まあ、ここら辺りにゃあ、3種のタニシがいるわけだ。どこにでもいるヒメタニシはともかく、マルタニシとオオタニシがいる場所ってのは、近頃じゃあ限られていて、けっこう貴重。
そうそう、ちなみにジャンボタニシと称するやつはぁ、本名をスクミリンゴガイってゆう、別の仲間らしい。
で、奈良盆地の南部をウロウロしてて、そのオオタニシとマルタニシを、3ヶ所で見つけて、2〜3匹ずつ採ってきた。数少ない貝なので、あまり採集はお薦めできないが、一応証拠標本がいるし、そもそも自分だけではいまいち同定に自信がない。
なんせタニシの同定ときた日にゃあ、角張ってるとか、丸みがあるとか、図鑑を見てもいたって曖昧な表現で区別されている。これは同定できると称する人に見てもらうしか、どうしようもなかったりする。
採集してきたけど、貝がわかる奴になかなか出会わず、はや1週間。ようやく捕まえて、貝を見せた。廊下で見せたら老眼でよくわからないなどと言ってる。
それはともかく、容器に入って1週間経ったオオタニシは死んで、中身は腐っていた(中身を腐らすのは通常の貝の標本製作のプロセスなので、心配ご無用)。一方、マルタニシは、せまい容器に1週間入れていても、腐ってないどころか、生きている。
いつでも水のあるため池なんかに暮らしているオオタニシ。湿った水田に暮らしていて、水がなくなっても泥の中に潜って生きているマルタニシ。この生態の違いが、この違いになったに違いない。
というわけで、オオタニシとマルタニシが見分けられずに悩んだ時は、容器に入れて1週間ほど放っておけばわかる、ということを発見。まあ、お試しを。
奈良の平城宮跡にアリスイを見に行く予定だった。朝、外を見たら、雨は降ってなかったので行くことに決定。準備して家を出たら、雨が降っていた。
少しめげかけたが、今更中止にするもんか! と決行。昼から回復っぽかったし。
大和西大寺の駅に到着。やっぱり雨が降ってる。それでも平城宮跡に向かう。アリスイポイントに到着。まだ雨が降ってる。一応、アリスイを探してみるが、こんな天気じゃアリスイもお休みでしょ〜。
帰りにもう一度探すことにして、水上池に行ってみる。オシドリうを発見。観察。と、小さいカモはコガモばかりと思っていたら、シマアジを発見。綺麗なオス。一気に盛り上がる。その頃から雨が上がってくる。地面も少し乾いてきたし、時間も頃合いだったので、お昼ご飯に。
昼食後、水上池をグルッと回って、もう一度、アリスイを探すぞ! と向かいかけたら、雨だけでなく、霰までもが降ってきた。風も強い。にわか嵐。急いで屋根の下に逃げ込む。
少し小振りになったので、アリスイを探しに行ったが見つからず。結局諦めて帰ってきた。残念。
アリスイ探しに向かおうとすると雨や霰が降ってくる。アリスイの呪い。
先日、鳥屋の知り合いが、目が見えなくなったら困るな〜、と言ってるのを聞いた。ふむふむその通り。鳥が見えないと、鳥の調査がしにくいからねー。ついでに足腰も丈夫でないと、山に登ったり、長距離歩いたりする調査ができなくて困る。
両生爬虫類や哺乳類、虫、植物なんかを調べる時も似たようなもん。しかし、鳥屋にとっては、もう一つ重要な商売道具が耳。
カエルの声、シカの声、虫の声。他分野でも聴覚を使って調べることはあるだろうけど、調査に聴覚を一番使うのは、鳥屋といっても過言ではないだろう。
おそらくそんなことだろうとは思っていたけど、一日中、イヤホンで音楽を聴いていると、聴覚障害を引き起こしやすくなるらしい。大音響のコンサートなんかも要注意。きっと、電話のしすぎなんかも耳に悪いに違いない。
聴力の低下はまず高周波の音が聞こえなくなる事からはじまるらしい。そういえばお年を召された方は、しばしば高い音が聞こえないらしく、高音の鳥の囀りがあまり聞こえてないことがある。囀りの声が聞こえないと、繁殖期のセンサス調査への影響大!
商売道具は大切にしなくては、と改めて思った次第。テレビの音は小さめにしよう。少し欲しかったけど、携帯音楽プレーヤーなるものを買うのは止めよう。とくに欲しくもないのに周囲から勧められる携帯電話を、買わない理由にこれを使おう。
アカガエルの調査シーズンもそろそろ終わり(あくまでも京阪神でニホンアカガエルとヤマアカガエルの卵塊を探す場合限定)。で、卵塊を探しながら考えた事を二つ。
昨年卵塊を見つけたのに、同じ場所に行っても今年は卵塊がないという場合が多い。その多くは、昨年卵塊を見つけたと言っても、1〜数個の小規模な産卵地。
一つの卵塊を1雌が産むんだとすると、そもそも関与してる雌の個体数が少ない産卵地ということになる。関与する雌が少なければ、その雌の産卵よりも早く調査してしまったり、産卵よりもあまりに遅く調査してしまうと卵塊(orオタマジャクシ)が見つからないのは当然。
もう一つの可能性は、雌が毎年産卵するとは限らない場合。産卵はたいへんコストがかかるお仕事だろうから、栄養状態が悪ければ産卵しなくてもおかしくなさそう。あるいは、周期ゼミばりに、周期を合わせて数年に一度産卵する方が、捕食者からエスケープできるかもね。
近頃、京阪神ではイノシシが増えている(まあ、イノシシの増加は京阪神に限らないけど)。近頃、増えているのはイノシシではなく、逃がされたイノブタだという意見もあるけど、誰の話を聞いてもたいした根拠はないし、野外でイノシシとイノブタを見分けるなんて無理だ(と思う)し、区別はしないでおこう。
そんなわけで、今時、大阪でも奈良盆地周辺でも、山やその周辺に行けば、どこにでもイノシシの足跡があるし、イノシシとおぼしき掘り跡がある。
さて、イノシシは泥んこになるのが大好き。山手の浅く水のたまった場所は、しばしばヌタ場としてイノシシに利用され、周辺はイノシシの足跡だらけになっている。
山手で、冬にも浅く水がたまっている場所。それはイノシシがヌタ場に利用するだけではなく、アカガエルが産卵する場所にもなりうる。じっさい、アカガエルの卵塊を探して、山際の水たまりをチェックしにいくと、頻繁にイノシシの足跡に出会う。そして、イノシシの足跡だらけの場所に、アカガエルの卵塊やオタマジャクシは見あたらない(ように思う)。
仮にアカガエルが卵を産んでも、その周りや上でイノシシが転がりまくったら、アカガエル的には迷惑この上ない。水が濁りまくったり、卵がゼリーの中から出てしまったら、卵の発生・成長にも悪影響がありそう。もしかしたら、イノシシが卵塊を食べる可能性すらある。
ニホンアカガエルは田んぼの縁にたまった細長い止水でも産卵する。一方、ヤマアカガエルは、面状にたまった浅い止水が好き(と思う)。ヤマアカガエルの産卵地って、山よりにあることもあって、イノシシのヌタ場にされるリスクが高い気がする。
そんなわけで、イノシシの増加→ヤマアカガエルの産卵場所の減少→ヤマアカガエルの減少。といった図式が考えられるんじゃなかろうか?
興味を持った方、調べてみてね〜。
今日もアカガエルの卵を探してウロウロした。アカガエルは見つからず。でも、カヤネズミの巣やイチョウウキゴケ、オオタニシにマルタニシと、アカガエルと同じく分布調査の対象種が見つかったから、まあ成果はあったと言えよう。
というわけで、この2年ほど、大和川水系のいろんな生物の分布調査をしている。そんななかで気になってる事をメモしておこう。
分布を調べると言っても、広い大和川水系の事、隅から隅まではなかなか手が回らない。どうしても生息してる可能性が高い場所を中心に調べることになる。
調査していない場所には、当然ながら生息確認のプロットは付かない。事前に生息してる可能性が高いと思った場所にプロットが増えていく。
まあ、この点については、どこを調査して、どこを調査してないかを、きちんと明示すれば問題ない。
さて問題はもう一つの方。同じ場所を調査しても、調査のターゲット次第で、注意する環境は大いに異なる。同じように山際を歩いていても、
・アカガエルを探す時には山に隣接した田んぼに水があるかばかりが気になる。
・カヤネズミの巣を探す時には、山林に隣接した草原に注目。
・ヒメドロムシを採ろうと思っていると、流水を探し、底質が石ゴロゴロかどうかをチェックしてる。
つまり、ターゲットの生物がいそうな環境に絞って、調査しているわけ。膨大な環境情報のすべてに注目しようとしたら、フレーム問題が発生して、調査がはかどらないので、仕方がない。
でも、事前に生息してる可能性が高いと思った環境ばかりを調べているのは否めない。
果たして、調べていない場所、調べていない環境に、実際はどのくらいいたんだろう? とにもかくにも、いないと言う結論を出すのは難しい。
3日連続で、さっぱりアカガエルを見つけられないと、こんなことばかり考えてしまう。明日こそは見つかりますように。
ウシガエルについて質問された。捕まえたいんだそうな。同じ事を繰り返さないように記録しておこう。
家は大阪市内かぁ。大阪市内でも公園の池とかにはいるけど、立ち入りにくい場所が多いなー。郊外にいけば、田んぼにもいたりする。そんな場所で小さなカエルやオタマジャクシを捕まえるのが簡単。
で、捕まえてどうするって。庭の池に放して声を楽しむ?! あの声は遠くで聞くならいいかもしれんけど、間近でしょっちゅう鳴かれたら、ものすごくやかましいけどなー。まあ、個人の自由やけど。だとすると、成体のオスを捕まえる必要があるな。網ですくうとかではなく、釣ることを考えた方がいいなー。
と、そこで、はたと気付いた。ウシガエルは、この2月に特定外来生物の仲間入りをしたんだった!
捕まえてもいいけど、その場で放すか、殺すかどっちか。生きたまま持って帰れない。ましてや庭の池には放せない〜。
最初に気付けば、一瞬でやりとりは終わったはずであった…。不覚。
アカガエルを求めて、里山周辺をウロウロ。アカガエルはさっぱり見つからないけど、昼から晴れてきて、暖かく。春の里山を歩くのはたいへん快適。
鳥は軒並み囀っているし、花も色々咲いている。気温が上がっているせいか、花にはけっこう昆虫がやってきている。まあ、双翅類が中心のようだけど。
と、春めいて来るのは楽しいのだけれど、いいことばかりではない。
クモがけっこう巣を張っている。昆虫が飛び始めるのに合わせて巣を張るんだろうか。飛び始める時期がわかるとは、プロとはいえクモもなかなかやりおる。それはいいけど、まだクモの巣があることを想定してないので、道を歩いていると、しょっちゅうクモの巣に突っ込む。頭が巣だらけ。
あと、山のそこかしこがガス臭い。ヒサカキの花が咲いてるらしい。
この2〜3月に手分けして、大和川水系のアカガエルの繁殖地の調査をしている。が、2月は忙しく、3月も忙しく、ほとんど調査に行けてない!
ようやく、時間ができた。というより、もう3月も終わりかけてきたので、遠征をやめて、強引に時間をつくって、調査にでかけることにした。
アカガエルの繁殖地は少なくて、大和川水系全体に点在しているのみ。まだ、繁殖地が見つかっていないエリアを選んで、調査に行く予定を立てる。地図をにらんで、谷筋の棚田を中心に回る予定。見つかるかな〜。
とりあえず、明日から5日間、雨が降りませんように。
昨日、船に乗って、大阪湾南部をグルッと回った。岸和田港発11時47分。阪南2区の沖合を回って、関空の連絡橋の下をくぐって、岸の少し沖合を南西に、多奈川小島を通過と思って、ふと正面を見ると、友が島がすぐ近くに。地ノ島、沖ノ島の北側を通過して、Uターン。行きとほとんど同じコースを飛ばして帰ってきた。行きに約1時間半、帰りに約1時間の船の旅。
男里川河口周辺辺りから南では、波が穏やかなら、けっこうスナメリが見られるという話だった。見られると言っても、一瞬背中が水面の上に少し出る位というので、ずーっと海面をにらんでいたけど、見られず。残念。
友が島の西、友が島水道周辺には3月終わり頃にはウミスズメの群れがやってくるとか。淡路島側ではけっこう岸近くにまで来るんだとか。というわけで、ウミスズメを探したけど、見つからず。残念。
今日は風が少しあるから、小さい船はゆれるぞ〜、と脅されたので、酔い止めを飲んでみた。酔い止めって眠くなるのね。スナメリにもウミスズメにもふられた帰りは、緊張がとけたせいもあり、寝てしまった。帰りにスナメリが出てなかったことを祈ろう。
岸和田港着岸14時30分。
驚くほど快適な船旅だった。次は、ハシボソミズナギドリやアカエリヒレアシシギが大阪湾に入る頃(6月くらい?)に乗ってみたいな〜。
今日は、カワウのいろんな画像をみせてもらった。カワウなんて見飽きてると思っていたが、意外と知らなかったカワウがいろいろ出てきて驚いた。
カワウの婚姻色って、頭と足の付け根が白くなると思っていたけど、それだけではなかったらしい。くちばしの付け根の黄色い裸出部、横が白くなるのか〜。さらに目の下か赤くなるのか〜。その上、喉が黒っぽくなるって〜。今まで、真面目に見てなかったのを実感した。
さらに、ヒナが育っていく様子も見せてもらった。うまれたヒナが少し大きくなって、でもまだ綿羽の時が一番かわいい! 全身真っ黒のフワフワで、ムクムクしてて。さらにくちばしの根元や喉の黄色が鮮やか。とっても綺麗で可愛い。
今度カワウのコロニーに行ったら、生で見てみよう!
