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押し葉をつくる こうして一晩置くと植物の水分が吸水紙に移って紙が湿ってくるので、吸水紙を乾いたものを取り替えます。このとき、はさみ紙をそっと開いて、葉の折れているところを直したり、多すぎる葉や枝を切り取ったりして形を整えますが、はさみ紙自身は最後まで取り替えません。吸水紙の取替えはできるだけ何度もやったほうがきれいに仕上がります。特に初めのうちは1日に2〜3回取り替えるとよいのですが、それができなくても少なくとも1日1回、1週間くらいたっても1日おきには取り替えなければなりません。この取替えを怠ると植物にカビが生えたり、腐ったり、葉がぼろぼろ落ちたりしてしまいます。湿った吸水紙は干して次の取替えに使います。雨が続いて紙が乾かないときは電熱器などで乾かします。植物の種類によって異なりますが、1〜2週間するとかさかさに乾いてきます。どこを触っても冷たく感じないようになれば、乾きあがっています。種類によっては、どんなによく吸水紙を交換しても、黒く変色します。これはその植物の特徴ですから、失敗と思って捨てたりしないようにしましょう。また、モミ、ツガなどの針葉樹、マユミの仲間などは普通に押したのでは葉が全部落ちてしまうことがあります。葉の厚い木、茎の肉太のものなどもそのままではなかなか乾きません。このようなものはあとで述べるエタノールを使う方法を応用してください。 |
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