大阪湾南東部岩礁海岸定点調査
概要
大阪湾海岸生物研究会は、1980年に大阪府南部から和歌山市北部にかけての大阪湾南東部の岩礁海岸の潮間帯生物相を対象とした調査を開始しました。翌年以降6ヵ所を定点と定め、会員による目視調査を毎年行い、5年毎にその結果を大阪市立自然史博物館の「自然史研究」誌に公表しています。 このような調査を継続することによって、この海域の環境の長期的な変動を、海岸の生物を通して知ることができます。また、調査を積み重ねることによって、この海域の生物相をより詳しく調べ上げることができます。
調査海域の特徴
大阪湾南東部は、湾全体からみれば外海系水が卓越する海域です(大阪府水産試験場,1978)。生物相は瀬戸内海と紀伊水道との中間的な性格をもっていますが、どちらかといえば外海的な色彩が濃い所です。このために、偶来種も含めたさまざまな外洋性、南方系の生物も出現し、たくさんの種類の生物を観察することができます。
調査定点
以下の6地点を調査定点としています。(北から順に)
- 大阪府泉南郡岬町深日 長崎
- 大阪府泉南郡岬町多奈川谷川 豊国崎
- 大阪府泉南郡岬町多奈川小島 明神崎
- 和歌山県和歌山市大川 戎崎
- 和歌山県和歌山市深山 城ヶ崎
- 和歌山県和歌山市加太 田倉崎
調査方法
春から初夏にかけてのよく潮が引く土・日・祝日を選んで定点調査の日程を決め、会員に通知します。参加者は干潮時に目視によって潮間帯及び潮上帯に生息する生物を観察し、最後に結果を持ち寄って「チェックリスト」を使ってその日の出現種をとりまとめます。 同定に疑問のある生物は持ち帰って精査します。ただし顕微鏡を使わないと同定できないような小形の生物は対象としていません。また、データは出現の有無をチェックする定性的なもので、定量的な手法はとっていません。参加者にあまり負担をかけず、磯観察を楽しみながら調査を長続きさせるためにこのような方法をとっています。定性的な調査であっても、長期間継続することによってそれぞれの生物種の出現の傾向を明らかにできると考えています。
【チェックリストについて】チェックリストはこの海域で知られている植物(主に藻類)と動物が400種以上、分類順に一覧表になっており、その日の調査で見つかった生物を漏らさず記録できるようにしています。とは言っても毎回のように、リストに掲載されていない稀産種や新記録種が追加されます。
チェックリスト(2016年版)(Excelファイル)
チェックリスト(2016年版)(PDFファイル)
・環境省モニタリングサイト1000沿岸域・磯環境サイトについて
環境省が行う長期生態系調査事業「モニタリングサイト1000」の沿岸域・磯環境の一サイトが豊国崎に設置されています(サイト名:大阪湾)。モニタリングサイト1000の磯調査では、永久コドラートによる種ごとの密度調査を主とした定量的な手法をとっており、本会の定点調査の定性的なデータを補完することが期待されます。モニタリングサイト1000の調査には本会も協力しています。
「モニタリングサイト1000のホームページ」参照
【チェックリストについて】チェックリストはこの海域で知られている植物(主に藻類)と動物が400種以上、分類順に一覧表になっており、その日の調査で見つかった生物を漏らさず記録できるようにしています。とは言っても毎回のように、リストに掲載されていない稀産種や新記録種が追加されます。
チェックリスト(2016年版)(Excelファイル)
チェックリスト(2016年版)(PDFファイル)
・環境省モニタリングサイト1000沿岸域・磯環境サイトについて
環境省が行う長期生態系調査事業「モニタリングサイト1000」の沿岸域・磯環境の一サイトが豊国崎に設置されています(サイト名:大阪湾)。モニタリングサイト1000の磯調査では、永久コドラートによる種ごとの密度調査を主とした定量的な手法をとっており、本会の定点調査の定性的なデータを補完することが期待されます。モニタリングサイト1000の調査には本会も協力しています。
