2022年度冬期博物館実習5日目(1月12日)
神戸大学のK.M.です。
実習5日目は植物研究室の長谷川学芸員のご指導の下、植物標本の登録作業を行いました。
標本にする植物は台紙に貼り付けて乾燥させた後、更に冷凍させるという処理が施されています。これによって虫害を防ぐと共に、植物を押し花のように平面にして保管しやすくしています。乾燥した標本はパラパラと崩れやすく、取り扱いには細心の注意を払う必要があります。普段はカビや虫害を防ぐため、温度や湿度が一定に管理された特別収蔵庫で保管されています。
標本には採取した日付や場所、採取者などの情報が記されたラベルが貼り付けられており、今日の作業内容はこの情報をExcelシートに記入していくというものでした。このように資料の情報をまとめて公開することで、直接博物館を訪れなくても、収蔵されている資料の情報にアクセス出来るようになります。植物の中には戦前に採取された物やアメリカで採取された物も多く含まれており、植物を資料として保存する活動が古くから世界各地で行われているのだということを実感しました。今日は4人で作業し、合計500点近くの標本の情報を入力することが出来ました。しかし、未登録の標本は数多くあり、収蔵庫に山積みになっています。
植物標本は年間数多く寄贈されており、1つ1つの資料に目を通す機会はほとんど無いそうです。今回の登録作業は資料を直接確認する数少ない機会であり、このような貴重な体験をさせて頂いたことを嬉しく思います。