2025年度 夏季博物館実習4日目(8月23日)
こんにちは。博物館実習4日目のブログを担当します。和歌山大学のY.S.です。
本日は長田学芸員のご指導のもと、昆虫標本を仕分ける作業を行いました。まずは、チョウとガの両方が入っているドイツ箱からガのみを別のドイツ箱に移します。日本のチョウとガを見分けるポイントは触覚の形です。触覚を頼りに判断していきますが、中には見分けをしにくい標本もあり、慎重に作業することが求められます。次に、トンボの均翅亜目と不均翅亜目の標本を仕分けします。これらを見分ける点はいくつかあります。均翅亜目は前翅と後翅がほぼ等しい大きさで、体が細い特徴があります。それに対し、不均翅亜目は前翅より後翅が大きく、体が太い特徴があります。これらのポイントを見ながら均翅亜目のトンボを別のドイツ箱に移します。
昆虫標本には昆虫そのものとともにラベルがついています。ラベルにはその標本が採取された場所、日付、採取した人の名前が書かれています。このラベル情報から、標本が採取された場所のその当時の植生や環境を知ることができます。そのため、標本は貴重であり、半永久的に保存していく必要があります。
標本の仕分けを行った後、一種だと思われていたがその後の研究で二種になった昆虫標本をいくつか見せていただきました。キタキチョウとミナミキチョウは元々は同じキチョウでありましたが、翅を縁取っている部分の色が異なることなどから分けられるようになりました。DNA解析で分類されるものもありました。午後からも、普段は見ることができない貴重な昆虫標本を見せていただき、解説していただきました。また、長田学芸員がなされている研究について、標本とともに説明していただきました。
本日の実習を通じて、標本がなぜ大切に保存され、管理されているのかを理解することができました。チョウとガの両方ともに美しいもの、不思議なもの、見ただけでは分類ができそうにないものがあり、それぞれに対し、どのようにしてこの種類は生まれたのだろうという興味が湧きました。標本に関する作業に携わることができ、大変貴重な経験となりました。


