皮むき日記
2004年、2005年
2006年1月、2月、3月、4月、5月、6月、7月、8月、9月、10月、11月、12月
(注)ここで行っている皮剥きなどの標本作成は、調査研究目的(及び普及教育目的)で、大阪市立自然史博物館の業務の一環として行っています。またその対象は、この目的で殺したものではなく、事故などで死んだものを用いています。動物虐待ではないかとの指摘があったので、念のため。
●2006年12月26日 クロジ、オオヨシキリ、キセキレイ、ウグイス、ホオジロ、エゾムシクイ、カワラヒワ、シジュウカラ、ヤブサメ、キビタキ
なにわホネホネ団の活動日。小小鳥祭り参加者はまたまたもや、他に2名。今日は、ハクセキレイ、メジロ、キビタキ、シジュウカラを剥いてくれた。他の人たちはまたもや、骨格標本(ハシブトガラス、カミツキガメ、タヌキ)の組み立てたり、タヌキを2匹ほど剥いたりしていたらしい。
・クロジ(OMNH A3015:2005年2月、奈良県桜井市産)
・オオヨシキリ(OMNH A3016:2003年8月、奈良県田原本町産)
・キセキレイ(OMNH A3017:2000年3月、大阪府高槻市産)
・ウグイス(OMNH A3019:2004年7月、熊本県上天草市産)
・ホオジロ(OMNH A3022:2004年6月、兵庫県神戸市産)
・エゾムシクイ(OMNH A3023:2003年8月、大阪府堺市産)
・カワラヒワ(OMNH A3024:2004年5月、大阪府高石市産)
・シジュウカラ(OMNH A3025:2004年10月、大阪市産)
・ヤブサメ(OMNH A3027:2005年9月、大阪市産)
・キビタキ(OMNH A3028:2005年5月、大阪市産)
一気にたくさんの皮を剥いたので、あまり何も覚えていない。キセキレイの三列風切が長くて、初列風切を覆ってしまうのに初めて気付いたくらい。それにしても6年半も冷凍庫に放り込んであったのに、冷凍焼けしていなかったのに驚いた。
●2006年12月25日 シジュウカラ、ツバメ、ウソ、ハクセキレイ、メボソムシクイ、メジロ、キビタキ、スズメ
なにわホネホネ団の活動日。小小鳥祭り参加者はまたもや、他に2名。でも今日は、シメ、コルリ、カシラダカ、モズ、オオルリとたくさん剥いてくれた。他の人たちはまたもや、骨格標本(ハシブトガラス、カミツキガメ、タヌキ)の組み立てや、かつて剥いた哺乳類の処理の続きをしていた。あと、ネコと、長居公園産のタヌキをそれぞれ1匹剥いていた。
・シジュウカラ(OMNH A3002:2006年11月、神奈川県横浜市産)
・ツバメ(OMNH A3003:2004年4月、大阪府堺市産)
・ウソ(OMNH A3005:2006年11月、大阪市産)
・ハクセキレイ(OMNH A3007:2005年1月、三重県津市産)
・メボソムシクイ(OMNH A3010:2005年10月、大阪府和泉市産)
・メジロ(OMNH A3011:2003年5月、福岡県宗像市産)
・キビタキ(OMNH A3013:2006年8月、大阪市産)
・スズメ(OMNH A3014:2006年11月、兵庫県猪名川町産)
ウソは美しい。とくに上尾筒から尾羽が渋い。そして、おもしろいのは、嘴が太くて短いのに、イカルやシメのような側頭部の筋肉がないこと。これはつまり固い種子を割って食べたりしないからなんだろう。
●2006年12月24日 ジョウビタキ、ソウシチョウ、サンコウチョウ、メジロ、アオジ、カワラヒワ
なにわホネホネ団の活動日。小小鳥祭りと称して、鳥班は小さい鳥の皮剥きをしていた。他の参加者は二人だけで、スズメとメジロをそれぞれ1羽ずつ剥いただけ。他の人たちは、骨格標本(ハシブトガラス)の組み立てや、かつて剥いた哺乳類の処理の続きをしていた。
・ジョウビタキ(OMNH A2992:2004年10月、宮崎県延岡市産)
・ソウシチョウ(OMNH A2993:2005年■月、兵庫県芦屋市産)
・サンコウチョウ(OMNH A2994:2006年5月、大阪府和泉葛城山産)
・コルリ(OMNH A2997:2006年8月、大阪府和泉葛城山産)
・メジロ(OMNH A2998:2006年2月、大阪府富田林市産)
・メジロ(OMNH A2999:2003年5月、大阪市産)
・アオジ(OMNH A3000:2005年4月、大阪市産)
・カワラヒワ(OMNH A3004:2004年4月、大阪市産)
一番美しかったのは、ソウシチョウ。雨覆から風切羽、上尾筒から尾羽の模様がとても美しい。あとは、細部がさすがチメドリ科というべきか、他のスズメ目と形が微妙に違っていておもしろい。微妙な長さで丸みの強い嘴、妙に彎曲している翼の下面。これはチメドリ科共通?