この半年ほどに、近所の植物園で数えた鳥の個体数を集計した。さぼり気味だったので、15回の調査分に過ぎない。とはいえ、面倒。4時間ほどかかった…。まあ休憩をはさんでるからやけど。
まとめてやると面倒やけど、この半年の傾向を知る事ができるというメリットがある。
この半年は、とにかく鳥が少ない。と思ってた。でも、水鳥は多いみたい。サギ類は3〜4種そろってたりするし、カモ類もマガモ、カルガモ、コガモ、ホシハジロ、キンクロハジロのほとんど5種だけやけど、数は多い。
陸鳥の方は確かに少ない。ヒヨドリやツグミが少なく、シロハラはほとんどいない。のみならず、冬になってからはメジロやスズメも少ない。どうもキジバトも少ないらしい。
さらにキジバトは、いてもあまり地上に降りてないみたい。そういえば、カワラヒワもあまり地上に降りていない。樹上に十分食べ物があるからか?
とにかく地上で目立つのは、カラスばかり。
北海道からメールがきた。キジバトのなわばりの広さはだいたいどれくらい?と尋ねている。そういえば、昔調べたなぁ〜。でも、データを見直すのは面倒なので、あやふやな記憶で答える。曰く、
個体によってさまざまやけど、狭ければテニスコートの半分くらい。広いとサッカーグランドくらい。
まあ、さほど間違ってないだろう。すぐに答えが返ってきて曰く、
ちっさ。
言われてみれば、確かに小さいな。でも、巣あるいは巣の候補地周辺から他のキジバトを排除してるだけやから。食事は外へ出かけるし。巣材も外から運んでくることもある。それどころか、なわばりの外で営巣することも…。
こうなってくると、このなわばりと称してるエリアの意味はなんなん? とも思う。なんなんだろう。久しぶりに少し考えてしまった。
なわばりはオスが守ってる。でも、巣場所は、オスが候補地を提示するものの、最終決定はメスがしてるらしい。この辺りが重要かも。
今日は、とある原稿のために大阪でのオシドリの繁殖について調べた。
知る限り、大阪での確実なオシドリの繁殖例は、1989年に能勢町で確認されたという一つだけ。発見時の詳しい内容は公表されてないと思うのだが、人づてに聞いた話(いやご本人からも聞いたかな?)。
大阪府の鳥の分布調査のためにSさんが、能勢に行った時のこと。上からヒナが落ちてきた、んだとか。オシドリは樹洞で営巣し、飛べないヒナは巣から落ちて、歩いて川や池にたどりつく。ちょうど落ちたところに居合わせたのか。
夏期にオシドリが大阪府で観察される例は、いくつかあるようだが、知る限りヒナ連れなどは見つかっていない。
と思っていたのだが、「かつて箕面でオシドリが繁殖していたらしい」という自分のメモを発見。何かで読んだのか、誰かから聞いたのか。詳細はさっぱり不明。箕面の鳥類相の報告書を見てみても載っていない。
自分で自分に謎のメモを残してしまった…。だれか出典か何か知らないかな?
とある場所で話をする事になった。タイトルを決めてくれという。内容に則したタイトルを適当に伝えてみる。内容はわかるけど、硬くておもしろ味がないという。じゃあ、どんな感じのタイトルがいいのかと問うと、なにわホネホネ団みたいなのがいいという。
意味がわからん。あれは怪しい集団の団体名であって、講演タイトルではない。だいたいホネホネ団と言いつつ、骨格標本よりは、皮むきに熱中していたり。なにわと言いつつ、河内や泉南や摂津や大和の国でも活動してる!
でも、なにわホネホネ団みたいのがいいらしい。なんでも、楽しげで、それでいて何をしてるのか何となくわかる、だからいいんだそうな。
しかし、大和川の鳥やカエルなんかを、みんなで調べた話をするんやぞ。いったいどうしろって言うんやー。
「ハネハネ博士、ケロケロ探偵団と大和川を行く!」とかか?
今日聞いた情報をメモ。
石川、と言っても石川県ではなく、南河内を流れている大和川の支流。その石川の中流部の河原にウサギの糞がけっこう落ちているそうな。ウサギは、南河内の山にはいるけど、河川敷にいるという話は初めて聞いた。
▼河川敷はあまりひろくなく、山や丘陵の林とはあまり接している場所ではない。周辺に農耕地はあるけど、住宅などでけっこうモザイク状。あまり広い生息地ではない。
▼また、けっこう多くの人がウロウロしている場所。以前からノウサギが生息してるなら、目撃情報が頻繁にあってもよさそう。
▼河川敷と農耕地、もちろん山や丘陵の林との間も、道路で分断されている。それなりに車も走っている。でも、このエリアでのウサギの轢死体の話は知らない。
なんてことを考えると、以前からノウサギが生息してる可能性は薄いのではないだろうか? むしろ最近逃がされたカイウサギの可能性が高いんじゃなかろうか? もちろん最近、山からノウサギがたどりついたのかもしれないけど…。
とはいえ、糞でノウサギとカイウサギの識別って、できるのか?
できる!という方、ぜひご教授ください。
この土日、いながらにして、いろんな動物と触れ合うことができた。触れられた動物は迷惑なんだろうけど、こっちは触れることで色々なことに気付く。忘れないようにメモを。
◆モノアラガイとサカマキガイ
水槽からよく逃げ出すのはどっち? 正解はモノアラガイ。蓋をしてないと、夜の内に逃げ出して、床を歩いている。気付かずに踏みつぶしてしまったノ。サカマキガイも逃げ出していたけど、せいぜい置いてある台の上どまり。ちなみにモノアラガイは昼間も逃げ出すようで、丸1日ほどで1匹もいなくなったとか。どこに行ったんだか…。
◆ボールニシキヘビ
このヘビは本当にボールになるんやねぇ。その上、ものすごい恐がり。持ったらすぐに頭を隠してしまう。頭を見るだけで一苦労。表から隠しているだけでなく、裏返しても裏返しても頭がない! さらに頭も隠すけど、ちゃんと尻も隠しているのは感心感心。
無理矢理ほどいてみると、今度は腕にからみついてくる。1mほどの小さなヘビなのに、かなりの締め付け。大きなニシキヘビにまかれたくないもんだ。
◆ハシボソガラス
逃げるとアカンので、紐をハーネスのように両翼の根元にくくってあった。それをものすごーく気にしてた。頭をクルッと回して、背中の真ん中の結び目をつつく。あの勢いならとれるのも時間の問題か。それにしてもあんな所にも届くとは、カラスの標識は難しそう〜。
次の日は、ハーネスはなかった。でも、どこにも行かずに大人しく、台の上にとまっていたり、人の腕や肩にとまっていたり。周りを大量の人がウロウロして、かなりやかましいけど、ぜんぜん平気らしい。社会性があるっていうんだろうか。
昨日の夜に山場を越えて、今日は気楽な一日。
お祭りなので、辺りには変な格好の人がいっぱいいる。一日中、頭にカブトムシの顔のお面を乗せてる人がいたり。緑色の豆(なのか?)の着ぐるみが歩き回っていたり。ゴキブリやテントウムシの着ぐるみがあれば、モクズガニにヒメドロムシといったマニアックな動物のお手製の着ぐるみもあった。
そういえば紙で作ったオランウータンの頭骨のかぶり物があった。かぶると、オランウータンの頭骨の口の中に顔が来る感じ。これだけでもけっこうおもしろいけど、羽織袴を着た奴がこれをかぶり、背中に鹿の毛皮を羽織り、手に発泡スチロールを削って作った骨を持って、辺りを走り回っていた。かなりのインパクト。
あと、緑のTシャツを着て、シュレーゲルアオガエルを模した目玉が飛び出た緑色の帽子をかぶっていた人はとっても似合っていた。
白いヘビのかぶり物もあった。頭があるからヘビなんだろうけど、とぐろを巻いている白いヘビは、ソフトクリームなど違う物に見えて仕方がない。そのヘビのかぶり物を、見学に来ていた某氏にかぶせた人がいるらしい。O市の職員にはとてもできなかったろう。
午後には、かぶり物や着ぐるみが集まっての撮影会も開かれていた。ちょっとした仮装大会。次の機会には、かぶり物コンテストをしたらおもしろそう。
というわけで、今日が発表会。
一日中忙しかったけど、一番の山場は最後に待っていた感じ。とにかく緊張。午前中の準備不足のワークショップの進行よりも、午後の口頭発表の心配(無事に演者は集まるのか、パワポはちゃんと映写されるのか、はたして客は入るのか)よりも、懇親会が迫ってくることに一番ドキドキしていた。
最後まで、本当にやるの〜、と思っていたが、”大丈夫だよ”というポジティヴな意見には勝てない。
最後にもう一度練習。と思ったら、すっかり出遅れて、懇親会ではすでに食べ物はなし。刺身のつまや、具のないカレー汁などで、腹をなだめて本番へ(昼飯も喰ってないのに〜)。
本番は、散々だったんだけど、酔っぱらいはあまり聞こえてなかったので大丈夫。さらに、踊ってくれるや歌ってくれる人にも助けられ、なんとか終了。
躍って観客の注意をそらしてくれたMaさんと、演奏が関係ないほど朗々と歌い上げてくれたMiさんには大感謝。
今日見た変な物を一つ。
外科手術用のゴム製の薄い手袋を用意する。親指を黄色く塗る。他の指を赤く塗る。人差し指な中指の間の少し手首よりの両側に黒い丸を書く。で、ゴム手袋をプーと膨らます。
あーら不思議ニワトリ風船のできあがり。
某医者系の雑誌に載っていたとか。
アレンジ次第で他の物も作れそうな気がする。
今日もまた週末のイベントに向けて展示作り。というか、たまっていたデータ処理に近い。
昨年と今年、何人かで手分けして、アカガエルの産卵地探しをしている。アカガエルと言っても、アカガエル科全体ではなく、さらにタゴガエルも無視して、ニホンアカガエルとヤマアカガエルの2種だけ。この2種は、関西では2〜3月に浅い止水に産卵する。でも、こんな時期に理想的な浅い止水は少ない。というわけで、産卵場所は限られ、探す意欲も湧くというもの。
昨年でおおむね分布の全体像はわかったので、今年は補足調査。昨年、種類の特定が確実でなかった場所を再調査。合わせて、昨年調査しきれなかった場所を調査。
まだ調査は継続中だけど、現時点での今年のトピックは、
・富田林市にヤマアカガエルとニホンアカガエルが両方産卵する場所を発見。大和川水系では唯一か?
・生駒山地東麓で、ニホンアカガエルの産卵地を発見。まあ、西麓にはいるので、いて当たり前とは思うけど。
もう一つ印象的なのは、昨年産卵を確認した場所を再訪しても、今年は産卵が確認できない事がしばしば。
昨年は水があったのに、今年は水がないというケースがけっこうあるらしい。そんなとき、アカガエルはどうするんだろう? 近くに代わりの場所があればいいけど、なかったら? 産卵したくても出来ずに、林に帰っていくんだろうか? 来年も再来年も水がなかったら? そのまま産卵出来ずに個体群が消滅してしまうんだろうか?
今週末のイベントでの展示のために、手元にあるカジカガエルの情報をあさってみた。一部チェックもれがあるかもしれんけど、標本も観察情報も一応チェック。
あんまり標本が多くない。ってゆうか、大和川水系に関しては2点しかない。だから、分布は観察情報で語らなくてはならない。
さらに、奈良盆地ではまったく記録がない。奈良県では、吉野川水系にはいるのに。それも吉野町にいるのに。一山越えて大和川水系には来ないものか?