「モニタリングサイト1000のホームページ」参照
調査への参加方法
各回の調査については随時、集合場所や時間などを本会のブログに掲載しています。その案内に従ってご参加ください。ブログはこちら。
特に明記がない限り、事前申込等は不要です。会員でない方の見学・参加も歓迎します。次回以降も参加してみようという方は、ぜひ当会への入会をご検討ください。
「入会案内」参照
特に明記がない限り、事前申込等は不要です。会員でない方の見学・参加も歓迎します。次回以降も参加してみようという方は、ぜひ当会への入会をご検討ください。
「入会案内」参照
調査データ
各年の調査結果は、5年ごとにまとめたうえで、大阪市立自然史博物館発行の「自然史研究」に掲載しています。
また、各生物種の地点別・年別出現データはOBISとBISMaLでも公開しています。
・OBISでのデータセットのページ
・BISMaLでのデータセットのページ
※調査データを利用する場合はOBISまたはBISMaLから引用するか、「自然史研究」に掲載された該当記事を引用する形をとってください。ただし、自然史研究では原則として各5年分の出現頻度を地点別にプールして公開しています。
■データを掲載している印刷物一覧
大阪市立自然史博物館リポジトリサービス
また、「大阪市立自然史博物館研究報告」と「自然史研究」は大阪市立自然史博物館のミュージアムショップで販売もしています。
大阪市立自然史博物館オンラインショップ
また、各生物種の地点別・年別出現データはOBISとBISMaLでも公開しています。
・OBISでのデータセットのページ
・BISMaLでのデータセットのページ
※調査データを利用する場合はOBISまたはBISMaLから引用するか、「自然史研究」に掲載された該当記事を引用する形をとってください。ただし、自然史研究では原則として各5年分の出現頻度を地点別にプールして公開しています。
■データを掲載している印刷物一覧
- 大阪湾海岸生物研究会 (1981) 「大阪湾南東部の岩礁海岸生物相とその特徴−1980年の調査結果」大阪市立自然史博物館研究報告, 35:55-72, 1981. (リポジトリ)
- 大阪湾海岸生物研究会 (1986) 「大阪湾南東部の岩礁海岸生物相−1981〜1985年の調査結果」自然史研究 2(2):35-49. (リポジトリ)
- 大阪湾海岸生物研究会 (1993) 「大阪湾南東部の岩礁海岸生物相−1986〜1990年の調査結果」自然史研究 2(9):129-141. (リポジトリ)
- 大阪湾海岸生物研究会 (1996) 「大阪湾南東部の岩礁海岸生物相−1991〜1995年の調査結果」自然史研究 2(12):167-179. (リポジトリ)
- 大阪湾海岸生物研究会 (2002) 「大阪湾南東部の岩礁海岸生物相−1996〜2000年の調査結果」自然史研究 3(1):1-14. (リポジトリ)
- 大阪湾海岸生物研究会 (2007) 「大阪湾南東部の岩礁海岸生物相−2001〜2005年の調査結果」自然史研究 3(6):93-106. (リポジトリ)
- 大阪湾海岸生物研究会 (2012) 「大阪湾南東部の岩礁海岸生物相−2006〜2010年の調査結果」自然史研究 3(13):211-224. (リポジトリ)
- 大阪湾海岸生物研究会 (2018) 「大阪湾南東部の岩礁海岸生物相−2011〜2015年の調査結果」自然史研究 4(2):17-40. (リポジトリ)
- 大阪湾海岸生物研究会 (2023) 「大阪湾南東部の岩礁海岸生物相−2016〜2020年の調査結果」自然史研究 4(6):157-180. (リポジトリ)
大阪市立自然史博物館リポジトリサービス
また、「大阪市立自然史博物館研究報告」と「自然史研究」は大阪市立自然史博物館のミュージアムショップで販売もしています。
大阪市立自然史博物館オンラインショップ