今回の一番の新発見は、サンコウチョウ。オスだったのだが、口の中まで青い。そして目の周りの青いリングは、メジロのように小さな羽ではなく、肉襞のようなものでできていた。たるんでいて変な感じ。そして最大の発見は、頭が大きいこと。頭の皮が裏返せない…。
カワラヒワは、巣立ちビナくらいの個体。まだ尾羽が生えはじめたばかり。
●2006年11月19日 タヌキ
なにわホネホネ団の活動日。午前中は鳥の皮剥き班と、前回剥いた皮の処理班に分かれる。午後からはもっぱら皮の処理にいそしむ。
・ルリビタキ(OMNH A2987:2006年11月、大阪府岸和田市産)
小雨覆に少しだけ青い羽が混じる。一見メスのようなオス。尾羽がやたらと尖っていて、幼羽風なのに、GC 斑はなく、SOもE。成鳥でもこんな尾羽なんだな〜。
・アトリ(OMNH A2927:2006年5月、大阪府箕面市産)
アトリを剥いたのは初めてか、少なくとも久しぶり。下小雨覆が黄色くて綺麗。体中にいろんな色や模様の羽があって、とっても綺麗。
・タヌキ(OMNH M1387:200■年■月、大阪府貝塚市産)
剥いた皮の裏の脂や肉の除去。新鮮な死体だったらしく、気持ちよく裏地が白くなる。でも、なぜか後ろ足の肉球の中の脂が固くて取れない。なにかの病気だったのかな?
●2006年11月8-11日 アミメキリン
長らくなめし液に浸けて忘れていたキリンの皮が干された。というわけで、なめし作業の仕上げ
・アミメキリン(OMNH M■:続き)
毎日少しずつ乾いていくのを、頻繁にさわって柔らかくする。子どもだからか皮にほとんど油分が付いていない。仕方がないので、油分を足してやることにする。辺りをさがしてワセリンを発見したので、ワセリンを手に付けて、皮をさわる。保湿効果のおかげで、皮は柔らかく、手はしっとりと保たれる。あと1〜2日で完成予定。
●2006年11月3日 タヌキ
なにわホネホネ団の活動日。冷凍室や冷凍庫から大量のタヌキが発掘された。少しでも減らすべく、じゃなかった、少しでも処理を進めるべく、今日はタヌキの処理が中心。団員の資格にタヌキを独りで1匹剥けることという要件があるので、入団試験を兼ねているようないないような。他に、ネコやシカの頭が剥かれたり、アリゲーターガーの皮を剥いたり。
・タヌキ(OMNH M1386:2004年4月、鳥取県郡家町産)
・タヌキ(OMNH M1392:2004年3月、岐阜県御高町産)
タヌキの皮剥きは8月の合宿以来。いずれも1時間10分〜20分かかってしまいました。少し腕が鈍っているようです。M1392の方は介せんタヌキでした。ダニもたくさん付いていました。弱っている個体にはいろんな寄生虫が付くってことでしょうか?