そんなわけで、いまのところ分布は、大阪府部分だけ。それも手元にあるのは、河内長野市だけ。ほとんどすべて石川で、加賀田川や天見川に少し。なんか思ったよりいない。
千早赤阪村にもいそうなものなのにな〜。
というわけで、もうちょっと調査しなくては、ということを再確認。
カウンターに座っていたら、けっこう年配の人が、大きな植木鉢をさげてやってきた。サトイモ系の観葉植物が植わっている。
なんという種名かを知りたいのだという。クワズイモかな?としかわからない。そもそもこの手の植物を葉っぱだけで同定するのは至難の業。至難の業には手を出さず、植物担当を呼び出す。
植物担当が呼び出され、同定に頭をかかえている間に、お話をしていた。どうやら、このサトイモ君を一昨日かじって、えらい目にあったらしい。
なんでも、葉っぱを1枚取ってみたんだそうな。軸の皮を剥いたりしてみると、けっこううまそう。曰く、ズイキに似てた。で、少しパクッと口に入れたんだとか。
次の瞬間、速攻ではき出す。苦いし、口の中が腫れ上がったように感じるらしい。あわてて、水で口の中をジャージャーゆすぐ。舌を引っ張り出して水で洗う。それでも腫れが引かないから、なんかで中和しようと、砂糖なめたり、油をなめたり、マヨネーズ食べたり、いろいろためした末に病院へ。でも、病院には、なんという植物が原因かわからんから治療のしようがないと言われたとか。で、種名を聞きにやってきたんだそうな。
見たところ、もう口の周りに異常はないが、本人曰く、まだ口の中はしびれてるとか。
と、会話が盛り上がっている内に、種名が決まる。たぶんクワズイモだろう、ってことらしい。クワズイモなら、原因はシュウ酸カルシウム。ネットで調べたところ、食べた時の対策としては、水で洗浄するのでおおむね正解らしい。
少しかじっただけで、そんなに効果があるとは、恐るべしクワズイモ。ネットを見てると、けっこうズイキなどと間違って喰ってる人もいるらしい。店で出されたケースもあるようなので、ズイキなどを食べる際は、くれぐれもご注意を。
昨年、アカガエルの卵塊を確認した場所に行ってみた。卵塊が1個しかなかったから、まったく採集しなかったのだが、どうしてもオタマジャクシで種類を確認しておきたくって、再訪。そういえば、イモリがたくさんいたし、マメシジミも見つけたっけ。
駅から30分ほど歩いて、現地に到着。小さな谷の棚田。
さーて、今年も卵塊はあるかな?と思って、見て、吃驚。卵塊どころか、そもそも水がないノ。もちろん卵塊があるはずもない。昨年、水がたまっていた一番下の田んぼはダメでも、上の方には水があるかも、と上ってみる。上の方には水路には水があるけど少ない。アカガエルの卵塊もない。
今年は産卵しないのか、それとももう少し遅い時期に産卵するのか。まあ、昨年も卵塊は1つだけだったけど。
何人かで手分けして、昨年アカガエルの卵塊があった場所を、再訪してるけど、昨年は卵塊があったのに、今年はないという場所がけっこうある。
アカガエルが減ってるのか? 産卵が遅れてるだけならいいんだけど‥。
今日はいろいろあったが、一日の最後は、なにわホネホネ団。廊下がシンナー臭いと思っていたら、ホネホネ団が骨に塗装をしていたからだった。
この1週間に食べた手羽元が、ニワトリの上腕骨に姿を変えていた。さらに洗って色が塗られ、模様が描かれ、字が書かれ、見事箸置きに生まれ変わっていた。
この箸置き達は、次の週末のフェスティバルで販売される。
出来映えは、制作者のセンスやスキルに応じてさまざま。よくも悪くも1点物。一番出来のいいのは1000円でも売れそうだけど、100円でも買い手がつかなそうなのもノ。
シマウマとオカピは売るのが惜しい。
昼飯を喰って、その部屋に入ったら、黒い葉っぱと使い古した歯ブラシを渡された。とにかく歯ブラシで葉っぱを叩くのだそうだ。言われるままに叩いてみる。最初はおっかなびっくり叩いていたら、下手くそとか、とろいとか言われる。確かにそやつはこっちが始めたばかりなのに、あっという間に2枚目仕上げている。どうやら張り合ってがんばったようだが、それにしてもこっちの手際の悪さは否めない。でも、初めてで加減がわからんから仕方ないやろ〜。
それでも歯ブラシで叩き続けていると、葉っぱのモ肉モがとれて、葉脈だけになってくる。黄色くて綺麗。どうやら渡されたのはヒイラギの葉っぱらしい。形も綺麗なら色も綺麗。その上何も考えずに叩くだけで葉脈になるという3拍子そろった葉脈標本向きの葉っぱらしい。
なんとか1枚完成。ペーパーでふいて、紙にはさんで本で重しをして乾かす。あとはパウチして、細長く切れば、すてきなオリジナル栞のできあがり。来週末のイベントで売りさばくべく、量産体制らしい。
ヒイラギばかりやってもつまらないので、次は違うのを。どうやらビーカーの中の黒い水の中に葉っぱが色々使っているから、好きなのを取り出せばいいらしい。ちなみにその水はNaOH水溶液で、ビーカーでゆっくり暖めているらしい。
そんなわけで、まずはユーカリに挑戦。葉っぱが破れやすくてなかなか難しい。なんとか完成。
次は、サザンカかな?という葉っぱ。力任せに歯ブラシで叩けばそれなりにできあがり。
アラカシとクスノキなどは、途中で挫折。ユズリハも途中で失敗。
やっぱりヒイラギが一番。
植物園をウロウロしていたら、林の縁にふと気になる物があった。緑の草の中に、なぜか落ち葉が盛り上げられている。子どものいたずらかな、と思いながら近づいてみると、鳥の翼が見える。鳥の死体に落ち葉をかけて、お墓を作ったのかな?
とりあえず、上の落ち葉を取り除いてみる。下からは、丸裸の鳥の死体。片方の翼の先にだけ少し初列風切が残っているだけで、羽根はまったく残っていない。そして首から上もなくなっている。わずかに残った風切を見るに、キジバトの死体らしい。
犯人が誰かを断定することはできない。もちろん人間がやったという可能性もあるし。でも、こんな事をする人もあまりいないだろう。と仮定するなら、犯人は十中八九、カラス。カラスはハトを捕食するだろうし、その際、首だけを持って行くこともあると聞く。さらになにより、貯食行動をする。
カラスが隠しておいたキジバトの死体は、クリスマス用のローストチキンに似ている。肉も新鮮そう。これはカラスの上前をはねて、今夜はローストダヴだ! と思ったのだが、裏返してみて断念。胸肉はあらかた食べられた後で、片方の足も根元からない。もうほとんど食べる所がない!
というわけで、元の場所に置いて、上に落ち葉をかぶせておいた。また、明日どうなってるか確認してみよう。
そういえば、キジバトの死体をさわっている間、ハシブトガラスが2羽、騒ぎながら上を飛び回っていた。彼らが持ち主なんだろうか。明日は、隠し場所を変えてるかも。
大和川に水鳥を数えに行った。この冬は水鳥が少なめ、とくにカモメ類が少ない。おかげで調査はらくちん〜。その上、昨日の雨のせいか、今日は水量が多く、カモ類も限られた場所に固まっているだけ。ひじょーに数えやすい。
今日、唯一の敵は、強い向かい風。今日は向かい風にさからって、大和川沿いを走っただけのような調査だなぁ〜。
と余裕をかましていたら、前方に妙なものが見える。増水して、いつもと違った形になってる中州が、妙に白い。白くてつぶつぶした中州。と思いながら近づいてみると、つぶつぶは全部ユリカモメだった。数えてみると、約3000羽。この冬で一番多い!
3000羽を数えるには時間がかかる。なんせ1羽ずつカウンターでカチカチするから。途中で邪魔が入るとさらに時間がかかる。
今日も3分の1ほど数えた時、ユリカモメが端から飛び立ち始めた。
ユリカモメに餌を与える人が来たら、ユリカモメは飛び立つんだけど、腹が減ってる個体だけ飛び立つので、群れの全体から一部の個体が刃こぼれのように抜けていく。ところが、今日は群れの端からすべての個体が飛び立っていく。誰やー、邪魔するのは!
と思って上を見たら、ミサゴが飛んでいた。ミサゴが真上に来ると我慢できなくて飛び立っているらしい。
魚喰いのミサゴがユリカモメを襲うわけがないやろ! とユリカモメに教えてやりたいところ。でも、全体が一斉に飛び立たないのは、ハヤブサがやってきたときとも少し反応が違う気がする。ミサゴは鳥を襲わないけど、やっぱり不安〜、って感じなんだろうか。
合衆国からの客人の話を聞いた。移入種の防除の研究をしているそうな。ツガにつくカサアブラムシで、北アメリカ東部では、ツガを次々と枯らすので大問題になっているらしい。で、そのカサアブラムシの原産地が日本。それも大阪周辺らしい。ってことで、来日。大阪周辺でカサアブラムシの捕食者の採集をしている。
ちなみに二人の所属している研究所でカサアブラムシと並んで防除に力を入れてるのがゴマダラカミキリ。これまた東アジアからの移入種。どうやら、昆虫にせよ植物にせよ、北アメリカで問題になっている移入種には、東アジア産が多いらしい。そして、原産地はしばしば日本だったり、日本と考えられていたりするようだ。
曰く、日本からの移入種は、増える勢いがあって、あちこちにどんどんはびこる、とか。クズなんかは家を覆い尽くしてしまう、とか。クズは確かに日本でもはびこるけど、日本ではそこまで酷くないように思うな…。
一方、日本では、むしろ北アメリカからの移入種がはびこって困っている。アライグマ、ミシシッピーアカミミガメ、ウシガエル、アメリカザリガニ、etc…。お互い相手の地域にいくとはびこる、ってゆうのが興味深いところ。
そうそうクズは、アメリカ人もkudzu(スペルは間違ってるかも)と呼んでいた。
昨日は、明日香村を行ったり来たりした。で、林の中にフユイチゴがたくさん成っていたので、果実を採取した。食べるためではなく、種子が欲しいから。
果実食の鳥の糞から出てくるような種子を集めているんだけど、先日、持っている種子のリストを作ったら、イチゴ類がかなり欠けていることに気付いた。
持ってるのはクマイチゴ、ナワシロイチゴ、ヘビイチゴだけ。妙に偏っている。毎年たくさん食べているナガバノモミジイチゴ、クサイチゴ、フユイチゴを持っていないとは〜。
ってゆうか、この3種は、種子用に果実を集める以前に、手当たり次第に食べてしまうからな〜。大きな種子が入っているなら、果肉を食べて、種子を出せばいいけど、イチゴの場合それは面倒。いっそ死ぬほど食べて、イチゴだけからなる糞を出して、それを洗うって手もあるけど、それも面倒。まあそんなに集められるなら、食べるのを少し我慢すればいいだけ。
というわけで、今シーズン中に、このメジャーな3種のイチゴの種子を集めようと思う。今日はまずフユイチゴをクリア。まあ、3種の中では一番甘くないので、食べられなくてもさほど残念ではない。残る2種はうまいからな〜。
業務連絡
3月5日まで、毎日手羽元をできるだけたくさん食べるように。食べ終わったら、骨を綺麗に洗って、乾かしておくこと。3月5日にその骨を持って集合。
なんで手羽元の骨なんかというと、加工して箸置きを製作。大阪自然史フェスティバルで売って、活動資金にするんだそうな。身近な骨から販売物をというあたりから、どの団体のもくろみかわかってしまうな〜。
そんなわけで、多少なりとも関係ある人も、関係ない人も、手羽元を食べて3月5日までに骨をください。
そんな話になるとわかってたら、昨日スペアリブを買い込んだりしなかったのに…。
K市の某施設の観察会に参加した。毎年この時期に行っており、すでに年中行事の感がある。しかし、今年は今まではひと味違って、噂に聞いていたジュニア学芸員さんにお会いすることができた。
今日お会いした二人のジュニア学芸員さんは、どちらも気さくな性格で、お一人は観察会に同行されていた。昆虫が専門とのことだったが、望遠鏡を持って歩き、鳥を見せていた。ただ鳥の名前はさほど詳しくないらしい。
観察会の後は、研究室で原稿を執筆されるのに同席した。カケスやイカルの羽根のスケッチをはじめ、昆虫にとどまらず、鳥類、哺乳類、海岸生物と多岐にわたる動物群を扱っていた。
じつは端で、私はおかきを食べていたのだが、ジュニア学芸員さんはおかきには手を出さず執筆に取り組んでいた。とても真似の出来ない真摯な姿勢に感心した。ただ、キャラメルは食べていた。
聞くところによれば、ジュニア学芸員には日々多くの仕事があり、3回連続でさぼったらクビになってしまうという厳しい掟があるとか。どこかの公務員では、とても務まらない〜。
そんなわけで、今後のジュニア学芸員のますますの活躍を楽しみにしよう。
午後7時頃、第一報が入った。今日の昼頃、JR阪和線の踏み切り脇でタヌキの死体を発見! ただちに隊員Kを派遣。
果たして、タヌキの死体は見つかるのか? 乞うご期待!
派遣した隊員Kが帰還。無事にタヌキの死体を手に入れてきた。線路脇に落ちていたそうだが、タヌキは一見無傷。毛はふさふさで、状態もいい。
タヌキが落ちていた場所は、長居公園のすぐ北。線路沿いにタヌキは移動できるだろうと考えると、長居公園から行った可能性もある。
実はかねてより長居公園にはタヌキがいるという噂があった。いろんな人が姿を見ているらしい。が、自分では姿はおろか、足跡も糞も見ていないので、信じていなかった。実物が手に入ってしまうと信じざるを得ない。
でも、1回も見たことがない〜!!
今度、まじめに探してみようかと思いだした。
突然、大学生の集団がやってきた。まあそれはかまわない。でも、何をしにきたのかわからない。なんか作業をするのかと思いきや、なにも持ってきてないらしい。とりあえず会場を見せてみた。会場やケース類の下見にはなったらしい。
また改めて作業をしにくるんだとか。じゃあ、今日はせいぜい2人くらいが来たら済んだのでは? けっこう遠くからも来てるだろうに。
その後、しばらくダラダラした後、帰って行った(あくまでも遠目に見ていた印象)。この時期の大学生は暇らしい。いいなぁ〜、大学生。
時を前後して、定年組がやってきた。こちらは、前からの約束。郵送で済むのだけれど、わざわざCD-ROMを持ってきてくださった感じ。
受け渡しが済むと、会場の下見をして、いくつか打ち合わせ。そして、用事が済んだら帰られた。
定年後、自由な時間ができたけど、色んな事に手を出してけっこう忙しく毎日を過ごしているらしい。定年後も、活発に活動していて、まだまだやりたいことがいっぱいある感じ。いいなぁ〜。
同じように自由な時間はあるけれど、ダラダラと時間をもてあましてる感じの大学生、時間が足りないほどやることがいっぱいある定年組。どっちかを選べと言われたら…。とりあえず、今はしばらくダラダラしてみたいかも。
なんてことを書こうと思いついた。なぜそんなことを思いついたかはさておき。みんなでランキングを予想してみよう。
ちなみに、数えたエリアは、住宅地の間に農耕地が少しだけ残っているような環境。サギ類のコロニーも集団ねぐらもない。
そんなわけで、今日は、松原市を中心にため池38ヶ所をまわった。ため池で観察したサギの個体数は、
1位:アオサギ 16羽
2位:コサギ 11羽
3位:ゴイサギ 2羽
4位:ダイサギとチュウサギ どちらも1羽ずつ
という結果。さて、みんなの予想は当たったかな?
