・マレーゼ・トラップ(Malaise
Trap)
飛翔性の昆虫を採集するトラップです.障害物にぶつかった昆虫が上へのぼろうとする習性を利用します.構造としては一枚の長方形の網を地面に垂直に立て,その上に屋根をのせたもの(マレーゼトラップ).屋根までたどりついた虫が片側に集まるように屋根には傾斜をつけておきます.その上端に捕虫器をとりつけます.捕虫器にDDVPプレートなどの殺虫剤を入れる乾式と80%程度のエタノールを入れる湿式があります.標本にするためにはできるだけ早く処理をしたほうがよく,乾式で最低1日に1回,湿式でも3日に1回は回収したいところです.枯木に誘引されるハチを採集する場合は垂直の部分に枯れ枝を立てかけたり,花にくるハチの場合には誘引剤を併用したりすることもあります.
どのようなハチにも有効であるが,狙いのグループによって設置する場所を選択する必要がある.うまくいかないと何も入らないが,あたるとかなりの数のハチが採れる.倒木や枯れ枝などを立てかければ,キバチやクビナガキバチ,あるいはそれらに寄生するヒメバチなども採集できる.