●2006年10月22日 ウグイス、ズアカエナガ、ヒガラ、キビタキ、エゾムシクイ、ヤブサメ
なにわホネホネ団の活動日。小小鳥祭りと称して、鳥班は小さい鳥の皮剥きをしていた。そのかたわらでタヌキを剥く二人。タヌキの骨を並べるもの。そして顧問に率いられた一団は、砂場へウミガメやシロクマの骨を並べに行っていた。
・ウグイス(OMNH A2914:2006年8月、熊本県上天草市産)
・ズアカエナガ(OMNH A2918:2000年10月、山梨県北杜市産)
・ヒガラ(OMNH A2921:2005年6月、大阪府泉佐野市産)
・ヤブサメ(OMNH A2924:2005年10月、大阪市産)
・エゾムシクイ(OMNH A2926:2006年9月、大阪市産)
・キビタキ(OMNH A2927:2006年5月、大阪府箕面市産)
いずれも小さいのすぐに剥ける。意外と疲れなかった。が、エゾムシクイとヤブサメは脂肪蓄積が多く、油断してたら皮をやぶってしまった…。一方、ズアカエナガは古いってこともあって、乾燥しまくっていた。今までなら皮剥きを断念していたと思うが、今回、古い乾燥した死体の皮を剥く技を開発した。と言っても簡単な事で、水を少しずつしみ込ませながら剥くだけ。慎重に水をつけて柔らかくしながら剥けば、ちゃんと頭も剥く事ができた。冷凍庫に長く保存して乾燥してしまったときは一度お試しを。
●2006年9月9日 ハシボソミズナギドリ
なにわホネホネ団の活動日。ハシボソミズナギドリ6羽とドバト1羽、イノシシ1頭、タヌキ1頭、…頭の皮を剥いた。あとはそれぞれ作業
・ハシボソミズナギドリ(OMNH A2907:2006年5月、和歌山県白浜町産)
・ハシボソミズナギドリ(OMNH A2910:2006年5月、和歌山県白浜町産)
A2910はごく普通のハシボソミズナギドリ、でもA2907は喉が白く、翼下面もとても白っぽい。淡色型ってやつでしょうか。並べてみると、別種のように違います。野外で見たらいっそう別種にしたくなるかも。
●2006年8月20日 タヌキ
なにわホネホネ団の活動日。皮を剥いて、なめし液に浸けた皮を、17日に新聞紙の上に広げた。ちょうど生乾きなので、柔らかくするためのゴシゴシ作業。
・タヌキ(OMNH M1371:続き)
・タヌキ(OMNH M1359:続き)
小さくて黄色っぽい毛皮の個体と、介せんでハゲハゲの個体。毛がないと皮が乾くのが速く、すでに固くなりかけ。
●2006年8月17日 アミメキリン
キリンがやってきたので、なにわホネホネ団の臨時の活動日。
・アミメキリン(OMNH M■:某動物園より)
生後3日なのに、体高180cm、体重60kg。午後から用事だったので、午前中の皮剥きだけに参加。頭としっぽの皮を剥いた。上顎に歯がなくて、下顎にだけ歯があるのは変な感じ。立ち上がる前に死んだらしい。歯先はとがり、ひずめはまったくすり減っていない。
●2006年8月11日 トビ、カワウ
なにわホネホネ団の活動日。連続4日間の最終日は、鳥の皮剥き。
・トビ(OMNH A2902:2006年8月、奈良県大淀町産)
頭部を中心にかなり腐っていて、結局、頭の羽はボロボロになってしまいました。あとは割と綺麗なのに。まるでハゲワシのよう。
・カワウ(OMNH A2905:2006年2月、大阪府八尾市産)
右翼の骨がバラバラになっていますが、あとは綺麗な個体。生殖羽も生えています。カワウのあの白い羽は、黒い羽の間から生えてくるようです。しらんかった。首は阿呆みたいに拡がる。そして羽毛が細かくて触り心地がいい。鳥の皮で襟巻きをつくるならカワウがいいんじゃないだろうか? 羽毛布団にもいいかも。
●2006年8月10日 タヌキ
なにわホネホネ団の活動日。皮を剥いた後の処理。みんなが骨とりをしている中、皮の処理に専念しました。
・タヌキ(OMNH M1352:続き)