たとえば、ダイサギのランクが低いのは、ため池だから。河川なら、とくに大和川でのランキングならダイサギはコサギに匹敵する可能性もあっただろう(今度やってみよう)。
たとえば、アオサギが1位になったのは、1990年代以降に増えたから。1970〜1980年代なら、もっと下位だったはず。
たんなるランキングだけど、環境の違いや時代による違いを表すんだなぁ〜、と。まあ当たり前の事を考えたからやってみたわけ。
というのは嘘で、本当はチュウサギを見かけたから。少なくとも大阪のこの辺りでは、毎年数羽のチュウサギが越冬している。冬のため池のサギとしては、ダイサギよりもチュウサギの方が多いかも、と思った次第。結果は同じく4位だったけど。
チュウサギは、大阪では今のところ繁殖していない。越冬してるくせに、渡りの時期にはたくさんいるくせに、どうして繁殖しないんだろう?
今年に入って、作業する場所が少し変わり、スッポンのマルちゃん(たぶん4世)の隣の席になった。寒い内に、マルちゃんの冬の日常について書いておかねば。
冬にはカメは冬眠しているものと思っていたが、マルちゃんはあまり寝ていない。南向きの日当たりのいい部屋だからかもしれないけど、日が暮れて寒くなってきてもマルちゃんは元気。
水槽の中には細かい砂利が薄く引いてあって、枯れ木や石が配置されている。マルちゃんは砂利をかき分けて潜ろうとし果たせず。枯れ木や石の下に潜り込む。
時々、息をする必要があるらしい。でも、けっこう水深があるので、底から首を思いっきり伸ばしても水面に届かない。届かない〜、と動いているうちに、前足が石の上に乗る。すると水面に
届く。水面に鼻先だけだして、空気をゴクゴク呑む。喉がゴクゴク動いていておもしろい。
まるちゃんのさらに隣には、カミツキガメのツキカちゃんがいる。このツキカちゃんも冬だというのに元気。生きた魚やエビしか食べないマルちゃんに引き替え、ツキカちゃんは何でも食べる。動いていても動かなくてもなんでも食べるけど、とりあえず動く物にはなんでも反応する。
で、このツキカちゃん、隣でマルちゃんが動くたびに反応する。その目は、食べ物を見てる目。
マルちゃんは気付いているんだろうか? ストレスがたまっていないか、心配。
そんなマルちゃんを今日の昼間ふと見ると、寝ていた。水の中で、石の下に潜り込んで、首だけ出して、目をつぶっている。のぞいていると、半目になった。けっこう可愛い。
今日、冷凍庫から発掘した恐竜を解剖した。
この恐竜は、2001年に入手したもので、その時すでに内臓はなかた。2001年夏に解剖作業を行い、胴体や首の骨は取り出して、骨格標本にしたのだが、その他の部分は冷凍したままであった。
今回、ようやく解剖を完了したわけだが、その過程で気付いた点をいくつか記録しておく。
この恐竜は、二足歩行を行い、頭高は1.5〜2メートル程度と推定される。尾は短く、歩行時のバランスは、長めの首でとっているものと考えられる。
脚は鱗で覆われ、首から上は短い毛がまばらに生えているものの、その他の部分は黒い羽毛に覆われている。羽毛とはいえ"現生"の鳥とは違い、枝分かれした羽枝はまばらにしかない。この羽毛では、飛ぶことはもちろん不可能であるし、保温効果もどの程度あるのかと思わせる。少なくとも雨に打たれれば、皮膚まで水は浸透するだろう。
後足は、巨大で、3本指である。指はすべて前向きで、一番内側の1本の指の爪は長く伸びている。おそらく、この爪で攻撃を行うものと推察される。
前足は極めて短く、指は3本。指は極めて短いので、ほとんど機能していないと思われる。その代わり、前足の先には数本の堅い剛毛が生えている。少なくとも頭をかく程度の役には立つと考えられる。
頭部には、烏帽子型の隆起があり、隆起の中には多くの血管が走っている。その機能はさだかではないが、放熱板として機能している可能性を指摘しておきたい。
解剖の所見に基づき、この恐竜はCasuarius casuariusであることが判明した。主として果実食だが、その他動物も捕食し、けっこう獰猛な恐竜であるとのことである。野外で出会った場合は、注意した方がいいだろう。
石見川へ行った。カワガラスの観察会。じつは下見に行ったけど、カワガラスは見つからず。帰ってきてから、いろいろ調べたけど、やはり石見川では普通にカワガラスが観察されているらしい。ということで、下見の結果を無視して、石見川でのカワガラス探しを決行。
カワガラスが観察されているのは小深から石見川の間。というわけで、それまでなんとなくダラダラ歩いていたのを、小深辺りから真面目に川をチェックしながら進む。
マスの釣り堀になってるエリア。カワガラスがいそう〜。でも、いない。しばらく進むと道の左手が、いい感じ。これはきっといるぞ〜。でも、いない。で、そのまま石見川の集落に到着してしまった…。
もうバスに乗って帰ったろか!と思ったけど、3時間待たないとバスは来ない。仕方がないので、バスの便数が増える小深まで戻ることにする。
帰り道は半分諦めムードなれど、一応カワガラスを探しながら歩く。カワガラスはいないけど、川原にゴイサギの死体が落ちているのを発見。せめてもの土産に拾う。死体を見せながら、見所を解説してると、ビッという声。振り向くとカワガラスがいた。ゴイサギの死体を拾ってよかった〜。
とまあ波瀾万丈の一日だったが、この日になにより特筆すべきは、別にあった。
一緒に歩いていた地元のIさんの話。今から10年以上昔、石見川に水遊びにやってきたときに、カワネズミを見た。水の中を銀色の大きなネズミが行ったり来たりしていた。
なんですと!
知ってる人は知ってるけど、知らない人は知らないだろうけど、大阪府でカワネズミの生息記録はきわめて少ない。知る限り箕面と金剛山で昔の記録があるだけ。こんなところに目撃情報があったとは〜。
カワネズミといえばあこがれの動物の一つ。詳しい観察ポイントも聞いたし、夏にでも一度見に来よう。
クジラをぶら下げる作業をながめていた。全長19メートルもあるクジラの頭はでっかい。でも、つり上げるにはチェーンブロックをコロコロ引っ張るだけ。時間はかかるが、力はいらない。
頭上につられたクジラは想像以上に迫力がある。横から見たら格好いい。正面から見た顔も、けっこう味がある。上の方に鼻の穴があり、正面に向かって溝が走っている。テニスボールを鼻の穴に投げ入れたら、正面に転がって落ちてきそう。でも、よい子は決して真似しないように。
というわけで、人によるいたずらが気になるところだが、それ以上に気になるのは鳥。屋外にぶら下がってるからね〜。ドバト、ムクドリ、スズメと、あたりには穴に巣をつくる鳥がたくさんいる。
スズメは間違いなく巣をつくる、と予言しておこう。目の穴、鼻の穴、脊椎骨の間、巣場所はいくらでもある。ムクドリも頭骨で3つがいくらい同時に営巣できそう。
巣をつくったら、どうしよう。面倒だから放っておくか、骨が痛むと困るから全部取り除くか、見栄えが悪い巣だけ取り除くか。いっそ、鳥の巣も展示と割り切るとか。
河内長野の山中で、新種と思われる妖怪を発見したので、報告する。
発見場所は、加賀田川沿いから、流谷に抜ける道の途上。しっかりした車道があるにはあるのだが、車道はクネクネと大回りをしている。1/25000地形図には、点線ながら一直線に谷をつめていく近道の存在が示されている。このような、多くの人が引っかかりそうな、巧妙な場所にこの妖怪は生息しているものと思われる。国土地理院が示す点線の山道を信じてはいけないと心に刻み込んでいる筆者ですら、引っかかったことから、相当な誘因効果があることを示していると言っていいだろう。
その道は、最初のうちは立派な山道で、手入れまでされているようでもある。ところが、やがて道がわかりにくくなり、細い踏み跡が続くだけになってくる。そして、その踏み跡もやがてわかりにくくなる。
巧妙なことに踏み跡が不明瞭になった時点で、全体の半分以上進んでいる。できれば戻りたくないと考えるのが人情。そこでこの妖怪はきわめて巧妙な罠を仕掛けてくる。よく見ると人間の足跡があるではないか。誰かが通っているのなら、きっとこのまま進んでいけると判断するのが人情。踏み跡とは言えないまでも、要所要所に足跡が用意される。それにつられてさらに谷を奥へ進むことになる。
ところがやがて足跡も見あたらなくなる。その時には、前方に近道の出口が見えているような地点まで来ている。いやそもそも引き返すのも、そのまま進むのも同じくらい困難。なんせ、前にも後ろにも道がない。
その後、約30分の藪こぎの後、筆者は妖怪の罠からの脱出に成功した。もし脱出できなかったとき、どのような恐ろしい事態がまっていたかを知ることがなかったが、それは幸いであった。ただ、妖怪の本体を確認することができなかった事だけが心残りである。もしかしたら、あの踏み跡自体が妖怪だったのかもしれないが、それも今となっては想像の域を出ない。
この妖怪が残した足跡は、驚いたことに靴の跡であった。日本における靴使用の歴史を考えると、この形質は明治時代以降に進化したと考えられる。
かつては、裸足や草履の足跡を残す個体もいただろうが、明治時代以降に淘汰されたのであろう。
たとえば、19mのナガスクジラの全身骨格を持っていたとしよう。バラバラで並べていてもいいけれど、それでは全体のイメージが今ひとつわからない。組み立てるのはいいけれど、そんなにでかい物を置いておく場所がない。
そんな人は、ぜひ天井からぶら下げてみよう! 頭の上の空いてる空間の有効利用になるだけでなく、全体の感じがわかるし、下から見られるし、なにより格好いい!
ぶら下げる気になったら、まず必要なのは、骨の重さを測ること。ぶら下げたは、落ちたはでは目も当てられない。下に人がいたら危ないし、何より骨が壊れる。
重さには、後で述べるような骨を支える為の構造物の重さも忘れずに足しておこう! 重さがわかったら、次は天井がその荷重に耐えられるかの構造計算。ちょちょいのちょいと計算しよう。
で、いよいよ骨をぶら下げる準備。ここで大切なのは、ぶら下げる前にあらかじめできるだけ組み立てておくこと。
背骨は、3〜4つくらいのユニットにひっつけておいた方がいいだろう。ひっつけるには、真ん中に軸となる鉄骨を通して、隙間をシリコン樹脂で埋めてしまうのが丈夫で長持ち。ユニット同士をひっつける用の鉄骨と、それを差し込む穴を忘れずに。
鰭は、アクリル板に並べて貼り付けてしまったらいいだろう。寛骨は他の骨にひっついてないので、ぶら下げられるように用意すること。
頭骨はそれ自体をぶら下げられるように準備しておこう。肩胛骨や上腕骨は上で簡単につなげられるような下準備を。
下準備ができたら、あとは実際にぶら下げるだけ。チェーンブロックをいくつか使えば、わりと簡単に持ち上げられる。
そんなこんなで完成だ! ぶら下げるのの唯一の難点は、実物より小さく見えてしまうことだなぁ。と、きっとぶら下げてから少し反省するだろう。
しかしまあなんだねー。この冬は小鳥が少ないねー。ツグミは少ない、シロハラはあまりいない。ヒヨドリも少ない。だからか、木に果実がまだまだたくさん成っている。
で、今日は河内長野の山手を歩いたけど、柿が木にたくさん成ったまま。柿の実はそんなに長持ちしないようで、色はもう柿色ではない。茶色。枝に成ったまま干し柿になってしまったらしい。
あの柿は、すっごく甘くなってるのかな?
やがてもっと白くなって、立派な干し柿になるんだろう。たぶん。
南アフリカ帰りのMさんが、画像を持ってやってきた。遠目にもややこしそうなハタオリドリ類が見える。これはまずいと思ったら、案の定、撮った鳥の名前を教えて欲しいという。
ハタオリドリ類は似たようなのがたくさんいて、面倒。とりあえず、他をまず見ることに。
最初に出てきたのは、日本にはまったくいない鳥。なんとなくキツツキ目風。ってことで、とりあえず、『The Handobook of Birds of the World』をひっぱりだしてくる。わりとすぐにお目当ての鳥が見つかる。
●ムナオビオナガゴシキドリ(Trachyphonus vaillantii)
木の幹に止まったり、地面を歩いたり、あちこちにいたらしい。すぐに名前がわかったので、ちょっと威張り気味。実は、コサイチョウの類と思って図鑑をくってたんだけど…(その上、サイチョウはブッポウソウ目)。
調子に乗って、ハタオリドリの同定に挑戦。まだ『The Handobook of Birds of the World』はハタオリドリ類に到達してないのでどうしようかなと思ったら、『Birds of Africa』というのを持っていたことを思い出す。こんな時でもないと、この高価な本は日の目を見ることがない。で、結局
●メンガタハタオリ(Ploceus velatus)
に決定。そっくりなのが何種もいて面倒なんだけど、南アフリカという産地で決めることにした。市街地の街路樹にも普通に巣がぶらさがってるとか。巣を一つ持って帰ってくればいいのに!
