2022年度冬期博物館実習5日目(1月12日)
こんにちは、近畿大学のS.Yです。
実習5日目は、学芸員の藤江さんご指導のもと、昆虫標本の保存方法について学びました。
初めに、昆虫研究室にて種分けされた昆虫標本に対し、データラベルを付けていきました。カツオブシムシによる標本の被害や標本の入手方法などのお話をお教えいただき、収集や保存に対する博物館の役割を実感することができました。また、標本を作るのは初めての経験だったため、ラベルの付け方や、つける位置の高さなど新たな知識として身に着けながら標本の作製を行うことができました。
午後はクワガタムシの分類を行いました。顎の形や脚の長さ、色など、知らなければ見逃してしまうような特徴を確認しながらの作業であり、一つの種でもこれだけの要素に分けられるのかと驚きました。クワガタムシという比較的分かりやすい種でも大変で、これ以上に分類が大変な種が多くいることを考えると難しい作業だということを実感しました。また、ホロタイプ標本やパラタイプ標本といったタイプ標本についても教えていただき、その際にラベルの色も分けて保存することや、基準としての重要性についても知ることができました。ホロタイプの主な消失の原因が戦争であることや貸し出しを行うための厳しい判断などとても興味深く感じました。
この実習を通して、資料の管理や収集、展示など博物館のもつ様々な役割に触れることができました。これからは資料の保存や記録としての側面からも展示物に関わり、理解を深めていきたいと思います。