・タヌキ(OMNH M1355:続き)
・タヌキ(OMNH M1356:2006年1月、大阪府大東市産)
・タヌキ(OMNH M1354:続き)
・タヌキ(OMNH M1372:2006年6月、福井県産)
剥いた皮の裏に残った肉と脂の除去。解剖バサミと石包丁を使っての、タヌキ(たぶんアナグマとキツネも)の皮の処理は極めたと思う。問題はアライグマ…。
●2006年8月9日 タヌキ、キツネ、バン
なにわホネホネ団の活動日。今日もたくさん皮を剥き、その後の処理も進めました。みんなで剥いたのは、タヌキ4体、キツネ1体、ネコ1体、スローロリス1体。あとは剥いた皮と中身の処理。
・タヌキ(OMNH M1371:2005年9月、大阪府貝塚市産)
とっても腐っていました。あまりに臭いので水に浸けて剥きました。
・バン(OMNH A2901:2006年4月、石川県内灘町産)
車にひかれたんでしょう。胴体も頭もぺっしゃんこ。それでも皮は剥けるので仮剥製にしました。頭骨は仕方がないので取り出して、綿に入れ替えました。
・キツネ(OMNH M1373:2005年9月、大阪府豊中市産)
・タヌキ(OMNH M1371:続き)
・タヌキ(OMNH M1353:2006年4月、大阪府堺市産)
剥いた皮の裏に残った肉と脂の除去。解剖バサミと石包丁(T学芸員お手製)で、手際よく処理するすべを身につけた気がします。
●2006年8月8日 タヌキ、アライグマ
なにわホネホネ団の活動日です。たくさん皮を剥きました。みんなで剥いたのは、タヌキ6体、キツネ1体、アナグマ1体、ネコ1体、アライグマ7体。大阪で見られる中型食肉類が勢ぞろいです。
・タヌキ(OMNH M1355:2006年2月、大阪市東住吉区産)
・タヌキ(OMNH M1354:2006年3月、大阪府堺市産)
・タヌキ(OMNH M1352:2005年11月、奈良県河合町産)
・タヌキ(OMNH M1359:2006年1月、長野県阿南町産)
いずれも、新鮮な個体でしたが、最後の1頭は介せんで、皮が酷い事になっていました。マイナス40度でしばらく凍らせてあったので、介せんがうつる心配はないのですが…。
・アライグマ(OMNH M1367:2006年6月、大阪府河内長野市産)
駆除された個体なので、肉はとても新鮮。それどころか全体的にモモのような甘い香りがただよう。肉からもモモの香り。いわゆるアーモンド臭ってやつです。青酸系の毒ガスで殺されたんでしょうね。
●2006年8月1日 アオバズク、ハクセキレイ
ジュニア自然史クラブのミーティングです。カワラヒワの羽の標本作りとタヌキの皮剥きを見ながら、久しぶりに鳥の皮剥き。どちらも巣立ちヒナです。
・ハクセキレイ(OMNH A2899:2006年7月、大阪府田尻町産)
池に浮いていたそうです。頭部が少し腐りかけ?と思っていたら、上くちばしの鞘が抜けてしまって、大ショック。もう一度差し込んで、乾かせばごまかせるとは思いますが…。
・アオバズク(OMNH M2900:2006年7月、大阪府羽曳野市産)
尾羽は生えかけ、頭羽も羽軸だらけ。羽が大人と違うのはわかるけれど、足にも違いが! 成鳥の足には黒い針のような毛が生えているのですが、巣立ちビナにはありません〜。
●2006年6月25日 ハシボソミズナギドリ、ハクビシン
なにわホネホネ団の活動日です。久しぶりに皮剥き中心の作業だったきがします。
・ハシボソミズナギドリ(OMNH A2895:2006年5月、大阪府守口市産)
この春は大阪湾で多くのハシボソミズナギドリが観察されましたが、内陸に迷い込んで保護された個体。まじかに見ると、濃いい灰色の色合いが渋い。臭いはオオミズナギドリと一緒。ハジラミがたくさん付いていました。細長いのと、丸っこいのの少なくとも2種。オオミズナギドリでも、オオシロハラミズナギドリでも同じように付いていましたが、同じ種類なのかな?
