2023年度秋季博物館実習5日目(11月19日)
皆さんこんにちは。北海道大学のS.Hと申します。
ここでは、2023年度秋季博物館実習の5日目の様子をお伝えします。
5日間の日程の最終日となる11月19日(日)は、大阪自然史フェスティバル2023の2日目でした。この日私は、講堂担当としてフェスティバルの運営に参加させていただきました。
フェスティバル2日目は、午前の時間帯にシンポジウム「OSAKAベイエリアに、いのち輝く自然を取り戻すために」、午後の時間帯に講演会「<第1部>野外識別の草分け、榎本佳樹をめぐる人々 榎本佳樹生誕150年記念事業」および「<第2部>どうしたもんじゃこん鳥は 四国西部のヤイロチョウ生息地におけるサンジャク対策の現状と課題」が開かれました。私を含む講堂担当の実習生は、会場の机・椅子のセッティング、演者紹介の掲示物の管理、シンポジウム・講演会の参加者数のカウント、シンポジウムでの質問用紙回収、講演会の質問タイムのマイク対応、全プログラム終了後の会場撤収といった補助業務を担当しました。
午前のシンポジウムでは、2025年大阪・関西万博の会場となっている大阪市此花区・夢洲を含めた大阪湾岸での生物多様性保全について、1名の演者からのビデオレター、3名の演者からの講演、それに続いて大阪自然史博物館の佐久間学芸員と5名の演者によるディスカッションが行われました。フェスティバル開始直後の時間帯にも関わらず、約70名の方が来場し、ディスカッションパートでは来場者の方々から寄せられた質問も受けながら、活発な議論が行われていました。
午後の講演会では、第1部において日本の鳥類学において先駆的な取り組みをされた榎本佳樹氏の功績の紹介がなされました。また、第2部では日本に夏鳥として渡来する渡り鳥ヤイロチョウの生態やここ数十年で四国地方で野生化した移入種・サンジャクの在来鳥類に対する影響と根絶へ向けた取り組みが紹介されました。いずれの話も鳥類学に関するやや専門的な話題だったと思いますが、来場者の方々は演者の話を興味深く聞いていたように見受けられました。
この日のシンポジウム・講演会はトラブルなく、全てのプログラムを終えられたと思います。
大阪自然史フェスティバル閉幕後には、フェスティバル会場の撤収作業を行い、ブースの設営に用いられていた机・椅子・柱・壁を博物館内の各収納場所へ片づけました。物品の中には一人で運搬するのには苦労するものがありましたが、他の実習生の人達とも協力しながら撤収作業を進められたと思います。数時間前まで出展者や来場者で賑わっていた会場があっという間に平常の様子へと戻されていく様子には一抹の寂しさも感じましたが、ひとまず最後までやりきったという多少の達成感も同時に感じたように思います。
5日間の実習では、普及教育イベントの開催直前の準備作業から当日の運営業務、閉幕後の撤収作業まで携わらせていただきました。この5日間だけでも大阪自然史フェスティバルの主担当の学芸員の方を中心に、他の学芸員や情報センターの職員、学生アルバイトといった関係者の方々が総出で協力することによってイベントが進められていることを実感しました。フェスティバルの主担当の学芸員の方は今年の春頃から出展者との調整などを進めてきたと伺い、このイベントの開催に向けて費やされてきた労力には頭が下がる思いです。今回の一連の実習を通して、学芸員には専門分野に対する知識や研究遂行能力だけでなく、体力・コミュニケーション能力・統率力・判断力など幅広い様々な技能を求められることを実感すると共に、博物館の活動について新たな視点から捉えられるようになったと思います。