2026年度 夏季博物館実習4日目(8月22日)
こんにちは、2026年度 博物館実習 夏期一般コースの4日目のブログを担当します、3班所属のN大学 A.Sと申します。
実習4日目は、動物研究室の石田学芸員のご指導のもと、無脊椎動物の標本整理に関する実習を行いました。
まず、サンゴなどの刺胞動物の標本を木製棚からケース内に移動させる作業を一般収蔵庫にて行いました。木製棚からは酢酸などの有機酸が発生してしまうため、木製棚は今後すべて撤去するそうです。収蔵庫の棚は将来的にすべてスチール製にするそうですが、棚の入れ替え期間に標本を一時的に保管するために、標本をケース内に移動させる作業を行いました。
しかし、スチール製の棚でも塗料などからわずかに有機酸が発生してしまうため、よりよい管理方法を引き続き検討する必要があるそうです。内部の有機酸を減らす方法として、スチールロッカーの内側に活性炭のシートを貼って有機酸の数値をモニタリングする取り組みが行われていました。
貴重な標本を少しでも状態良く長期的に保存するために、様々な工夫が行われていることを学びました。サンゴの標本は体積が大きいものもあって、通路が狭い中移動させるのは大変でしたが、標本を間近で見られる貴重な機会でした。
次に、標本箱に入った標本をスチールロッカーの引き出しに収蔵する作業を行いました。
標本は、分類されている属ごとにまとめて収蔵する場合と、コレクションしていた方でまとめて番号を付けて収蔵する場合があるそうです。属ごとでまとめる場合は、新しく標本を受け入れても分類群ごとにまとめられるように収蔵スペースに余裕を持たせないといけないため、十分なスペースが必要になることを教えていただきました。作業を通して、収蔵した資料を活用するためにどのようなことが行われているかを学ぶことができました。
午後からは、梶山彦太郎さんが博物館に寄贈した貝類標本コレクション(梶山彦太郎コレクション)の標本整理作業と標本データ入力作業を行いました。
標本はコルク栓付きの筒状のガラス容器に入っていたので、収蔵しやすくするために元々入っていたラベルとともに標本箱に入れ替えました。標本箱には脱脂綿が入っていましたが、脱脂綿に溶けている水分に有機酸が溶け、貝殻(主成分である炭酸カルシウム)にダメージを与えてしまうとのことで取り除きました。大小2種類の箱を標本の大きさや数によって使い分けていましたが、スペースの節約のことを考えつつ標本を詰め込んでしまわないようにしないといけなかったため、どちらを使うのかの判断が難しかったです。
標本データ入力作業では、標本箱に入れ終わった標本のラベル情報をExcelにまとめる作業を行いました。標本ラベルに書かれている和名、産地名、採集者名、採集日を入力しましたが、中には産地名しか書かれていないラベルも入っていました。どのような標本があるのか一つ一つ確認しながら作業を行う中で、様々な種類の貝を見ることができました。
この日の実習を通して、標本をより良い状態で保存するための取り組みや、適切に収蔵して活用するための取り組みについて実践的に学ぶことができたと思います。