その後は、さくさくと種名が決まり。
●ムジハイイロエボシドリ(Corythaixoides concolor)
カッコウ目のほらあれ、とか言いながら探す。
●ウロコカワラバト(Columba guinea)
てっきりStreptopeliaかと思って探していたら、Columbaだったノ。
他に、サギやトキやウの混合コロニーの遠景があったけど、面倒なので種の同定はパスした。
というわけで、南アフリカの鳥を堪能。他にも鳥をたくさん見たそうな。行ってみたいな〜。
山と渓谷社の『見つけて楽しむきのこワンダーランド』を何気なく手にしたら、はさまっていた紙が落ちた。拾ってみると、「きのこの毒性に関する重要なお知らせ」とある。これを世間に広める事は、山と渓谷社の意図にも添うだろうってことで、紹介してみる。
なんでも、これまで食用きのことされてきたキノコなどで、近年中毒死が生じている。毒性の詳細については不明だけど、大事をとって以下の4種のキノコを毒キノコと表示することにする。
キシメジ:食用→毒
シモコシ:食用→毒
スギヒラタケ:食用→毒
カエンタケ:食毒不明→毒
ってことらしい。
キノコの本を出している出版社は大変だねぇ。食用って書いてあるから食べたのに死んだー!って言われると困るもんね。でも、カエンタケはともかく、他のは毒キノコって言われても、ちょっと違和感があるなー。他の出版社の対応はどうなっているんだろう?
『見つけて楽しむきのこワンダーランド』104ページのスギヒラタケのずんだ餡和え、「毒」に変更のため、料理して食べないように。
とも書いてある。なぜかかえって食べたくなってきた。
中毒が起きても、地元ではやっぱり食べてるんじゃないのかな? それとも、もう売ってないのか?
さて、一番の疑問は、スギヒラタケとかで死者が出たのは、一昨年だっけ? えらく対応が遅いように思うけど、この紙は前からはさまっていたのかな?
橿原神宮に、みんなで一緒にカワウを見に行った。巣をながめて、ねぐらに帰ってくるのをながめて。ついでにカラスの集団ねぐらでもあるので、カラスが乱舞するのをながめて。ぼちぼち帰ろうかと思ったら、なにか落ちてるという声。見てみるとカワウの死体。
死体はネタとしておいしいので、さっそく持ち上げて、脚の指の付き方や水かき、くちばしのようすを見たり、翼を広げてみせたり。水で濡れて汚くなっている上に、一部を何かに喰われている。多くの人は一段落したら捨てて帰ると思ったらしい。
「持って帰る」と宣言したら、一部から驚きの声。
「何か袋ない?」持って帰ると言いながら入れ物がなかったりする。しかし、ちゃんと大きめのビニール袋が登場して、カワウは袋の中に。
なんか以前も同じようなことがあった。これからはちゃんとザックに大きめの袋を用意しよう。と毎回決意しつつ、毎回忘れる。
電車に乗る時には、袋の口はくくろうと思いつつ、とりあえず口を開けたまま、ぶら下げて駅に戻る。
隣を歩いていた子どもが言った。
「カワウ臭い」
せめて魚臭いと言え! それから駅に着いたら黙ってるように。
種<しゅ>と読みたくなりそうだが、まずは種<たね>と呼ぶのが正解。
果実食の鳥の糞から出てくるような植物の種<たね>をコレクションしている。種<しゅ>ごとに透明なルーペ付きのケースに入れて、並べてある。ところが、これをすぐにバラバラにする輩がいる。それのみならず、中身を開けてばらまいたりする輩までいる!
先月の終わりに色んな種<たね>がばらまかれて、悲惨な状態になってるのを発見。とりあえず回収したけど、色んな種<ここでの読みはどっちでも可>が混じってしまっていて、ソーティングが必要。なれど、面倒なので放っておいた。
今日、ようやく種<たね>のソーティングにとりかかる。
まずは、ナツメ、セイヨウサンザシ、ヤマコウバシ、カナクギノキ、オガタマノキ、シナヒイラギモチといった大物を取り出す。ヤマコウバシとカナクギノキの区別に少し悩む程度で、これは簡単。
次にもう少し小さな種<たね>を取り出す。サルトリイバラ、カジノキ、イチイ、ヘクソカズラ、チョウセンゴミシ、コトネアスター、ランタナ、ニシキギ、ヤツデ、フウトウカズラ。ソーティングは簡単だが、同定は少し悩むことも。まだ肉眼で区別できるが、取り出すのはピンセットのお世話に。
そして、残った小さい種子のソーティング。大きさは1mm内外で、面倒くさそう。肉眼では、白いの、茶色いの、黒いのの3種ってとこかな。と思いつつ、実体顕微鏡で眺めてみると、もっと色々入ってるノ。まずは1mmメッシュの篩いして仕分けて、それを実態顕微鏡でながめながら一粒ずつピンセットで摘むという気の遠くなるような作業。とーっても時間がかかって、タラノキ、ヘビイチゴ、クマイチゴ、ヒメコウゾ、そしてどうしてもわからないのが1種。エンレイソウの仲間?
ものすごーく時間がかかって疲れたけど、実体顕微鏡でみる種子はとても綺麗。それに、小さい種子の見分け方の勉強になったから、まあ得るものはあった感じ。
そういえば、ウスノキのケースの中に、甲虫らしき昆虫の幼虫が、4匹ほどいて、中は糞だらけになっていた。どこから来たのか? もしかしたら種子についていた? とりあえず、そのままにして成虫になるのを待つとしよう。
質問を受けた。けど、質問者の方が詳しかったなー、って話。
なんでも、南港野鳥園で以前リスを放した事があったんだとか。放したのはT動物園の元園長なんだとか。質問は、いつ放して、その後の生息状況はどうなっているか。
もちろん南港野鳥園に問い合わせてわからず、T動物園に聞いてもわからず。ということらしい。
すでに振る相手もなく、わかりませんね〜、といって終わり。それではあまりに愛想がない。というわけで、手持ちの情報を漁ってみる。
2000年4月に南港野鳥園で、リスの食痕を見つけたという情報がある。さらにその2〜3年前にリスを見たという話も聞いた。その頃にはリスがいたらしい。だれに聞いたか忘れたけど、生駒山地で捕獲したニホンリスを南港野鳥園で放したという話も聞いたことがあったらしい。
放したのはタイワンリスではなく、ニホンリスだったのか? 生駒で捕獲したとすると、許可はどうやって取ったんだろう? 公園に放したいなんて理由で許可が出るのか? ってゆうか、出すなよ。
もし詳細を知っていたら、ぜひお知らせを。ただ、質問者の連絡先を聞いてないので、伝えようがないんだけど…。
どんな哺乳類に鎖骨があって、どんなのにないのか? って質問された。わからない。骨のことならってことで、Tさんに回答権を譲った。
で、Tさんに答えを教えてもらった。なかなか興味深いので、ここにメモっておこう。Tさん、ありがとう〜。
◆鎖骨のあるグループ
霊長目、皮翼目、食虫目、翼手目、有鱗目、貧歯目、管歯目、有袋目、単孔目
◆鎖骨がないグループ
偶蹄目、奇蹄目、長鼻目、海牛目、鯨目
◆鎖骨があったりなかったり、あるいは痕跡的になってたりするグループ
食肉目、齧歯目、兎目
いくつかの目が抜けてるけど、まあいいとして。どっちかと言えば、原始的な形態を残しているグループに鎖骨はあるって感じかな。
おもしろいのは、中途半端なグループ。
ウサギは、痕跡的な鎖骨があるそうな。肩胛骨に連結せずに筋肉の中に浮いてたりするらしい。今まで気づかずに捨ててたかも〜。
ネズミ類では、多くのには鎖骨があるけど、モルモットにはなかったりする。少なくとも以前モルモットの骨格標本を作ったときには気づかなかった。ただし、ウサギと同様痕跡的なだけかも。
食肉類では、イヌ科やイタチ科には鎖骨はないけど、ネコ科には痕跡的なのがあるんだそうな。アライグマ科は? ジャコウネコ科は? クマ科は? 本で調べずに、ここらへんは実際に処理するときに、実物で確認してみよう!
空調機械の工事で、この寒いさなかの2月の間、建物の暖房がずーっとストップ。もともと部屋にあまり暖房は効いてなかったので、電気ストーブを持ち込んでいたし。まあ、たいしたことはなかろうと思っていたが、甘かった。
暖房が効いてないとはいえ、それなりに効いていたんだろう。日に日に部屋が寒くなっていく気がする。今日は、ものすごーく寒くて、とうとう我慢できずに、他の部屋で余っていたガスファンヒーターをGETとした。暖かい〜。これで、明日からはストーブにへばりつかずに生きていけそう。
それにしても、各部屋に1〜2台のガスファンヒーターやガスストーブが入っているもよう。今月のガス代は高くなりそう。それとも、この方が割安なんだろうか? まあ、こまめに消すこともできるから…。
タイから来た研修生10人の案内をした。出会って最初にみんなに手を合わせられた。油断してたから少し吃驚した。挨拶のときは手を合わすもんなのね。
日本で言えば中高生くらいの年代らしい。通訳の人も一人いて、こちらもタイの人。年齢は不詳。20歳前後?
最初は英語で案内したらいいのかなと思っていたけど、英語よりは、日本語をタイ語に訳した方がいいと言われて、日本語で案内。
しかし、通訳の人は、あまり生き物の名前は知らない。いろんな標本を見せるけど、日本語で言っても種名が通じない、仕方がないので大ざっぱなグループ名を言う。日本語でわからなければ、英語で言ってみる。動物名に関しては英語の方がよく通じる。ってゆうか、通訳いらないから楽かも。
ただ、唯一日本語でも英語でも説明しきれなかったのが、ジュゴン。英語でも、dugong。仕方がないので海牛! sea cowかなぁ〜などと言っても通じない。海の哺乳類で、海草喰ってて、人魚のモデルで。通じない…。タイでは知られてないのか?
ゾウの頭の骨も見せた。ゾウを大切にするお国柄、と思っていたのでどういう反応があるか少しドキドキしたけど、みんな「ちゃん!」といって喜んでいるようだった。「ちゃん」はゾウって意味。
考えてみれば、日本にはタイ語の説明は一切ない。展示物を見ても、画面を見ても、日本語ばかり。せいぜい英語、簡体字、ハングル文字が並ぶ程度。タイ語しか知らなければ、目に飛び込んでくる情報量は少なそう。タイ語しかしらないタイの人が日本に来たら困るだろな〜。
案内は1時間ちょっと程度の短いものだったけど、せっかくなのでタイ語を少し教えてもらった。
最初の挨拶は、「さわでぃ くらっぷ」(女性は、「さわでぃ かー」)。こんにちわorおはようってことだそうな。トイレにサワディさわやかサワディは、これから来てる?とにかく覚えやすい。
最後には、みんなに日本語で「ありがとうございましたー」と言われそうになったから、タイ語で言ってもらった。「こぷん くらっぷ」(女性は、「こぷん かー」)。
ついでに「どういたしまして」は、「めいぺんらい」と教えてもらう。
そんなわけで、最後は、「こぷん かー」「めいぺんらい」とやって解散。上手上手と言ってもらったけど、間違いなくお世辞。
タイ語の母音は多すぎて、さっぱり聞き分けられない。もちろん発音もできない。学生時代、タイからの留学生に簡単なタイ語を教えてもらおうとしたけど、どんなに上手に真似たと思っても、違うと言われたことを思い出す。同じにしか聞こえないのに〜。
植物園をウロウロ。この冬は、例年と違うことがいろいろ。まず今日でもクスノキをはじめとして、木に果実がまだまだたくさん残っている。鳥では、ハイタカがやたら頻繁に出現し、とまっている姿をゆっくり観察できることも少なくない。かと思えば、冬の小鳥類は全般に少ない。ヒヨドリは少なく、ツグミやシロハラはとても少ない。ビンズイやアオジも影が薄い。おかげで林に鳥の姿があまりない。静かで寂しい冬木立。観察会は厳しい。
で、メジロも少ない。今日はウロウロしたのにメジロにまったく出会わなかった。まあ、群れで移動してる鳥は、たまたま群れに出会わなければ、いないってことになりがち。でも、少なくとも年明け以降、ずーっと出会う機会が少ないし、出会っても数が少ない。
メジロが少ないって話は、いろんな人からも聞く。とくにエサ台にミカンを刺したりしてる人は、口をそろえてメジロが来ないという。近所や関西だけでなく、東京からも問い合わせがきたのには驚いた。ここ数十年来で初めての異常事態と断言した人もいた。そこまでの事態かはともかく、たしかに記憶にないくらいの少なさ。
ビンズイ、シロハラ、ツグミ、アオジが少ないというのは、冬に渡ってくる個体数が少ないのかもとか、渡ってきてても平地に降りてこないのかもとかの説明もできそう。ヒヨドリが少ないのも、冬に渡ってくる個体が少ないんであって、夏にもいるくらいの個体数はちゃんといる。
でも、メジロはちょっと違う。今では大阪の市街地でメジロは普通に繁殖。大きな公園では、かなりの個体数が年中生息してる。確かに冬に渡ってくる個体もあるだろうが、そもそも年中生息してるはずの個体数すら見かけないように思う。
エサ台に来ないだけなら、果実が豊作で食べ物が豊富だからで説明できるが、そもそも植物園で姿を見かけないことは説明しにくい。
どこかへ行ったの? でもなんで? 植物園に食べ物は豊富にあるのに!
南海バスに、15人の団体で乗ろうとした。バスの出発までまだ15分以上あったけど、すでにバスは来ていたので、乗り込んだ。するとバスの運転手さんが声をかけてきた。団体で安く乗る方法があるという。なんと親切な! 待ち時間もあることだし、安いのをお願いした。
運転手さんは、やおらメモと鉛筆を取り出して、筆算を始める。「どこまで行くんや?」「大人は何人?」「子どもは何人?」念入りな計算の後。4050円と言われる。で、4050円用意したら、違うと言われる。どういうこと?
さて、そこで取り出したるは、昼間割引なんかいバスカード。「これは、平日は昼間割引なんやけど、土日・祝日は一日中割引なんや」「で、2000円で買ったカードで、2720円分使えるんや」言われてみれば、メ土・日・祝日は終日有効モと小さく小さく書いてある。ほんのり題名に偽りのあるカード。
ここでようやく運転手さんの提案がわかり始める。カードを買って、4050円分精算したら得ってことらしい。
でも、団体の人数分何度も通すのは面倒〜。と、思ったら、人数分の代金を入力してから、カードを通したらまとめて精算してくれた。おお、これは便利!