・ハクビシン(OMNH M■:2006年6月、滋賀県大津市産)
腐ってて臭い。臭い個体を処理するのは久しぶり。その割には、皮はさほど痛んでない感じ。
●2006年5月28日 テン、タヌキ、アナグマ、アライグマ
なにわホネホネ団の活動日です。朝からの活動だけど、昼間は留守だったので、夕方から参加。で、最後まで作業。居残りみたい。
・アライグマ(OMNH M1314:続き)
・アナグマ(OMNH M1315:続き)
・タヌキ(OMNH M2011:続き)
・タヌキ(OMNH M2013:続き)
・テン(OMNH M2014:続き)
皮のなめし作業で放ってあったのを、昼間に何人かが作業して、それをさらに仕上げ。サヌカイトで作った石器がなかなか便利でした。
●2006年5月7日 ユリカモメ、テン、タヌキ
なにわホネホネ団の活動日です。ここ半年ほどの間に、皮を剥いただけで放置されていた皮と中身を、手当たり次第に出して処理しました。
・ユリカモメ(OMNH A2893:2005年1月、大阪市鶴見区産)
皮を剥きました。胃内容は、黄色くてどろっとしたもの。臭いはクリームっぽい。公園の池で死んでいたそうなので、本当にカスタードクリームかもしれません。
・テン(OMNH M2014:2005年10月、福井県勝山市産)
未処理の皮があったので、脂取りをしました。水につけると水が黄色くなり、きれいな黄色がどんどん薄れていくのが残念。
・タヌキ(OMNH M1318:2006年4月、奈良県天理市産)
皮を剥いたままの中身があったので、ばらしてできるだけ肉とり。一通り肉が取れたら、鍋で煮ました。
・タヌキ(OMNH M2013:2005年9月、大阪府河内長野市産)
煮上がった骨があったので、骨とりをしました。頭骨がわれてバラバラ。でも、他はけっこう綺麗な骨です。胸椎と腰椎を残して完成。
●2006年4月23日 アオバト、タヌキ
なにわホネホネ団の活動日です。
・アオバト(OMNH A2889:2006年3月、大阪府高槻市産)
皮を剥きました。
・タヌキ(OMNH M1318:2006年4月、奈良県天理市産)
途中まで皮を剥いて放っておかれてたので、続きを剥きました。結局剥いてあったのは、足3本だけでした。
●2006年4月6日 アカウミガメ
昨日、なにわホネホネ団で拾ってきたアカウミガメを、処理しました。T顧問の指示のもと、足先の皮を剥いて、砂場に並べる。あとは虫が処理してくれるのを待つだけ。
・アカウミガメ(OMNH R■:2006年4月、和歌山市友が島産)
後肢には5本指なんだけど、足根骨が張り出して、6本目の指状態になっている。それで、鰭の面積をかせいでいる感じ。頭骨をながめていたら、細い骨が引っ付いているのを発見。鼓膜と内耳をつなぐ耳小柱というらしい。内耳側には小さい骨が他にもあったはずやけど、それは落ちたらしく見当たらず。
●2006年4月4日 アライグマ
ジュニア自然史クラブのミーティングを博物館で。希望者に哺乳類の皮剥きをしてもらいました。希望者は、女子2人に男子4人。用意したのは、アライグマ、アナグマ、タヌキを各1頭。女子2人は最後まで剥きましたが、男子は2人は途中リタイアに近い感じ。やはり男は…。
・アライグマ(OMNH M1314:2006年3月、大阪府貝塚市産)
放っておくと終わりそうになかったので、サポートに入りました。足を1本、尾と頭を剥きました。駆除された個体なので、新鮮だし、頭骨が割れてなくて綺麗です。内臓の方を見てみると、子宮がボコボコと膨れています。中を見てみると、胎盤につつまれた胎児が入っていました。タヌキの胎児と同じで、のり巻きみたいになっています。全部で5頭。外見ではわからなかったけど、妊娠していたんですね。
●2006年4月1日 アミメキリン
今日は久々のなにわホネホネ団の活動日。ずっとは参加できなかったけど、最初だけ参加した。
・アミメキリン(OMNH M■:某動物園より)
日本最長寿27才のメスだそうな。すでに一昨日解体された後で、頭、足、尾の皮剥きと、骨に付いた肉とり作業。頭の皮剥きを途中までした。片方の耳と目と顔の片側を剥いた辺りでタイムリミット。用事で出かけて帰ってきたら、処理はすべて終わった後だった。残念。残された皮の処理の時にがんばろう。
●2006年2月26日 アライグマ
今日もなにわホネホネ団の活動日。みんなが骨を洗ったりしている中、アライグマの皮の処理。
・アライグマ(OMNH M2015:続き)
なめし液からあげて、乾かしたのはいいけれど、しばらく忘れていた。おかげで、皮は固くなってしまった。さらに脂肪取りが不十分で脂ギトギト。仕方がないので、皮の裏を根掘りで削ることにしました。割と柔らかくなったのはいいけれど、調子にのって少し穴をあけてしまいました。
●2006年2月20日 オオヒクイドリ
