2025年度 夏期博物館実習1日目(8月20日)

こんにちは!2025年度夏期博物館実習1日目のブログを担当する、奈良女子大学のS.Tです。

本日はオリエンテーションとして大阪市立自然史博物館の概要をご説明いただき、その後、研究室や収蔵庫、展示室の見学をしました。

収蔵庫の見学では、膨大な量の資料を拝見しました。何万点の資料が収蔵されている、とお聞きしてもその量はあまりイメージできませんでしたが、実際に収蔵庫を見学するとその多さに驚きました。また、保管されている資料の説明や、収蔵庫ごとの特色など、興味深いお話を聞くことができました。

展示室の見学では、学芸員の視点から展示を見ることで、ディスプレイの課題について学びを得ました。掃除のしにくい配置や、照明の交換が難しいケースなど、普段博物館に行ったときには見えなかった問題を知ることができました。ケースなしの展示は、来館者にとって直で見られて迫力がある展示方法ですが、学芸員側から見ると、埃が溜まりやすい、手に届くものだと壊れるリスクが高い、来館者に持って帰られるといった多くの問題があると分かりました。魅力的な展示方法と管理のしやすさの両立を考えることが、良い展示を作っていく上で必要であると実感しました。

1日目の実習を通して、博物館の費用問題、そして時間のなさを強く意識しました。収蔵庫の未整理資料や展示室のディスプレイなどの課題を解決するには多額の費用が必要であったり、展示室を閉鎖しなければならなかったりします。貴重な資料を次世代へ受け継いでいくためには、適切な保管環境を整えねばなりません。学芸員の仕事は専門内外の研究、展示室の清掃、来館者対応、教育普及活動など多岐に渡り、想像以上に幅広い業務を担当しています。博物館の費用不足やそこで働く学芸員の時間のなさはすぐに解決できる問題ではありませんが、多くの人が博物館にまつわる課題を認識していくことが重要なのではないでしょうか。

最後に、実習1日目は収蔵庫や展示室の見学を通して、様々な気づきを得ることができました。この経験を明日以降の実習に活かし、さらなる学びにつなげていきたいと思います!