でも、眉間にしわを寄せてるから、運転手さんはいかに得かをさらに説明してくれようとする。いやいや得なのはわかった。でも、団体の代表者としては、一人当たりの値段を考えないといけない。暗算しようとして挫折。フィールドノートで筆算。わかっていれば、電卓を持ってきたのに!
2000円で2720円分使えるので、約26,5%の得。本来の運賃が310円なら約228円。子どもは160円が118円。けっこう馬鹿にならない額がお得になってるらしい。
気に入ったので、帰りのバスでも同じ方法を試してみた。昼間割引なんかいバスカードを購入して、運転手さんに何人分をまとめて精算したいか言えばいいだけ。かなり簡単。
というわけで、お得だったのはありがたい。難点は、一人一人からお金をもらうから、小銭ばかりが増えて、財布が重たくなること。
鳥の観察会にて、キジバト好きの小学生に出会った。先月会った時、キジバトの鳴き真似を披露してくれてたけど、あんなにキジバト好きとは知らなかった。
キジバトを見つけると、盛んに鳴き真似を繰り返してくれるだけでなく、キジバトについて色々と語ってくれる。
「あの2羽はペアやねん」確かにつがいの可能性が高そう。
「上が雄で、下が雌やねん。上がさっき鳴こうとしてたし」なるほど、判断の根拠は正しそう。
といった具合。語ってる内容には怪しいことも含まれるけど、大筋ではたぶん合ってる。好きこそものの上手なれってことか。
キジバトなんて、観察会では無視される事が多いのだけど、おかげでキジバトを熱心に見ることになった。なるほど、このように熱意を込めて語れば、多くの人の興味をひけるのだな。と、さめた自分を反省。
先月、キジバトの鳴き真似を聞かせてもらったとき、来年鳴き真似対決をするとかしないとか話したのだが、そのことを今日もまだ覚えていた。本気なのか? 来年までに忘れてくれますように。
いろんな団体に、活動内容をアンケートみたいな感じで答えてもらったのを集計。アンケートは難しいとしみじみ思わされる。次の機会のために、メモ。
・連絡先
これはあんまり問題なし。
・行事への参加方法、あるいは入会方法
入会しなくても行事には参加できたりするかもしれないから、両方書く欄を作ったけど…。かえってややこしかったかもしれない。
あと、入会方法として、観察会の時に受け付けます。と書いてあるけど、いつが観察会かわかる手段がどこにもなかったり。
・活動分野
どんな団体かを一目でわかるようにと、活動してる地域、対象、活動内容・目的(選択肢から選ぶ)を書いてもらおうと企画。最大の問題は”活動の対象”。特定の生物群を対象にしてるとか、化石や石を扱ってるだとか、そんな答えをイメージした設問なんだけど。
「子どもから大人まで」
なるほど、そうきたか。間違ってないけど、設問意図とは違うような。じゃあ、どう設問すればよかったのか…。
・出版物
会報とか、自費出版の本とかが書かれる。と思いきや、業績ともとれるので、他団体の雑誌に投稿した論文が書いてあることも。それはまあええか。
・活動内容、その他団体の紹介・宣伝
これはもう好き勝手に書いてくれ〜。で、実際好きに書いてある。謙虚なのから自慢話まで。書いた人の個性が出てて一番おもしろい。
毎年、1月末を目処に、その前年に読んだ本のベスト10を作ってる。といっても、国内SFベスト10、海外翻訳SFベスト10、SF以外の小説ベスト10。いずれも前年に初版が出版された作品限定。まあ、どうしても読み落としてるのがあるけど、とくにSFベスト10には力が入っていたりする。
今年は、趣向を変えてというか、趣向を付け加えて、2005年に読んだ自然史関連本ベスト10を作ろうと思ったけど、2005年に初版を出版という基準はつらい。いや、そもそもベスト10にするほども読んでいない。
というわけで、いつ出版されててもいいから2005年中に読んだ本で、5冊選んでみた。
●「植物のかたち その適応的意義を探る」酒井聡樹著、京都大学学術出版会
●「金沢城のヒキガエル 競争なき社会に生きる」奥野良之助著、どうぶつ社
●「鳥たちの森」日野輝明著、東海大学出版会
●「生きものは昼夜をよむ 光周性のふしぎ」沼田英治著、岩波ジュニア新書
●「ドーキンスvs.グールド 適応へのサバイバルゲーム」キム・ステルレニー著、ちくま学芸文庫
我ながら変なセレクション。あえて、まとめれば研究者としての著者らしさがバランスよく出ている本が好きなのかもしれない。
2000年1月15日、スカンクを捕まえた。工事現場にアライグマがいると言って呼び出され、現場に行ってみるとシマスカンクだった。
こんなんどうしたらいいんや〜。とやや途方に暮れたけど、呼んでみると近寄ってくる。とくに攻撃的でもなく、最後は抱きかかえて段ボールに入れておしまい。ものすごく簡単な捕り物であった。
拾得物として警察に届けたものの、落とし主は現れず。スカプンと名付けて、しばらく飼っていた。
とにかくおとなしいし、人なつっこい。持ち上げられて地面から離れるのは嫌らしくジタバタ暴れるが、あとは何をしても怒らないし、噛まない。とにかく、まったく噛もうとしない。爪が長くて攻撃してきたら怖そうだが、まったく攻撃してこない。人を見たら近寄ってきて、餌をくれ〜とねだる。前足を人のひざに乗せて餌をねだる姿は、とっても可愛い。
当時、チョコエッグにはまっていて、大量に買っていたのだが、チョコレートの処理に困っていた。食べ物を捨てるわけにも行かないし。ところが、スカンクの癖に(それともスカンクだから?)、スカプンはチョコレートが大好物。チョコレートが食べ物として処理できてありがたかった。
とはいうものの、いつまでも飼っているわけにもいかず。死んだら標本にするから返してくれるという約束で、里子に出した。
今日、スカプンが帰ってきた。昨日死んだらしい。保護してから、約6年。けっこう長生きしたような気がする。
標本にするという約束通り返してもらったので、標本にしないといけないわけだが…。名前を付けて可愛がったことのある動物の皮を剥いたことはない…。どうしよ。
必ずしも望ましいポジションではないが、簡単には移動できないので、がまんして動かない様。
今日も夕方、カワウの塒を見に行った。小雨が降って寒い中、カワウの数を数えて、あとはカワウが帰ってくるのを見ている。
カワウの塒は、木の上にできている。図体はでかいし、脚は短いし、飛ぶには助走か落下が必要。そんなわけで、木の上のカワウはほとんど機動力がない。隣の枝に移るだけで一苦労。普通はある場所にとまったら、その場所にとまったまま。
どうしても場所を移りたければ、いったん木から飛び出して、グルーっと大きく回って、新たな場所にとまる。でもさほど狙いは正確ではないようで、とまるときも木の枝にドサッと落ちる感じ。
きっと大部分のカワウは、本当に自分がいたい場所ではないけど、我慢してるに違いない。
今日、ヤマカガシに噛まれた時の話をライブで聞いた。身近にヤマカガシに噛まれて死にそうになった人がいるというのは聞いたことがあったし、話し手の顔も名前を知っていた。でも、ヤマカガシ話と、顔と名前は今日初めて一致した。
そのヘビ好きのおじさん(当時)は、野外でヘビを愛でたり、写真に撮ったりするらしい。で、ある日、ヤマカガシを見つけて手を出したら、噛まれたんだそうな。でも、ヘビ好きなので慌てず騒がず。噛んでるヘビをながめていたら、倒れたとか。
口から血を吐いて、頭はガンガン痛くて、噛まれた跡から血が止まらない。当時はヤマカガシの血清がなかったから、全身の血を輸血で入れ替えて、一命を取り留めたとか。
さっするに、ヤマカガシに噛まれたのに、そのまま噛ませたままにしたのが敗因。まあ、常識的にはそんな人はいないし。噛まれてもすぐに放したら、問題ないので(少なくとも経験上は)。毒があるからといって、ヤマカガシをさほど怖れる必要はないかなと思った。
ちなみにこの方、野外でのヘビのいろんな行動の写真をもっておられる。ヘビを見たらすぐに採集せずに、一度じっくり観察してみたらおもしろいのかもと考えさせられる。
みんなで手分けして、大和川水系の河川の等高線を読んだ。山間はいいとして、大阪の平野部や、奈良盆地が読みにくい。1/25000地形図でも、そんな時は5メートルおきに等高線がある。ってことを初めて知った。
たとえ5メートルおきに等高線があっても、読みにくい。というか読めない。等高線がどこで川を横切ってるのかわからない。まあ、河川の部分だけ低くなっていたり、時には天井川になっていたりで、地図を作製する側としてもどうしようもないんだろうけど。
とにかく、正確なところはわからないので、周囲の状況から、えいや!と場所を決めた気がする。まあ、誤差の範囲ということで…。
カワウのねぐらの調査に、泉佐野まで出かけた。電車で1時間、歩いて時間。着いてみるとカワウはいない。待っても帰ってこない。
池の周りでは、アオサギが2羽とセグロセキレイ1羽が行ったりきたり。サギの羽音とセキレイの声が時々聞こえる。周囲の林からは、思い出したようにヒヨドリ、ウグイス、エナガなどの声がするが、しばらくすると止んでしまう。すると、とっても静か。風が吹くと、枯れたススキがゆれたり、落ち葉が動く音がする。時々、飛行機が上空を通過する。でも、大部分の時間はとっても静か。遠くから車の音が少し聞こえるくらい。
寝てしまいそうな状況だが、小さい頃から大きな道の側に住んでいたせいか、静かだと眠れなかったりする。
いや、そもそもカワウが帰ってくるか見張ってないといけないので、寝てるわけにもいかない。カワウが帰ってこないか、空を睨んでいないと。
カワウはまったく帰ってこないし、聞いて楽しむ音もないし、話し相手もいない。こうなると、何か考え事でもするしかない。
無の境地を目指して瞑想したり、哲学的な課題について思索したりすると格好いいのだろうが、考えてるのは、いたって世俗的なこと。
どうしたら会員数が増えるかな〜、なんか他に収入はないかな〜、削れる支出はどれかな〜。あとは、頭の中で試算してあれやこれや、経営問題を色々と。
他にやることもなく、1時間以上も時間があると、まあ色々考えられるもので。解決はしないけど、整理はできたかも。
今日は昼から貝塚に行って、車であちこちに連れて行ってもらった。鳥を見るのが担当なんだけど、この冬はあまり鳥がいないので出番は少ない。暇なので、カヤネズミの巣を探したり、アライグマの足跡を見つけたり。エフクレタヌキモなる外来植物を見せてもらったり、ヤナギスブタと思いきやエビモという水草を見せてもらったりする。
そのヤナギスブタもどきを見せてもらったため池でのこと。鳥もいないし、水草をいつまでも見ててもつまらないので、池の中の落ち葉を拾ってみる。なんやら小さな巻き貝が付いている。しばらく探していると、もう少し大きなのもついている。
一見して、細長くてサカマキガイのような感じ。なーんだと思ったけど、いちおう採取してみる。採取してから気づく。右巻きだった…。
まあ、自慢ではないけど、貝の右巻きと左巻きは、殻頂を上にして、殻口を手前に向けないとすぐにはわからない…。普通にはっている貝を見た時は、しばらく考えないと右巻きか左巻きかわからない。つまり頭の中で、裏返す作業が必要なわけ。
てな、言い訳はともかく、右巻きならサカマキガイじゃない。きっとモノアラガイの仲間だろうけど、モノアラガイやヒメモノアラガイにしても細長すぎ。というわけで、採取してきた。
帰ってきてから、図鑑をながめてみる。いまお気に入りは、ピーシーズの『日本産淡水貝類図鑑2』。きちんと同定できるかは別にして、しろうとにも取っつきやすい。ページをめくって絵合わせをすると、ハブタエモノアラガイというのにそっくり。外来種なんだそうな。
絵合わせでは心許ないけど、これ以上しっかり同定するのは、面倒。そんなわけで、貝に詳しい方、お近くにお越しの際は、ぜひ同定していってください。貝塚の人は、自分で採取して同定してください。
日曜日にラスターバッチのデザインコンテストがある。今日は、まじめに話を聞いていても仕方がない話(当たり前な話ばかり)を聞かされる羽目になったので、その間にデザインを考えていた。
以前の出品作品を思い起こしてみる。
写真を取り込んで下絵にしつつ、Photoshopでフクロウの絵を描いてみた。出来はいまいちだったが、けっこう上位に入った。
ネズミの画像を取り込んで、頭だけ拡大してみた。とってもいびつだが、妙に可愛い。これもけっこう高評価。
鳥の顔を正面から見たのをデザインしたらおもしろかろうと、シジュウカラの正面顔をデザインしてみた。われながらおもしろい物になったと思ったのだが、評価は低かった。
なかなか難しい。
今日、思いついたのは二つ。
・鳥の顔のアップをデザイン。くちばしは無視して、目の周りの模様だけに集中。いわば鳥の部分だけを取り上げる。鳥の種類を上手に選んだらけっこういけるんじゃ?
・哺乳類を頭を大きくして、丸くデザイン。ためしにラフに書いてみたけど、かなり可愛い〜。けっこういけそうかも!