沖縄からゲッチョがやってきたので、なぜかヒクイドリの皮剥きを見せることになった。というわけで、なにわホネホネ団で処理した。一昨日に冷凍庫から出しておいたので、昨日の子どものなにわホネホネ団でも見せることは見せた。
2001年に死体を受け取り、一通りの皮剥きをした後、頭と手足をどうするか決めかねて冷凍したままだった。今回はせっかくなので、皮と骨の両取りに挑戦することにした。両手両足の処理は他の人にゆずり、頭部を剥いた。
・オオヒクイドリ(OMNH A■:某動物園より)
後足は、大きな鱗に覆われていて、まさに恐竜のよう。前向きの3本指というのも恐竜らしさを演出している。爪は一番内側が一番長い。足の裏には肉球と呼んでもいいような脂肪の固まりが入っていた。
前足はとても短く、根元で少し動かせる程度。骨を見ると3本指。次列風切はないが、初列風切と思われる場所には、巨大な爪のようなものが数本生えている。風切の羽軸だけが太く堅くなったんじゃないかと思う。
全身の羽毛は、羽枝がまばら。後羽が付いた羽毛も多い。あと、明確な羽域はないようで、全身同じように生えている。
一番の注目は頭の上の隆起の中。外から押さえてみると、ペコペコ凹むので、中に骨は入っていないものと思った。しかし、頭の皮を剥いてみると、少なくとも根元には骨が入っている。そのままでは埒があかないので、正中線に沿って切り開いてみた。隆起の外側は、爪くらいの固さで、かるく曲げることができる。爪のような皮を剥いでみると、中には骨がつまっていた。空洞はまったくなかった。ただし骨は真っ赤で、血管がはり巡らされているように思える。また、取り外した頭骨を水に入れても、隆起部を上にして浮かぶことから、骨の中にはかなり空気を含んでいるものと思う。
ちなみに両取りのつもりで頭骨を剥いて、皮の内側に残った肉や脂肪を除去するだけで、約8時間かかった。その後、水洗いがぜんぜん問題なさそうなので、哺乳類と同様のなめし作業をすることにした。柔らかいヒクイドリの皮ができるかも。
●2006年1月22日 アライグマ
今日もある意味なにわホネホネ団の活動日。ウシガエル作りが一段落した後に、昨日の続きでアライグマの皮の処理。
・アライグマ(OMNH M2015:2005年■月、大阪府堺市産)
洗剤液に浸けてあった皮を取り出して、水洗い。ついでにもう少し脂とり。そして今度はなめし液の中へ。
●2006年1月21日 アライグマ
なにわホネホネ団の活動日。みんなが骨取りをしている中、独りアライグマの皮の処理をしていた。
・アライグマ(OMNH M2015:2005年■月、大阪府堺市産)
10月に皮を剥いたまま冷凍してあったのを解凍。ゴシゴシしようとするが、似たようなサイズなのにタヌキと違って、いまいちうまくいかない。仕方がないので、メスと解剖バサミを主に使っての処理。面倒〜。一通り肉や脂をとって、洗剤駅の中へ。
●2006年1月9日 ハイタカ、バン
今日も、いわゆるドキドキ小学生という行事。
・ハイタカ(OMNH A2886:2005年11月、大阪府東大阪市産)
右翼を骨折して保護され、治療のかいなく死んだ個体。解剖してみると、胃も腸も畏縮してしまっている。で、食道には鶏肉が詰まっていた。むりやり口から押し込んだけど、消化できずってとこか。
・バン(OMNH A2887:2003年6月、大阪府堺市産)
きれいな個体なのだが、口から血を吐きまくり。バンは肉も水っぽいし、羽を汚しそうになる。久しぶりにバンを剥いたのだが、頭が裏返せず、後頭部に切れ込みを入れた。前は裏返ってた気がするけど…。
●2006年1月8日 アオバズク、アカショウビン、ハイタカ
いわゆるドキドキ小学生という行事で、小学生に見せるべく鳥の皮むきをしました。
・アオバズク(OMNH A2883:2004年8月、大阪府東大阪市産)
巣立ちヒナに毛が生えた程度の個体。保護されてしばらく飼われた後、死んだとか。ものすごく痩せていて、胸肉もほとんどありません。内臓を見てみると、胃がパンパンなのに、腸は萎縮していました。胃を開けてみると、大量のミールワーム。餌にミールワームをたくさん食べたけど、消化できず、ってとこでしょうか。
・アカショウビン(OMNH A2884:2005年6月、奈良県天理市産)
とっても綺麗です。雄個体で、精巣はけっこう大きめ。もしかしたら近くで繁殖していたのかもしれません。
・ハイタカ(OMNH A2885:2005年11月、奈良県奈良市産)
カラスに喰われたらしく、背中と左脇が大きく開いていて、内臓がほとんど残っていません。おかげで皮剥きがしにくい…。両翼、頭、脚、尾が、帯のような皮でかろうじて繋がっているだけというものになってしまった。でも、形を整えて乾かせば、それらしい仮剥製になるに違いない。幸い腹側はつながってるし。