2026年度 博物館実習 4日目 (8/22)
2026年度の夏季博物館実習4日目のブログを担当する大阪成蹊大学のM.Sです。
実習4日目の8月22日は藤田学芸員のご指導のもと博物館資料の保存科学に基づき博物館の書庫や収蔵庫にいる害虫の調査を行いました。
まず、博物館における資料保存について説明を受けました。保存科学とは、資料が博物館資料として扱われるようになった時点の状態をできる限り維持していくための分野であり、資料にとっての「医者」のような役割を担っていることを学びました。資料の保存には、温度や湿度、光、害虫など、さまざまな要因が関係しており、収蔵庫内の環境が管理されているからといって、必ずしも安全とは限らないことを知りました。
収蔵庫では温度や湿度を定期的に測定し、その結果をグラフ化することで、環境の変化を継続的に管理していることを学びました。また、害虫の侵入や発生を確認するために粘着トラップを設置することや、資料を床に直接置かないこと、棚に資料を収納する際には隙間を塞ぐなど、細かな工夫によって資料を守っていることを知りました。
展示室の見学では、展示と資料保存を両立させることの難しさを実感しました。それぞれの展示室は同じ温度になるよう空調が設定されているにもかかわらず、実際に見学すると部屋ごとに体感する温度が異なっていました。このことから、同じ設定であっても空調設備ごとに差が生じる可能性があることを実感しました。また、資料を展示ケースに入れていても、光の強さや展示ケースから発生する有害物質、ケースの隙間から侵入する害虫など、資料に影響を与えるさまざまな要因があることを学びました。資料を保存しながら、来館者にとって見やすく展示することの難しさを改めて感じました。
さらに、書庫や収蔵庫に生息する害虫の調査も行いました。粘着トラップで捕獲された虫を顕微鏡で観察し、その種類を確認しました。害虫の種類を調べることで、資料に直接被害を与える虫だけでなく、収蔵庫内の環境や外部からの侵入など、さまざまな問題を予測することにつながることを学びました。
今回の実習を通して、資料の現状を維持し、未来へ受け継いでいくことの難しさを実感しました。博物館にある資料は、ただ収蔵・展示されているだけではなく、一つひとつの資料を守るために多くの方々が日々、細かな観察や管理を行っていることによって成り立っているのだと学びました。今回学んだ資料保存の重要性を今後にも生かしていきたいと思います。