さて、問題はきれいなデザインに仕上げる暇があるかどうかで…。
ヒヨドリやムクドリなど果実食の鳥の糞を拾ってきて、中に入っている種子を調べようという企画をした。
午前中は、名前のわかっている木から採取した果実から種子を取り出して、実物を使った図鑑作り。午後は、拾ってきた糞を洗って、種子を取り出して、実物図鑑で同定。
出てくる種子の大部分は、クスノキ、ナンキンハゼ、トウネズミモチ、クロガネモチ、サンシュユ、ピラカンサなどといったところ。クスノキとナンキンハゼを分けてもらったり、トウネズミモチとネズミモチ、クロガネモチとナナメノキなどを説明したらいいだけで、簡単。
だが、なかにはなんの種子か悩むのも出てくる。そもそも地元の植物園に生えてる樹木の種子ならわかるが、大阪でも山の方とか、兵庫県の海岸とかに生えてる木の種子なんかはわからない。仕方がないので、図鑑と首っ引きで調べる。
わからなかった種子を語っても仕方がないので、なんとかわかった種子について語ろう。
なんやら、スイカの種のような種子が出てきていた。きっとウリ科だろうと、その辺りをチェック。キカラスウリなのかな? などと思っていたら、他の種子を調べている時に偶然判明。ネムノキの種子だった。果実食の鳥の糞からネムノキの種子が出るとは思えない。種子だけ拾ってきたな〜。
他にも、なぜかこの季節にヤマモモやサクラの種子も出ていた。いったいどこで拾ってきたんだか〜。
今から津風呂湖へカワウを見に行きます。寒そう〜。
…
帰ってきました。やっぱり寒かった〜。その上、遠い〜。
電車を乗り継いで、約2時間で、近鉄大和上市駅。貧乏人はそこからさらに1時間20分ほど歩いて、津風呂ダム。ダム湖であるところの津風呂湖は大きいので、観察ポイントまで、さらに20分。帰りは暗くなってるせいか、下りだからか、早く歩けて、駅まで約1時間10分。往復でざっと7時間〜。
諸般の事情で、津風呂湖に行くのはこれが最後になりそう。遠いので嬉しいような、今まで通った場所に行かなくなるのは寂しいような。
最後なので、ヤマセミを見ておきたいな〜、と思ったら、津風呂湖ではなく、途中の吉野川で観察。
ちなみに津風呂湖ではハジロカイツブリを観察。今日は出会わなかったけど、ミサゴも出るし。近くの吉野川にはウミアイサも来る。内陸なのに海の鳥がけっこうでる感じ。海と間違うような大きな湖でも川でもないんだけど…。
昨日解凍したウシガエルを、今日解剖した。さらに皮を剥いて、骨格標本に。40人ほどがかかって、30匹のウシガエルを処理した感じ。
解剖の際には、胃腸内容物にとくに注目。なにか入っていたら、取り出して中身を見てみた。出てきた物は、
アメリカザリガニの破片多数、カニの甲羅、スクミリンゴガイの幼貝、巻き貝(スクミリンゴガイ?)の蓋、バッタの足、ヨモギハムシの前翅、ゴミムシの前翅、ゴミムシorハネカクシの頭、甲虫の幼虫、カメムシの頭、ハチ(スズメバチの一種?)、アリ、ハスの種子。さらにスズメらしき鳥の羽。
てなとこ(なんか忘れてる気もする)。もちろん他にも何やらわからん物も多数。
何かわかった物だけでも、アメザリから貝、さまざまな昆虫、はては鳥まで、いろんな物を食べていることがわかった。鳥まで食べるとは吃驚。死体を食べたんかな?
ちなみにこのウシガエルたち、昨年の10月頃に岡山県で捕獲されたものだそうな。
明日の行事で使うので、冷凍室からカエルを出した。二箱に30匹もウシガエルが入っている。
このカエル、昨年の11月に届いた。箱にはカエルと書いてあった。端っこを開けて、少し中をのぞいてみると、生きたカエルがいっぱい入っていて驚いた。安らかに永眠してもらうために、数日間冷蔵室に入れた後に、冷凍室に移した。
今日出してみると、ウシガエルは折り重なるようになっていた。生きてたときは、箱に均等に散らばっていたように思う。比較的安らかな死だろうと思って、冷蔵→冷凍にしたけど、やはり寒かったのかもしれない。
思い起こせば、大学の時のカエルの解剖実習では、生きたカエルの延髄を切らされた。血が大量に出た。やはり冷凍の方がましだと思うのだが…。
カワウのねぐらを見に行ったけど、カワウはおらず。いないという情報は大事だとは言いつつ、なんかむなしい。せめてカヤネズミの巣でも確認して帰ろうと、池の土手のススキの中に入ってみた。
あっさり発見。我ながら、この秋以降のカヤネズミの巣を見つける技量の上達には驚きを禁じ得ない。
で、なにを思ったか、草に付いた状態で巣を持って帰ろうと思い立った。
巣がつくられているススキを根本からちぎる。長さ1mほどのススキの上の方に玉が付いてる感じ。かさばるし、壊れやすいし。ザックにも袋にも入らない。仕方がないので、片手に掲げたまま持って帰ることにした。
歩き始めてすぐ農作業をしてるおじいさんに声をかけられる。
「ネズミの巣やな」「そうです」
「中に入ってるんか?」「もう使ってないですね」
「聖火ランナーみたいやな」「ははは」
しばらく話をしてから、バス停に向かった。タッチの差でバスに乗り遅れた…。
バスは40分ほど待たないとこない。それなら駅まで歩いた方が早い。じっとバス待ってるのは寒いし。ってわけで、歩き始める。
真っ暗になってきた中、知らない町を地図を頼りに歩く。片手には聖火のようにカヤネズミの巣をかかげて。すれ違う人がみんなこっちを見る。目立ってるらしい。自転車で追い抜きしなに、振り返って見てる。危ないって。
結局、45分歩いて駅についた。時間的にはバスを待ってもさほど変わらなかったかも。190円もうかったけど。
電車の中では意外なほど注目をあびない。都会に近づくほど好奇心がへるのか、許容度があるのか。ちょっと枯れた花束みたいだからかも。
ともかく、なんとか帰り着く。巣を持っていた腕が疲れた。聖火ランナーもさぞかし腕が疲れるに違いない。
親しくはないけど、知らないわけでもない人が亡くなっていたらしい。遺族の方から電話があって初めて知った。電話は、残された本を引き取りませんかというもの。もちろん引き取る。
というわけで、今日、引き取りに行った。鳥関係の知り合いなので、鳥関係の本が色々ある。さらにキノコ、尾瀬、山、生態学といった自然史関連分野から、民俗学、歴史、仏教、美術、中国文学などなど。かなり幅広い分野の本が並ぶ。なかなか幅広い興味をもった人だったんだなぁー、と初めて知った。
生きてる間は、気むずかしそうなおじいさん、と思ってたんだが…。
それにしても、死んだ後に残る本は、その人の内面について色んな情報を提供することを実感。
ひるがえって、自分を省みてみる。家に残されるのは、マンガとSFの山。あとは、ライトノベルとか、その他小説が少々。うーん、死んだ後、遺った本を見た人はなんて思うんだろ? 阿呆かこいつは、とか。
昔の日本にはヘラジカが生息していたらしい。そんなわけで、ヘラジカがいたんだけど、この日曜まででお役ご免となり、別室へ引っ越しすることになった。
ボルトでもちょちょいとゆるめれば、すぐに移動できると思ったのに、そうは問屋がおろさなかった。
ボルトはゆるまない。いやそもそも、見えてるボルトをゆるめただけでは動きそうにない。下からもボルトをゆるめるのかな〜。と思ったけど、下に入ることができそうにない。
ええい、台ごとはずして引っ越しだ〜。という声が上がり、冗談かと思ったら、本当に電動ノコギリが出てきた。苦闘すること、約2時間。5人がかりで、台の残骸と共にヘラジカは持ち上げることに成功。めでたく引っ越しは完了した。
手伝ってくださったみなさま、ありがとう〜。
ヘラジカが去った台の穴をのぞき、落ちては積もるおがくずを見ていた。隣に立っているナウマンゾウには車輪が付いてた。小さな車輪だけど、降ろしたら引っ張っていけそう。
10年前、大阪人がヌートリアをみたいと思ったら、近場なら兵庫県に行くことになっていたと思う。武庫川とか加古川にはけっこう昔からヌートリアが野生化していた。やがて、伊丹市の昆陽池でも、ヌートリアが見られるようになった。ここのは手から餌をもらいに近寄ってくるので、観察という点では絶好かも。
2000年頃からは、淀川の各地でヌートリアが見られるようになった。さらに上流の京都にも、滋賀県の琵琶湖にも広がった。
淀川周辺では、芥川のけっこう上流でもヌートリアが見られるそうだし、大川や神崎川といった淀川周辺でも確認されてる。それどころか、大阪市南部の小さな川でも確認されてる!
などといった原稿を書きつつ。少なくとも現在のところ、大阪でヌートリアが増えたから、絶滅したり減ったりした生物は思いつかない。だとしたら、ヌートリアが加わったことで、生物多様性は増加したことになる。
生物多様性が高くなったとしても、あまり嬉しくない。つまり、地域の自然の歴史性の方が大切と考えているんだろう。と自己分析。
この日記めいたものを書き始めて、今日でちょうど丸一年になる。思い起こせば一年前、あんまり覚えてないけど、書き始め。なぜだか意地のように続けてきた。
思い起こせば小学生の夏休み。こちらはよく思い起こせるけど、絵日記と読書感想文が最大の難関であった。ようは文章が書けないんだな。さらに続けるという根気も少なめ。
それと比べると、成長した自分に拍手を送ってあげたいかも。
さて、1年と言えば、ほぼ365日。その中で何日書いたか(実際には、何日書いてないか)を数えてみると、325日書いてることが判明。
かなりのテキスト量になる。そんな暇があったら論文書けよ、って気もする。書いた文章、適当に編集して、本にでもならないかな〜。
何かしてるときに、これネタになるぞ!とか、思ってしまったり。歩きながら、文章の構成を考えてみたり。日常生活にも大きな影響を与えている。日記が、かくも恐ろしいものとは、知らなかった。
NテンドーDSの柔らか頭がどうしたとかいうゲームをした。なんか色々なことをやらされて、43歳で、2級だった…。
それぞれのゲームだか、テストだかの前には、やり方の説明をしてくれるのだが、いらんことも色々と出てきて鬱陶しいから、次々と飛ばしていき、ゲームスタート。必然的にどうしたらいいのかいまいちわからない。タイムトライアルなのか、間違わなければいいのか。ミスしても何度でもやり直せるのか。線は何本引いていいのか。ルールを理解するまでにしばらく取りこぼす。さらに付属のペンではなく、スプーンの裏を使ったので、強く書いていいのかわからず、遠慮してたら文字をきちんと認識してくれなかったり。
つまり何を言いたいかと言えば、そんな取りこぼしをしなければ、決して43歳にはならなかったということで…。
それにしても多くのゲームは、点数や評価を抜きにしても、おもしろい。一押しは、短時間見せられたいくつかの数字を覚えて、小さい順にその場所を押さえていくゲーム。
最初は、数字の小さい順にたどって場所を覚えていたけど、それだと数字7〜8個が限界。それ以上は、短時間でたどれない。
今度は、並んでいる順に数字を暗記してみた。これだと8〜9文字までなら対応できる。電話番号を覚えるのと同じだからか。
最後に、全体パターンを絵として覚えようとした。せいぜい6文字までしかできないノ。
ところが、ゲーム機の持ち主が、10文字を軽々とクリアしてみせてくれた。やり方は、全体パターンを絵として覚えているらしい。そういうタイプの記憶が得意な人が世の中にはいるとは聞いていたが、こんなところにいたとは!
とまあ、各自の記憶の仕方を考察できたりするんだな。
ところで、初めてにしてはとても上手いと誉められたのは、家の中の人数を数えるゲーム。最初に家の中にいる人数が示されて、あとは家への出入りだけがしばらく示され、最後に何人家の中にいるか答える。出入りのスピードが上がったり、煙突からの出入りが混じると、けっこう難しくなる。
まあ、これが得意なのは当然。双眼鏡でながめながら、ユリカモメの個体数を数えるのとほとんど同じ。日頃の鍛え方が違うからね。
とまあ、このゲームかなりおもしろかった。すぐにはまってしまい、20歳になるまで意地でもやめない予感。そんなわけで、忙しい人は買わない方がいいでしょう。
昨年の夏、泉南の海岸に打ちあがったスナメリ。腐っていてドロドロで、冷凍室に直行して、はや半年。
今日、みんなで処理しようねって話は聞いていたけど、少し他人事のような気分でいた。
昨日の深夜、原稿書きが一段落してふと気づく。そのスナメリは誰が冷凍室から出すんだろう? きっと誰かが出すんだろうな〜。とは思ったものの、念のため解凍場所に使われそうな場所を確認してみた。見あたらない。
団長にメールしてみる。もう誰かが冷凍庫から出したのかな〜? 返事は、出すようにとの指令。なんですと?
