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採集した植物をすぐ標本にできないときの方法

 旅行中の採集品や、吸水紙の取替えができないとき、冬なら数日はそのまま置いても良いですが、暑いときはすぐ腐り始めるので、次のような方法を取るときれいに仕上がります。採集品をはさみ紙ではさみ、必要事項を書いて積み重ね、十文字に紐をかけて縛ります。幅50cm深さ1m程度の大きく丈夫なビニル袋にこの束を入れ、消毒用のエタノール(薬局などで手に入ります)を注ぎかけます。束の中の新聞紙までしっとりと湿るよう十分にかける必要があります。こうして袋の口をしっかり縛っておけば、しばらくは腐らないので、郵送したり少しの間保管したりしておくことができます。ただし、袋が破れたらエタノールが蒸発してしまいますので、刺のあるものや枝のかたいものなどは束の中のほうに入れ、外側に柔らかいものを置くようにしましょう。

標本の保存と整理

 出来上がった標本は乾燥した場所に保存します。そのままではすぐに虫に食われてしまいますから、大きいビニル袋に入れ、ナフタリンなどの防虫剤を入れておきましょう。何百枚も標本が集まったら、細かい棚の付いた整理タンスを使って分類別に整理しますが、数が少ないときは産地別に袋に入れたり、洋服の箱のようなパッキング・ケースに入れておくのがよいでしょう。大切なことは防湿と防虫です。