化石のこばなし 精子の化石〜「瞬間を記録した化石」〜

シダ植物や裸子植物のイチョウとソテツは精子で受精することが知られています。古生代ペルム紀の裸子植物であるグロッソプテリスの珪酸分に置き換えられた化石から精子の化石が発見されました。このことは、化石が珪酸分へ置換される過程は、それほど長い時間がかからないことを示しています。まさに受精直前の「瞬間を記録した化石」と言えます。写真提供:西田治文氏。

<参考文献>Nishida, H., K. B.Pigg and J. F. Rigby. 2003. Swimming sperm in an extinct Gondwnan plant. Nature 422: 396-397

  • 画像:標本採集地
    標本採集地
    オーストラリア,クイーンズランド.
  • 画像:採集した標本
    採集した標本
    岩石全体が珪酸分で置き換えられている.
  • 画像:雌花の横断面
    雌花の横断面
    葉のようなものに胚珠(成熟して種子になる)が包まれる.左端の胚珠に精子が発見された.
  • 画像:胚珠の拡大
    左の画像の胚珠の拡大
    ぶら下がっているのが花粉管.花粉は胚珠の入口で発芽し,花粉管をつくり,精子を成熟させ、放出する.
  • 画像:精子の拡大写真
    雌花の横断面(上の画像)の精子の拡大写真
     
  • 画像:左の精子の構造の復元スケッチ
    左の精子の構造の復元スケッチ
    黒い点の部分に精子を運動させる繊毛があった.

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