2025年度 冬期博物館実習 3班5日目(1月15日 チョウ)

こんにちは。

北海道大学のK. K.と申します。

我々の班はこの日、昆虫研究室でチョウやセミなどを担当されている長田学芸員の指導のもと、チョウを主とした昆虫の標本や調査研究について学びました。

まず、博物館内の研究室・標本作業室・書庫をご案内いただきました。書庫には大量の文献が置かれており、重要な文献は英語で書かれている場合も多いので、学芸員には高い英語力が求められるそうです。

次に、地下の収蔵庫で世界各地のカミキリムシ・チョウ・カメムシ・セミ・ナナフシなどの標本を見せていただきました。国外産の標本には、木の葉にそっくりなナナフシの仲間である「コノハムシ」、世界最大のセミ「テイオウゼミ」などがあり、昆虫の多様性の高さに改めて驚かされました。また、博物館のある長居公園内で最近発見された外来種の標本もあり、近年は毎年のように新しい外来昆虫が見つかるそうです。

収蔵庫内の作業としては、ドイツ箱に収められたチョウ目とトンボ目の標本群のソーティングを行いました。チョウ目は触覚の形に基づいてチョウとガに、トンボ目は翅の形・体の細さ・目の大きさに基づいて均翅亜目(イトトンボなど)と不均翅亜目(オニヤンマなど)に分類しました。チョウとガに関しては、触覚の形がガと同じチョウやその逆もいるそうで、海外ではチョウとガを分けない場合もあるそうです。

作業後、世界の美しいチョウや近年分類の扱いが変わったチョウの標本について詳しく解説していただきました。例えばキアゲハは北半球に広く分布し、日本産のものは亜種扱いでしたが、夏型雌が際立って大型であることや遺伝的に他の地域と区別できることから、近年独立種に昇格したそうです。また、最近更新された常設展示では、東アジアに広く分布するアサギマダラも日本産のものが亜種から独立種に昇格したことが解説されていました。最新の知見を広く普及させることも学芸員の重要な仕事であり、学芸員は専門家として勉強を怠ってはいけないということが分かりました。

最後に、長田さんが学生時代から研究されている、シイタケを食べるガの仲間の分類について解説していただきました。これらのガは今日見てきた他の標本に比べるとかなり地味で、私がぱっと見ただけでは違いが分かりにくかったですが、交尾器の形態や遺伝子解析で区別できるそうです。最近は幼虫の分類の研究にも取り組んでいらっしゃるそうで、害虫被害を減らすためにとても重要な研究だと思いました。

この日の実習を通じて、昆虫の多様性にはロマンがあること、多様な標本のコレクションがあると展示や研究に大いに役立つことなどを学びました。私が普段くらす町にもきっと面白い昆虫が沢山生息していると思うので、春になったら身近な「ロマン」を探しに行きたいと思いました。