろ?
とくに先方からのバックナンバー請求に応えて出版物を送付したり、こちらからも相手方の出版物の欠号をしらべて(これがとても大変)欠号請求をしたりするのが、とても面倒です。欠号を請求をすると、たいていの所は(在庫さえあれば)こころよく送ってくれます。欠号が次々と埋まっていくのは、とても嬉しい。当館の出版物を1セット梱包すると、ちょうどB4のコピー紙2500枚の入った箱くらいになります。こういった箱入りの大口だけでも30件以上。梱包するだけでもイヤになります。郵送料だけでも馬鹿にならないので、宅急便の着払いでお願いしています。関係者の方、よろしくお願いします。
それからついでに新たに出版物を交換してくれそうな相手にもアンケートを送付しています。新しくできた博物館関係や学会、同好会など、たいていの所は出版物の交換に応じてくれています。当館とまだ出版物の交換をしていない機関や団体(もちろん出版物を発行している)の関係者の方、もし交換してくださるのなら、wadat@omnh.jpまでご連絡ください。
ようやく国内分のアンケートの処理は峠を越えたようです。これからは、海外からのアンケートが次々と返ってきそうです。まだあるのかと思うと、ちょっと憂鬱。
1998年1月
1998/1/26
今日は、友の会の総会です。毎年、1月の最終日曜日、大阪国際女子マラソンの日に、自然史博物館で行なわれます。会員の発表や講師を招いての講演会、総会議事、バザーなど、いろんなプログラムがあります。
学芸員や友の会の評議員はほとんど総出で、分担して総会の運営にあたります。私の今年の担当は、バザーの物品係です(バザーは物品と書籍に分かれています)。事前にバザーの出品物を受け付けたり、売り物に値段をつけたり、商品を並べたり、値下げの判断をしたり、売り上げを最終的に集計したりするのが仕事です。まあ、手のすいている人にいろいろ手伝ってもらいますし、販売自体はみんなで行ないます。実際のところ、値段付けはいろんな人がやってくれましたし、商品はいつのまにか樽野学芸員がきれいに並べてくれましたし、担当だった割にはボヤーとしてたら、誰かがやってくれていたっていう感じです。こんなんでよかったのかな?
ボヤーとしていた割には、大部分の商品は売り切ることができ、昨年並みの売り上げがありました(収益は友の会の重要な収入源です)。商品を提供してくださった方々と、買ってくださった方々、ほんとうにありがとうございました。
出品されて人気のあった物をいくつかあげておきます。草木染のマフラー、つるであんだ篭、手作りの帽子といった手作りの物。中古のドイツ箱や生物顕微鏡、手作りの吸虫管、フィルムケース、ルーペといった採集・観察道具。バンペイカン(でっかいミカンです)、からし粉、くちなしの実といった自家製の食べ物系の作物。ポスター、Tシャツ、バッジなど自然史関係のグッズ。来年もバザーがありますので、こういった物に心当たりがある方は、ぜひ出品して、友の会の運営にご協力いただけますようよろしくお願いします。
1998/1/20
大阪府下で、怪我をしていたりして保護された鳥の多くは、大阪府庁の緑の環境整備室などを通じて、天王寺動物園へ届けられます。しかし保護された鳥の大部分は手当の甲斐もなく死んでしまうことが多いのです。死んでしまった鳥は、自然史博物館で引き取って標本として保存するようにしています。で、今日は天王寺動物園へ死体の引き取りに行きました。
保護してから死んでしまった鳥だけでなく、動物園で飼っていて死んでしまった鳥や哺乳類、両生爬虫類のいくつかも比較標本として、一緒にもらってきます。今日は結局、全部合わせて80体もの動物の死体を引き取ってきました。一番大きいのはレア(ダチョウみたいな大きい鳥です)やシマウマ、小さいのはヤブサメといったところです。
こんなにたくさん一度にもらってくると、処理の方が大変です。冷凍庫に入るものはとりあえず入れて。でも大物は入りきらないし、幸い今は寒い季節なので、外の日陰にカバーをして置いてあります。明日からは、がんばって皮むきをしなくてはなりません。幸い哺乳類は樽野学芸員、両生爬虫類は波戸岡学芸員に押しつけることに成功しました。とりあえず鳥のことだけ考えればいいと言うことで、まだ助かった。鳥だけでも52体もありますけどね。
