化石とは何か
化石とは、過去の生物の体または生活の痕(あと)が地層中に保存されたものです。貝殻、骨、葉、微生物の骨格など様々な生物の体の化石があります。体の組織そのものが残っていなくても、生物の体の模様の痕などが残っていれば化石に含まれます。生活の痕の化石として、巣穴、足跡などの化石があります。
化石という日本語には「石に変化する」という意味が含まれていますが、必ずしも石になっている必要はありません。化石は英語ではfossil と言いますが、fossil はラテン語のfossilis(掘り出されたもの)に由来し、「石に変化する」という意味はありません。また、地層に残された波や流れの模様である漣痕(れんこん)を「波の化石」と呼ぶことがありますが、これは生物が関わってできたものではないので、本来の化石の意味ではなく、比喩的な表現として用いられています。
化石は、その生物の情報だけではなく、生命の進化、大地のおいたち、地層の時代、化石が生きていた時代の環境など、様々なことを語ってくれます。
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ケヤキ |
落ち葉のような保存状態で,石にはなっていないが、約300万年前の地層から産出した化石である.地層から取り出して,プレパラート標本にしてある.鮮新世.岐阜県中津川市.長さ2cm. |
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ドングリのお椀 |
ドングリのお椀そのものは消失して、突起の痕が穴として残っている.このような生物の体の痕も化石である.更新世.岸和田市.横幅2cm. |
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しのぶ石 |
シダ植物の葉のように見えるが,岩石の隙間に二酸化マンガンが浸みだして結晶になったもので,化石ではない.ドイツ.ジュラ紀.写真の幅約10cm. |
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漣痕(れんこん) |
波浪により海底面にできた凹凸が地層として残されている.波は生物ではないので,化石ではない.先カンブリア時代.ネパール ガンダギ地方.標本の幅約60cm.神奈川県立生命の星・地球博物館所蔵. |
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