夏季博物館実習4日目(23日)
実習4日目担当、東京農業大学のK.Kです!本日は植物化石がご専門の学芸員である、西野さんにご指導いただきました。植物化石について、大きく展示と保管の2つの側面を学びました。
午前中は展示についてです!現在、常設展に展示中の植物化石のコーナーを清掃しました。植物化石は壁に埋め込まれた展示ケースの中で展示されています。そのため、化石まわりを清掃するには一度ケースを開けて、中の化石を取り出す必要があります。しかし、この取り出す作業が難しい!化石の植物体の部分は触ると崩れてしまう可能性があるとのこと。また当然のことながら化石に衝撃を与えてはいけません。資料は後世に残すもの、絶対に傷をつけてはいけないため、化石を触るのは緊張しました。
西野さんからは展示の見せ方についても教わりました。ポイントは誰にでも見やすく分かりやすい展示であること。大人に見えやすくても子供に見えづらい位置ではいけません。また、資料の置き方も整理して見やすい展示を心がけます。横に並ぶいくつかのキャプションを、バラバラではなく、ぴったり1列にまとめるだけで視覚情報が整理されます。このような微調整もしっかりと行い、清掃を終えました。展示を見る側には伝わらないかもしれない、細かなこだわりが数多く見受けられました。しかし、このような細かなポイントを1つ1つ着実に押さえていくことが、洗練された展示につながるのだと勉強になりました。
午後からは化石の収蔵を学ぶ時間。実際にバックヤードに収蔵されている化石の整理を行い、化石の保管方法の一端を学びました。植物化石は動物の剥製などと比較すれば虫害や温湿度トラブルなどの保管上のリスクは低いです。しかし、衝撃に弱く取り扱いには注意が必要です。植物化石は展箱とよばれる長方形の箱に敷き詰められるように保管されています。そのため、1つの展箱はかなり重くなることがあります。運搬は慎重に行う必要があります。植物化石に限らず、収蔵庫の資料はたくさんあるため、資料の整理は素早く行いたいところですが、資料の安全が第一です。非常に地道で神経を使うというのが学芸員という仕事の肝の部分なのだろうと肌で感じた1日でした。