1998/1/18
今日はテーマ別自然観察会「身近な鳥の観察会」の予定でしたが、雨のため中止。先週の友の回の月例ハイキングに続いて、2週連続の担当行事の中止です。すっかり雨男になってしまいました。
ところが雨にも関わらず「野尻湖友の会」の餅つきは、トラックヤードで決行されました。なかなかパワフルです。おかげで昼御飯にはつきたてのお餅を食べることができました。ちなみに「野尻湖友の会」というのは、長野県の野尻湖で化石などの発掘をするグループで、近畿地方の支部?の事務局が自然史博物館にあります。自然史博物館の友の会とはまったく別のサークルですが、当館の地学系の学芸員は全員関わっています。
1998/1/11
今日は友の会の月例ハイキングで能勢の妙見山へ登るはずでした。でも天気予報は前日から雨後曇。当日の午前6時半の天気予報でも雨後曇、午前中の降水確率は60%で、九州と四国ではすでに雨が降っていました。この時点で、大阪市内は雨は降っていなかったけど、どうやら少なくとも午前中は雨が降りそう、ということで軟弱な担当者の二人はあっさり中止を決定しました。この寒いのに雨まで降ったら風邪をひきそうですしね。
とりあえず博物館に行って留守番電話に中止のメッセージを入れてと。こんな時、博物館のすぐそばに住んでいると便利です。午前7時すぎに大阪市内でも雨が降り出して、予定通り。留守番電話で確かめずに、集合場所へ来る人がいたらいけないので、集合場所である能勢電の妙見口に向かいました。
ところが電車の窓から見ると、北摂方面ではさっぱり雨が降っていません。雨も降っていないのに中止にしたら、後で文句を言われるので、けっこうドキドキします。集合場所についてみると、予定通り雨が降っていました。真面目な登山をする人は小雨が降っていても登るようですが、友の会のハイキングなら充分中止にできそうな小雨でした。けっきょく集合時間まで待っても誰も来ず、せっかく来たので隣の駅まで歩いてから帰ってきました。
優柔不断な私にとっては、行事の中止もけっこうドキドキという一幕でした。
1998/1/10
今日は「ドキドキ子ども自然史ウォッチング」という行事が、博物館内でありました。小学生を集めて、博物館の裏方を見せるというものです。小学生には親も付き添ってくるのですが、子どもが収蔵庫や研究室などを見て回っている間、親には待っていてもらうという意地悪な企画です。引率の学芸員らに連れられて、3つの班に分かれて、子供たちは館内をウロウロします。歩くコースと時間帯はあらかじめ決めてあるのですが、必ず遅れ気味になります。
私の担当は、鳥の皮をむいて仮剥製を作っているところを見せること。皮を全部むき終わっていてはおもしろくないし、かといってむきはじめの部分はあまりインパクトがないし、というわけで、子供たちがやってくるのに合わせて皮をむくのに、けっこう苦労します。鳥の皮をむくというのは、ものすごく気持ち悪がる子と、とても興味を持つ子にはっきり分かれるようです。いずれにせよインパクトがあるんでしょうね。今回はうけたんでしょうか?
1998/1/9
昨年のクリスマスの続きで、博物館の出版物の発送作業をしました。今回は国内分。発送先は海外472よりも少なく372機関なのですが、発送する物のパターンがいろいろあって、とても面倒くさい。「研究報告」、「自然史研究」、「収蔵資料目録」、「展示解説」の4種類を、7つのパターンで封筒に入れなくてはなりません。中には2部ずつ送るところもあったりして。結局、約8人で午前中いっぱいかかってしまいました。送付先は47都道府県すべてにわたっています。
そういえば、年末に送った海外分のうち、予想通りイラク宛は返送されてきました。イラクからの郵便物は届くんですけどねえ。それから今回はコンゴからも返ってきました。こちらは政情が不安だからだそうです。どちらも神戸まで行って返ってきただけで、舟にも乗らなかったみたいです。