ハチのなかまには大きく分けて,幼虫が植物を食べるハバチやキバチのなかま,他の昆虫に寄生して育つ寄生バチのなかま,他の昆虫やクモを狩ってきて幼虫のエサにする狩りバチのなかま,そして蜜や花粉を集めるハナバチのなかまなどがいます.ヒメバチは寄生(正確には捕食寄生)バチのなかまに含まれ,親のハチはクモや完全変態の昆虫に産卵し,孵化した幼虫はホストの体表上あるいは体内で成長します.
ヒメバチ科の形態的特徴
一部のものを除いて翅をもち,後脚の転節は2節(実際には腿節の基部が分節してそのように見える).前翅には縁紋があり,前縁室は狭いか,これを欠きます.コマユバチ科とともにヒメバチ上科を構成しますが,コマユバチ科とは以下の点で区別できます.
・前翅の2m-cu脈をもつ(コマユバチはもたない)
・腹部背板は第2節と第3節が融合しない(融合する).
・後翅のrs-m脈はRとRsの分岐点より先端がわでRsと結合する(RとRsの分岐点より根本がわでR+Rs結合する.)
ヒメバチは世界で少なくとも60,000種はいると推定されており,日本ではこれまでに1,200種あまりが記載・記録されており,最終的にはこの2〜3倍はいるだろうと考えられています.