指令をいただいたのはいいのだけれど、まったくサーチイメージがない。いったいどんな大きさで何色〜? そういえば年末の掃除の時に細長いのが3つあった。きっとそのどれかがスナメリだろう。
フリース着て、ダウンを着て、手袋をして、とりあえず冷凍室に入ってみる。冷凍機のスイッチをOFFにして入るとあまり寒くない(と年末に学習した)。お目当ての細長いのを発見。2つは、すでに肉がほとんど付いてないらしいから、スナメリのはずはない。ということで必然的に残るのがスナメリ。
きわめて論理的に結論に達して、冷凍室からお目当ての物を運び出す。長さは1.5mくらい、重さは30kgくらい。かさばって重い。肩に担いで運ぶ。とある部屋に運び込んで、念のため包みを解いて中身を確認してみる。なんか頭がでかい。肉も少し処理してある。そもそも腐ってない。スナメリではなく、カマイルカだった…。
寒かったのに、重かったのに、しっかりと梱包してあるの解いてしまったのに、担いだらダウンに血がついたのに、カマイルカ〜。
そのまま、しばらく脱力。
気を取り直して再び冷凍室へ。どうみてもイメージするスナメリ大の物(長さ1m以上の細長い物)は他にはない。わっけわからん。で、仕方がないので、冷凍室の隅々をチェックしてみる。ずいぶん前に行方不明になっていた物を発見したりしつつ。少しそれっぽいのを発見。長さは1m弱で、あまり細長くない。けど、小さくて太ったスナメリならありうるかも。
奥から引っ張り出して、中身をチェック。と思ったけど、三重になっていてよくわからない。それに中身はなんやらグチャグチャしている。恐ろしげなので、シンクの中で中身を出す。この臭いは紛れもなく、腐ったクジラ類。というわけで、なんとか発掘に成功。
そのままシンクの中で、解凍。朝来たら部屋中臭かった。
果実の様子をチェックすべく、植物園をウロウロした。
今年の果実はけっこう豊作。でもって、冬鳥としてやってくる中型の果実食鳥(ヒヨドリ、シロハラ、ツグミ)は少ない。というわけで、果実はまだまだなくならない。と、思っていたけど、けっこう減り始めている。
クロガネモチやトウネズミモチは、まだほとんど喰われてないと言っていいくらいだが、クスノキはけっこう喰われてる。なかには食べ尽くされた個体もあるほど。
渡ってくる果実食鳥は少なくても、年中いるキジバト、ムクドリ、カラスはいるからかな。とくにカラスは例年よりも多い気がする。
とはいえ、果実消失予報官の中期予報は、
クスノキは1月いっぱいはもつでしょう。その後、1ヶ月近くかかって、2月末から3月初めにかけて、クロガネモチやトウネズミモチなど他の果実も食べ尽くされるでしょう。
というわけで、昨年秋の長期予報のままでいけそうな予感。
鳥の方は、ツグミが増えてきて、シロハラの姿も見かけるようになったが、ビンズイは見かけない。木の上に、細身のキジバトがいると思ったら、ハイタカだった。この冬はほんとにハイタカをよくみる。
さて、今日一番ショックだったこと。葉っぱが全部散ってようやく気づく。果実のなってるエンジュがあった…。今シーズンはならない年だと思ってたのに〜。
深夜の夕食を食べたあたりから気持ちが悪くなり、昨日の朝は熱が出ていた。仕方がないので、休むことにして、一日寝ていた。昼には微熱程度になり、夜には平熱に戻る。何か食べようと戸棚をあさったらレトルトのカレーが出てきたので食べた。また、気持ち悪くなった。そして、今朝。熱はなさそうやけど、まだなんか気持ち悪い。
とはいうものの、二日間も寝てられないんで、起き出して調査にでかける。自転車で大和川沿いを走り、水鳥を数える調査。
今年の大和川は、カモメ類が少なくて、とっても数えやすい。もしかしたら憂うべきかもしれないが、数を数えるには楽ちん。一方で、今日はタゲリがいたり、カンムリカイツブリがいたり、いつになく種類面では豪華な感じ。
調査開始時はまだちょっとフラフラした感じだったけど、調査が終わる頃には普通の状態に戻っていた。
いつもそうなんやけど、フィールドに出ると風邪って治るよな〜。
そんなわけで、二日間の鳥の皮剥きショーが終わった。公演回数は12回(たぶん)。毎回5〜7人くらいの小学生を前に、皮剥き作業を少し進めつつ、鳥や鳥の標本作りなどなどについての蘊蓄を傾ける。
剥いて見せた鳥は、アオバズク、アカショウビン、ハイタカ、バン。背中を剥いてる場面を見せたり、切り離した胴体を解剖して生殖巣など内臓を見せたり、頭を剥いてるところを見せたり、目玉を取り出して見せたり、脳を取り出して見せたり。それなりにインパクトの強そうな場面を用意する。
とは言いつつ、同じような場面を見ても、公演ごとに観客の反応はさまざま。興味津々で危ないくらい近づいて見ることがあれば、気持ち悪がって全然近づかないこともある。同じ鳥を剥いているのに、臭いーと騒ぐことがあれば、ぜんぜん平気なこともある。
おもしろいことに、多くの場合、一つの公演内での観客の反応は同調する。臭いーと騒ぐ場合は、全員鼻を手でつまみ。気持ち悪いーと叫ぶ場合は、全員すぐに部屋から逃げ出す。
どうやら集団の反応を決めているのは、一人か二人の目立つ奴らしい。これが、臭いとか気持ち悪いとか騒ぐと、他のメンバーも同調しがち。逆に、鳥の皮むき好きがグループを押さえていると、実は気持ち悪がっている子も、恐る恐る近づいてくるように思う。いろんな場面でよく会う顔見知りは、ため口でいろいろ話しかけてくるけど、そうなると質疑応答がやたらと盛り上がったりもする。
サクラを混ぜておくってのは、意味のあることなんだなぁ。と、実感させてくれる。
いつものようにメールチェック。膨大なウイルスメールや迷惑メールが来るので、その処理が面倒。で、まあ一通り処理して、今度は添付書類の処理。これまたたくさんのウイルスや不要なファイルが送られてくる。必要なファイルだけピックアップして、後はまとめてゴミ箱に。
と、思ったら気になるファイル名を発見。
opossum.jpg 1
オポッサム? と思いながら開いてみる。マックユーザーだし、一応ウイルスチェックはしてるし、そっち方面はさほど気にしなくても大丈夫。
オポッサムの死体の画像が現れた。これは何?
普通の人に動物の死体の画像を送りつけたら嫌がらせだろうけど、ホネホネ団関係者になら、この死体要りませんか?というメールではないかと思われる。
でも、肝心のメール本文が見あたらない。どうやら間違えて捨ててしまったらしい。がーん。
オポッサムの死体欲しいよ〜。
どこのどなたか存じませんが、オポッサムの死体の画像を送ってきてくださった方、ぜひ死体をください。よろしくお願いします。
明日は小学生の団体に、鳥の皮むきを見せることになっている。というわけで、夜の間に材料を選んで、冷凍庫から出して、解凍しておかなくてはならない。
鳥の皮むきってそんな気持ちの悪い物を見せるのか?と思うかもしれないが、気持ち悪いと思う心は社会的な洗脳によって身に付くものではないかと、かねがね考えている。
実際、小学生は低学年ほど興味津々で鳥の皮むきを見る傾向がある。
もちろん、気持ち悪い〜、と騒ぐ奴もいるし、本当に顔色が悪くなる子もいる。まあ、気持ち悪ければ、離れていればいいわけで、興味を持つ子に見せるだけ。
さて、せっかくの皮むきショー。もしかしたら、これをきっかけに将来世界的な鳥類学者や解剖学者や剥製師が生まれるかもしれない。となると責任重大。少しでも興味があるなら、その興味をさらに大きくしてやろう。と、材料選びには力が入る。
とにかく、小さな鳥はダメ。みんなに見せにくいから。腐った鳥はダメ。臭いから。古い鳥はダメ。手際よく皮むきしないと突っ込まれるから。
あとは、色が綺麗か、格好いいか、おもしろい形をしてるか。なんてことを基準に3体ほどピックアップ。
なーんてことを言っても、ストックされている鳥の死体には限りがある。厳しい条件をクリアする鳥はさほど多くなく、ほとんど必然的に材料は決まってくる気もする。
今回、ご用意したのは、ハイタカ、アオバズク、アカショウビン。いかがなもんでしょう?
某所で焼き芋大会をした。たき火で焼いていろんな物を食べる集まりで、焼き芋大会といいつつ、必ずしも芋を焼くわけではない。いわば、焼き芋というのは、この行事を指す単なる記号となり果ててしまっているわけ。
焼き芋のウェイトの低下はさておき、たき火でいろんな物を焼いて食べるのはおいしい。近頃は、芋を焼く人がどんどん減って、けっこう工夫を凝らした食材を持ち寄る。
で、今回用意した物のをレシピを反省とともに記録しておく。
▼豆もやし、韮を細かく刻んで、豚挽肉と共によく練って、酒、醤油、生姜、大蒜で味付け。ようは餃子中身みたいなの。
→味はうまいけど、ちょっと薄味すぎた。あと、肉汁が出て袋が汚れた。
▼馬鈴薯を短冊切りにして、カマンベールチーズを乗せて、塩を少々。
→これはかなりうまかった。もう少し塩が欲しかったが。
▼酒と醤油に浸けた鶏肉と、エリンギ、青葱。
→うまかった。
▼ソーセージ、エリンギ。
→ソーセージから味が出て、エリンギもうまく仕上がる予定が、何も出なかったらしい…。
▼細切りして塩もみした茄子に、酒と醤油に浸けた鶏肉と、削り節を乗せる。
→茄子が妙な味になった…。
今回は、あまり成功例がなかった。一番うまかったのは、ソーセージ、カマンベールチーズ、マシュマロ、リンゴ、ミカンを棒に刺して単品で炙ったのかもしれない。
実をいうとユリカモメだけでなく、カワウのカラーリング情報の整理も担当している。これまた京都のSさんが始めた調査で、なりゆきで担当を任されてしまった感じ。
ユリカモメと違って、カワウは関西、東海、関東の3地域で標識されている(もっと西でも始めたっけ?)。そのうち担当してるのは関西で標識した個体の情報。関西での標識は、兵庫県伊丹市の昆陽池と、滋賀県の竹生島の2カ所で行われていて、使っているのは青いリング。
カワウのリングを確認するのは難しいので(脚が見にくいし、近づけない)、ユリカモメほど多くの情報は集まらないのだけれど。例によって半年以上も放ってあった。
で、これまた、これではいけないと、ものすごく久しぶりにカワウのカラーリング情報も整理してみた。
カワウの場合、標識を始めてまだ5年ほどしか経っていないので、寿命とかの話はまだできない。で、興味は移動の方へ。
とにかく特筆すべきは、昆陽池で標識された個体は、大阪湾岸を中心に関西でしか確認されないのに、竹生島で標識した個体は、しばしば東海や関東など、遠方で記録されること。二つのコロニーでいったい何が違うのか、とっても謎。
そんなわけで、カワウの足にもカラーリングが付いていたら、色と文字を読み取ってお知らせを〜。
ものすごく久しぶりにユリカモメのカラーリング情報の整理をした。ユリカモメの移動や寿命を調べるために、ユリカモメを捕まえてカラーリングを付ける調査が行われている。
この調査、京都の鴨川で始まって、兵庫の武庫川や昆陽池、大阪の大和川でも行われたりしたけど、結局息長く続いているのは京都の鴨川。まあ、推進役のSさんが京都にいるからやろうけど。
カラーリングは付けただけでは何の役にも立たない。ユリカモメにとっては、迷惑なだけ。でも、みんなでカラーリングを観察した情報を持ち寄れば、ユリカモメ自身も知らないような、いろんな事がわかってくる。ユリカモメに無駄に迷惑をかけないためにも、観察情報を集める努力が必要。
で、なんでかはわからないけど、ユリカモメのカラーリング情報の集計役を仰せつかっている。生でいろんな情報に接することができるので、とてもおもしろい。けど、整理は面倒。忙しさにかまけて後回しにしがち。この冬の情報もけっこう集まってきたのに、さっぱり整理できていなかった。
しかし、これではいかん! というわけで、この年末年始に少しでも整理を進めることに。まだ、整理の途中やけど、いくつかおもしろい個体がいる。
ある個体は、9月に秋田県で1度記録された後、12月に京都で記録されるようになった。素直に日本列島を南下して渡ってくるらしい。
関西でまったく記録されていなかった個体が、関東で記録されている。どうやら上京して帰ってこない個体がいるらしい。
この冬に記録されている最年長個体は、1984年12月に標識された個体。21歳以上ってことになる。
そんなわけで、ユリカモメの足にカラーリングが付いていたら、色と文字を読み取ってお知らせを〜。
今年初のフィールドは、カワウのねぐら入り調査。自転車で片道約50分。前回は、電車を乗り継いで、あとは歩いて行っていたのだが、片道1時間半くらいかかっていた。それに比べると格段に早い。
目的地は、大座間池という大きな池。半分くらいは打ちっ放しのゴルフ場になっていて、正月早々大勢の人が玉を打っていた。残る部分にでっかい電波塔があり、それを支えるワイヤー部分にカワウがとまる。
そういうはずだったのだが、今日はカワウがさっぱりいない。時々飛んできた個体も旋回して飛び去ってしまう。寒い中、1時間ちょっと待機して、日が暮れたので調査終了。
調査としては、カワウがいなかったという結果が得られたのでいいのだが、鳥見としては…。これで今年の鳥見運を占うとすると、目当ての鳥にはふられるでしょうってとこか。
元旦といえば年賀状。というわけで、年賀状を書く。というのは慣用句で、打ち出すだけ。
打ち出すだけでも、けっこう面倒。年末にはできずに、年明けに持ち越すのが普通。書面に元旦と書くのだから、元旦に書けばいいに違いない。
バレンタインデーがチョコレート業界の陰謀なら、年賀状はさしずめ郵便局の陰謀ではないかと思うが、年賀状のやりとりがなくなれば、完全に交流が絶たれる相手もいるので、それなりに続けざるを得ない。
年賀状を出しても、相手から来なければ、次の年から送るのを止めるという戦略をとっているのだが、年々送る相手が増えている。少なくとも年明け早々に顔を合わせるなら、送らなくてもいいのに〜。
というわけで、関係者のみなさま、できるだけ年賀状を送ってこないように。
さて、こうしてブーブー言いながら年賀状を作成しているとき、毎年気になる事が。和歌山の知人の住所に、「和歌山市鷹匠町」というのがある。昔、紀州藩お抱えの鷹匠がいたのかな? 今はいないんだろうなー。
まあ、それだけなんやけど。