2016秋実習 最終日
10月9日 友の会秋祭り「海藻を楽しもう」
さわやかな風が吹く秋晴れの中、大阪市立自然史博物館友の会による秋祭りが開催されました。
午後からの受付に備えて、午前中は実習生一同で下準備を行いました。
ところてんとは「てんぐさ」と呼ばれる主にマクサ、オバクサ、オニクサなどの海藻が材料となるものから作ります。
鍋にてんぐさと酢・水を入れ火にかけ(この時お酢を入れると柔らかくなってよく溶けるそうです)、30~40分ほど煮てザルで濾し、バッドなどに流し込み冷やして固めると完成します。それをちょうどいい大きさに切り分け、天突きで突いて黒蜜や好きなシロップを持ち寄りかけて食べます。
今回使用したてんぐさは友の会が春に採ってきたもので、水洗いと天日干しを何度か繰り返し色が抜けて白くなれば完成します。多少色が残っていても作ることはできますが、色の抜けた状態のほうがおいしいそうです。
秋祭りではところてんを冷やしている間に「海藻おしば」を作るので、午前中はその下準備も行いました。
冷凍保存されていた色とりどりの海藻をバットに水を入れ解凍し、採取地と名前や種類を記入した紙を用意しました。
海藻は大きく三種類に分けられ、「緑藻」「紅藻」「褐藻」と色ごとの分類があります。長期冷凍されているものだと変色していたりして確実ではないので、図鑑などを用いて名前から種類を導き出しました。
海藻おしばは、もともと海藻自体に粘り気があるので糊付けする必要がありません。しかし逆に水気を切る新聞紙などの吸水紙にもくっついてしまうので、クッキングシートなどのシリコンが含まれ通気性のよいものを間に挟みます。
上から重石を乗せるなどして3日ほど風通しの良いところで乾燥させると完成です。
午後106名の参加者が集まり、秋祭りが始まりました。
最初に海藻についての説明を聞き、知識理解を深めます。その後用意された様々な海藻を自分好みに用紙にアレンジし、海藻おしばを作りました。
そして最後のまとめとしてお話を聞き、ついにお待ちかねのところてん試食の時間です。
何個か用意されたお鍋の前に並び、持参したお椀に一人前のところてんを入れてもらった子どもたちは思い思いに黒蜜やチョコレートなどをトッピングしていました。少量でしたがおかわりも用意でき、みんなでおいしくいただき終了となりました。
お土産に余った海藻を持って帰る人などもいて、海藻への関心が増えたように感じました。
児童教育において食べ物やおもちゃなどのもともと関心のあるものを通すことは、楽しく学べる効果が期待できます。学習と銘打たなくても、その時聞いたことや見たことは「おいしかった思い出・楽しかった思い出」とともに知らず知らずのうちに知識として残るでしょう。それは子どもだけに限らず大人においても言えることです。
この日の活動を通して、体験学習を通して学ぶことに楽しみを見出し様々なことに興味を持てるよう市民の生涯学習をサポートできる活動のお手伝いができたように思いました。いくつになっても何かに興味を持ち続け知識を増やし、人生を豊かに営みたいものです。
(実習生K)