2025年度 夏季博物館実習4日目(8月23日)

こんにちは.筑波大学のZ.G.です.
本日の実習は長谷川学芸員の指導の元で,植物標本の整理を行いました.
植物標本は採取から標本として収蔵されるまで,様々な作業が必要です.詳しくは,まず採取した標本を乾燥機で数日間乾燥させ,その後台紙に貼り付け,ラベルを作ります.これまでの作業をマウントと呼ばれ,収蔵までの前処理になります.次に,標本を登録し,収蔵庫に配架します.これでやっと利用できる標本が出来上がります.現在では更に出来上がった標本に写真を撮り,デジタルのデータを作成している途中とのことです.このように,元々膨大な量を持つ標本に,一個一個手間のかかる作業が必要となり,担当学芸員だけではとてもやり遂げない作業量になるため,アルバイトの方と一緒に進めているとのことです.
本日の作業内容は,登録済みで,配架前の植物標本を,配架しやすくするための整理になります.収蔵庫には植物標本では300近くの棚があり,並べ方として,それぞれの科を,系統分類に従い,番号を振って配置しています.異なる分類群の標本を一気に配架する際,あっちこっちの場所に移動しながらする必要があるため,非常にやりづらい作業になります.このため,配架前に,ある程度番号の近い標本同士に並べ替えすることで,後々の配架作業が楽になります.この並べ替えの作業を本日一日でやりました.
やり方として,まずテーブルにそれぞれの科のスペースを確保します.それぞれの科は,標本庫の科の番号の近いもの同士で配置します.次に,標本の台紙を出し,台紙に張り付いているラベルを確認します.ラベルには種名,採取者,採取場所,採取日など,様々な貴重な情報が書かれています.今回は科で並べ替えの作業をするため,ラベルの種名もしくは分類群の名前をまず確認し,その後,その標本の所属の科を調べます.科が分かりましたら,テーブルの該当の科のところに置きます.
この作業を長谷川学芸員及び実習生5人で一日中行い,最終的に7箱の標本を整理できました.今回は例年よりも多く処理できたとのことです.しかしながら,標本庫には,要整理の標本はまだまだ数十箱あるとのことです.このように,大量の標本を作製・整理するのに如何に大変なのかを実感できました.
今回は植物標本を整理する際,様々な分類群を見ることができ,大変興味深かった.その中に身近な植物もあり,今後は野外で観察する際の勉強にもなりました.